6月7日の記事「
経済格差による市場分断」をここで少し書き換えて、整理しておくことにする。
「
経済格差」による市場分断が進んでいる。要するに、ある一定の品質・価格の商品が売れていたものが、急激に落ち込む傾向を示す。勿論、消費者選好の変化がそれをもたらしたとも言えるが、その選好変化も含めてその品質・価格に手が出せない中間層の消費者の下落が基になっていると考えるのが妥当である。
ここに、中間層を中心になだらかに上層と下層に市場が分布していたものが、上下へとくっきりと市場分断が進んできた。ビジネスもそれに対応せざるを得ない。その意味で、上下二面の実態を常に見ていかなければならない。上層への対応と下層への対応の二面の商品開発をしなければ生き残れなくなる。勿論常に、双方の階層が手を出したくなる商品(上層からは気軽に、下層からは思い切って)も供給しなければならない。
そこで、企業のしなければならないことは二面ある。
一方が、取引先とのネゴシエーションである。商品を目の前にした品質・価格のネゴシエーションである。売り手は在庫減らしに向けて、買い手は不良在庫とならないような行動がこれになる。ここでの議論こそ川上の素材生産情報と川下の消費者選好変化がぶつかり合う“場”となる。これを通じて、消費実態を掴み、商品製造に変化を与えなければならない。
そしてもう一方が、政府の統計資料である。この客観的事実を解釈して長期的商品供給対策をしなければならない。大枠での動向を知るにはこの統計は重要である。
この「経済格差」を見るのに「ジニ係数」という指標がある。この指標は0と1の間にあり、0は一切の経済的不平等がなく、1は支配者一人だけ経済的恩恵を受けている場合である。
浜松誠二『東アジア共生へのシナリオ』によると、ジニ係数の目安を次のように示している。
〜0.1平準化が仕組まれる人為的な背景がある
0.1〜0.2相当平等だが向上への努力を阻害する懸念がある
0.2〜0.3社会で一般にある通常の配分型
0.3〜0.4少し格差があるが、競争の中での向上には好ましい面もある
0.4〜0.5格差がきつい
0.5〜 特段の事情がない限り是正を要する
厚生労働省の資料(税引き後)では、1981年に0.33、2002年に0.49と上昇している。そして今、2006年ではこの数値がまた上昇しているだろうから、0.5を越えていると見るべきである。
「特段の事情がない限り是正を要する」に入る。この中で、まだ消費税上げを口にする政治家がいる。是正する意欲など政府やそれに近い学者も全くない。
このような現状で、取引企業との打ち合わせや統計資料が私達に実態を教えてくれる。そして、毎日の取引先との
関係性は消費市場の分断を分からせる情報源である。そして、外部情報を内部化し、それを根拠として新商品開発に生かすことになる。この実態を知ることこそ中小企業に生き残りチャンスを与える。これが
市場対応である。

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