「改正介護保険法とベッドはがし・・どの政党?(中編)」
介護保険
前編で、自民党・公明党と民主党による「改正介護保険法」が昨年(2005年)6月に成立し、その内容が公明新聞で明らかにされた。その内実が「自立」や「予防」であった。
それに対して、この法案の危険性を「介護保険をよくする大津市民の会」や「東京民医連」が抗議している、ことを記した。
この中編では、共産党、社民党の主張、そしていくつかのブログや朝日新聞「私の視点」を紹介する。
先ず、
前編へのコメント2通を紹介しておく。
投稿者@:nob (2006/11/2 14:57)
morichanさん、TB有り難うございます。ご指摘のように、今回の介護保険法改定は、国が本来負担すべき社会保障としての介護給付費の抑制をねらったものであり、「改正」どころか「改悪」そのものです。
私たちケアマネジャーには、制度運用の橋渡しをするだけでなく、こうした改悪によって利用制限を余儀なくされた利用者やご家族の声を、国や保険者(市町村)に現場から告発していく使命があると考えています。
いま、制度改悪の実態調査をすすめているところです。
今回の記事「改正介護保険法とベッドはがし・・どの政党?」は、老健施設で働く知人からの僅かな情報から書く勇気を与えられたものである。この現実に関わっている人たち(ケアマネジャーや家族)の情報収集こそ「介護保険法」の実態を語るものである。nobさんたちの努力から私たちは事実を知ることができる。nob さんのブログ「★平和と健康★守ろう生かそう憲法9条25条」は次のものである。
http://nobnob.blog.shinobi.jp/
投稿者A:yohko (2006/11/3 10:54)
アメリカの新聞記事を読んで初めに思ったのは、「生存権のない社会だ」ということです。お金の有る無しが、生命よりも上だという価値観で生きる社会通念の中で、人々は「生きるために」、「お金をたくさん持たなければ」という強迫観念が心に根を張っている・・・。悲しいですね。
アメリカが何故そうなのかは、「ローレンモレ」(注)というわたしブログでも触れています。
日本の政治は5年前から経済優先に舵を切りました。政治の持つ役割は色々あるはずなのに、です。
今の政治家の血縁関係をみると財界と結んでいます。二世政治家の彼らにとって、「政治」=「経済優先」は、あたりまえすぎて疑問を挟む余地がないのでしょう。
政治家が、地盤・かばん(資金)・看板(名声)をスタートから持つ二世政治家以外の人になったら、日本の政治はどう変わるでしょう?
彼らはイメージできないでいるのですよ。ベッドがないとはどういうことか、買えないというのはどういうことか。
努力が足りないとしか思ってないのでしょう。自己責任をいうのでしょう。
そのバランスを変えたいです。
(注)yohkoさんのブログ「幸せになるために」のブログ
http://blog.livedoor.jp/yyyyohko/
内の10月26日付け記事「ローレン・モレ」のことである。移民としてのアメリカ人の「刷り込まれ」た気質をローレン・モレさんがyohkoさんに語った部分を指す。
yohkoさんのコメントには、後編で応えたいと思う。
「『介護とりあげ』中止を 用具利用の継続・保険料減免など」(しんぶん赤旗06年8月31日付け)で、「要介護1以下の高齢者から福祉用具を取り上げる問題について、これまで利用してきた人からの『貸しはがし』はただちに中止すべきと強調。国庫負担を現行の25%から30%に引き上げて保険料の値上げを抑えるという提案については、必要な財源は年間約三千億円で、米軍への『思いやり予算』と大差ない金額と説明しました。
小池氏は『介護保険の創設に賛成の立場でかかわった人からも、怒りや疑問の声が広がっている。これまでの立場の違いを超えて、公的な介護制度の大後退をくいとめるために力をあわせたい』と共同をよびかけました。今後、各地の介護事業者や医療・福祉団体などに緊急要求を届け、積極的に意見交換していきたいと述べました」と。
社会民主党「2005年介護保険制度の改正に向けて 社民党の基本的な考え方」(04年12月24日付け)によると、「そもそも、保険は発生したリスクに対して事後的に支払うことを基本とし、事前策である予防を保険制度に組み込むことは馴染まない。『疾病予防』『老化予防』は一般的に使われている用語であるが、『介護予防』は主体が判然としない。また、本来、予防は認定を受けて行うものではないが、『意見』が提起する予防給付は認定を必要として、その際、リハビリテーションの専門医、精神科医、歯科医等が必要となる。介護保険が生活モデル、福祉モデルから医療モデルに傾き、 “窮屈な制度”になることも懸念する」と。
「介護保険 希望のサービスが受けられない」(ブログ「山楽日記と下界通信」
http://yamaraku.cocolog-nifty.com/blog/
06年10月16日付け)で、「要介護2だったのが、要支援2とされて施設から出なくてはいけなくなった」「要介護2で週3回デイケアを受けていたのに、要支援2となり、デイケアの回数を週1回に減らした」や9月まで老健施設に入所していたが新しい認定基準で要支援2と判定され施設から退所し、退所後はデイケアに週2回通い、その妻は「介護を家でするのは大変。バタッという音がして振り向いたら倒れていて、心が安まりません」と伝えている。
「福祉用具の『貸しはがし』」(ブログ「福祉用具貸与サービス事業者ブログ」
http://fukushiyogu.seesaa.net/
06年07月26日付け)で、「今、福祉の業界で貸しはがしという言葉が使われています。本来は、金融機関が企業に貸し付けている資金を、企業がいやだといっているのに回収してしまうことを指す言葉ですが、福祉用具を『取り上げる』ための説明やその手続きについて、皮肉を込めて自嘲的に使われています。
業者としては、福祉用具の回収は収入が減るので苦しいことは事実ですが、儲かる儲からない以前に、暮らしに余裕の無い方の生活の一部になってしまっているものを回収するのは、とても心苦しいです。
福祉用具に頼っていればかえって生活機能を低下させるということだそうです。確かにそういう場合もあるでしょう。でも、ベッドがあるから立ち上がれる人も多いのです。
レンタルできなくなる人に安価なものを相談されるのですが、安価なものは手すりがないとか、これはというものはなかなか見つかりません。
電動カーは、そもそも安価なものなど無く、あきらめる方が圧倒的です。電動カーで生活範囲を広げていた利用者は、もう出かけられないあとはボケるだけだ!と怒っています」と。
「福祉用具 貸し出し制限は自立に逆行」(朝日新聞「私の視点」06年6月30日付け)を「車いす姿勢保持協会」会長の光野有次氏が投稿している。
この中で「今年4月の制度改定で、軽度者(要支援1と2、要介護1)へのレンタルが制限され、改定前から借りている人も、猶予期間が切れる10月から原則利用できなくなる。
軽度者というが、半数以上は寝床からの起き上がりに手すりや介助が必要とされる。日本医師会総合政策研究機構がある自治体を対象にした調査では、軽度者の85%は自力で立ち上がることができないという。
様々な立場から介護にかかわる私たち福祉関係者は、今年3月から3回、都内で『福祉用具国民会議』を開催し、福祉用具を利用している約100人の軽度者にアンケートを実施した。多くは、用具を上手に使って自立的な生活を継続している実態がわかった。
布団から立ち上がることが難しく、トイレに行くのに困っていた人たちも、寝床の高さ調節や手すりが付いた電動ベッドのおかげで、介助者の手を煩わすことなく、生活が自立できている。立ち上がりの支援を目的に利用している人が大半で、こうした人たちは今回の改定で借りられなくなるため、『寝たきりになってしまう』『家族の負担が増える』と心配している。
福祉用具を正しく利用することにより、要介護度を重くしない事例は多い。用具の選び方の相談に応じ、効果的な利用法を指導できる専門職も増えている。
厚労省は利用実態の調査を行い、貸し出し制限で生じる不利益を把握すべきだ。適切な利用を進めることこそが、介護保険の理念である自立的な生活を支援する重要な方法である」と。