「改正介護保険法とベッドはがし・・どの政党?(後編)」
介護保険
前編と中編で見てきたように、05年6月に可決成立した改正介護保険法(自民、公明、民主の賛成多数)の現場を脅かす法案であることが見えてきた。
国庫負担の軽減を目的としたこの法案は、介護度を下げて福祉用具まで取り上げて「自立」支援という稚拙でマヤカシの論理である。
別の言い方をすれば、「介護予防サービス」(公明党)と称して、国庫負担で杖を貸与し、それを使って歩いている老人の杖を足払いし、“杖なしで歩ける練習をしなさい”と言っているに等しい。その挙句、この老人は歩くこともできなくなり、“どうしても杖が必要なら金を出しなさい”と言う。
今回の記事の前編冒頭でブログの中でのコメントのやり取りを見た。そして、中編冒頭で前編を確認する二人のコメントを紹介した。
@nobさんのコメントで「介護保険法改定は、国が本来負担すべき社会保障としての介護給付費の抑制をねらったものであり、『改正』どころか『改悪』そのものです」と述べ、「いま、制度改悪の実態調査をすすめているところです」と。
Ayohkoさんのコメントで「アメリカの新聞記事を読んで初めに思ったのは、『生存権のない社会だ』」ということ。そして「日本の政治は5年前から経済優先に舵を切りました・・彼ら(政治家)はイメージできないでいるのですよ。ベッドがないとはどういうことか、買えないというのはどういうことか。・・そのバランスを変えたいです」とこの法案の片手落ちを指摘している。
そして、この二人のコメントに加えて、共産党、社民党の主張、いくつかのブログ、朝日新聞「私の視点」を紹介して、実態を見てきた。
そこに、中編への新たなコメントが入ってきた。
投稿者Bアルバイシンの丘 2006/11/5 10:15
http://papillon99.exblog.jp/
TB有難うございます.私の従兄弟が生まれつきの身体障害者で、自分で起き上がることが出来ません.今は親(つまり私の叔父)が面倒見ていますが、驚いたことに、改悪された法の所為で、叔父達が亡くなったらその従兄弟は施設に入所できないのだそうです.憤りが脳天を突き抜けます.
法案が作り出す現場での惨劇が始まっている。語るにも息苦しさを覚える。
「障害者自立支援法」が4月から施行され、10月31日に東京で15000人が「障害者自立支援法の見直し」の集会に参加した。
そして、
「難病の無料治療 縮小」(朝日新聞10月17日付け朝刊)で、厚生労働省は来年度からパーキンソン病や潰瘍性(かいようせい)大腸炎の無料治療から外すことを検討し始めている。
政府による施策は止め処なく弱者を“いじめ”抜く。
全体を見ないで部分しか見ない法案が「改正介護保険法」である。経費節約のためのこの法案は介護利用者を無視し「介護予防サービス」と言い換えてまで国会を通してきた。
そして、福祉用具を使えなくなった介護利用者は福祉用具を使ったリハビリから見放され、より一層病気を悪化させている。この介護利用者にとっては福祉用具も身体の一部なのである。
介護利用者の状態は、福祉用具も含めてその人の生活の全体であるにもかかわらず、本人と福祉用具を切り離し、まさに、西洋医学的な部分訓練をさせようとするものである。これを政府は「寝たきり等にならないための予防」と称している。実態から見たとき、より一層悪化させる施策であることが、様々なブログ等々から明らかになっている。
yohkoさんの言う「体験して知ること」(前編)や「バランス」(中編)の重要性がここにある。部分の知識から自らを解放して全体を見る力を吸収するには、この体験や実態に触れている人たちの話や心の叫びを聞き取らなければならない。『他者を信頼できない』(「ローレン・モレ」から)政治家は「票」と「カネ」のみから他者を見る。しかし、もし心を解放して実態に近付こうとするなら、この政治家たちが「改正介護保険法」を見直す行動を取るだろう。
「ベッドはがし」に加えて、
4月の「診療報酬改定」は医療保険を使ったリハビリテーションに最長百八十日間の日数制限を設けた。
政府の医療費削減政策は新診療報酬に制限を決めた。
リハビリ医療の発症からの上限日数
「脳血管疾患」 180日(例.脳梗塞、クモ膜下出血)
「運動器疾患」 150日(例.関節症、脊柱障害)
「呼吸器疾患」 90日(例.気管支疾患、肺疾患)
「心血管疾患」 150日(例.心筋梗塞)
リハビリ打ち切り制度は機能回復も社会復帰も不能にさせ、人間の生きる権利を取り上げるものである。「診療報酬改定」は「改正介護保険法」による「ベッドはがし」を追認するものである。これを見る限り、政府(自民党・公明党)は「改正介護保険法」を見直す行動を取る可能性はない。
この実態は
「リハビリテーション医療の打ち切り制度撤廃運動」(リハビリテーション診療報酬改定を考える会)への被害実例に登録されている。
https://ss1.xrea.com/craseed.s196.xrea.com/rehabilitation/
部分を見て全体を見ようとしない法案を成立させた政党はどこか、そして、この法案下で起きている介護利用者の実態から、この法案を見直そうとする政党や団体はどこなのかをシッカリ見なければならない。
金銭面や健康面での弱者を切り捨てる法案が平然と国会を通過していく。改正介護保険法は、まさに「ベッドはがし」という国家による“いじめ”“差別”である。米ロサンゼルスの「病院、患者捨てる」の状態に近付いている日本の現状である。新自由主義によるアメリカ化は着実に進んでいる。この状況を認める政党と
関係性を持ちたくないし、そんな政党に心を売りたくない。
「改正介護保険法」に賛成した民主党に言いたい。上記の実態を見たとき、法案賛成を撤回し、弱者救済に向けた政策を打ち出し、反自民・公明の先頭に立つべきである。そして、沖縄知事選のような共闘体勢を組むことを望みたい。
11月の沖縄知事選や来年の地方選や参議院選ではこの“いじめ”“差別”をなくさせる行動をとる政党を応援したい。

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