(副題:新聞記事を超えたブロガーたち)
(つづき)
そこで、先ず各新聞記事を羅列する。マグロについての記事が急増したのは、日本人の消費量が非常に多く、話題性が大きいということである。しかし、根本の解決策が未だに大量生産化に期待しているものであり、環境破壊という多大な損失に目を瞑っている記事群である。
「魚求める世界の胃袋」(朝日新聞10月8日付け朝刊)で、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザによる食肉不安から魚介類に需要が広がり、それに加えて、欧米の健康志向や中国の所得水準上昇が魚介類の消費拡大の要因にもなり、日本の輸入減や価格上昇に大きな影響を与えていると述べている。
そして、マグロの漁獲枠削減や違法操業規制問題が浮上し始め、
「高値でメニューに異変」(日本経済新聞10月31日付け朝刊)が載った。ミナミマグロの漁獲制限によって、国境を越えた“フィッシュウオーズ”が起きている。マグロと並んでサケも値上がりし、回転ずしで刺身が減量され、メニューの中にうどんまで登場している。
「『庶民のマグロ』高値心配」(日本経済新聞11月21日付け朝刊)での解説によると、スーパーでの刺身主力商品はキハダやメバチの赤身で、昨年より2〜3割高くなり、特売も減少し、なお先高懸念もあると。
「マグロ1割高へ」(日本経済新聞11月22日付け朝刊)では、水産庁の10月―12月予測として、東京中央卸市場での卸価格が前年比で1割高くなると発表した。輸入物中心に供給減が要因である。
「マグロ上げ気配」(朝日新聞11月28日付け朝刊)が大見出しで載った。漁獲枠削減や違法操業規制によって、クロマグロやミナミマグロの価格上昇に加えて、メバチマグロやキハダマグロも値上がり傾向である。スーパーは刺し身「5点盛り」を「3点盛り」や「2点盛り」に変えて、価格比較ができないように工夫したり、カツオを商品主力に据えたりして対策を取っている。
「高いマグロ 消費者離れも」(日本経済新聞11月28日付け朝刊)で、スーパー、外食ホテル、百貨店のそれぞれが消費者離れを心配し、価格交渉力も強める方針を解説している。割安な蓄養物を売ってきただけに、値上げへの抵抗が強い。
マグロ漁獲量は90年に比べて04年には3割増で、尚且つ、日本市場に向けての稚魚の乱獲による蓄養が進んだ。そして、近畿大学が開発したマグロの完全養殖技術へ資源維持の有力手段と注目していると。
「マグロ漁獲削減 支持8割」(日本経済新聞12月4日付け朝刊)はインターネットでの調査結果を発表している。
マグロの漁獲枠削減に「賛成」が80%で、値上がり後の消費行動は「マグロを減らし安い他の魚に切り替える」が43%とトップだった。
以上の新聞記事からはマグロの漁獲枠削減や違法操業規制によって輸入量が減り、価格が上昇気味であること、そして、マグロの漁獲枠削減には多くの人が賛成していて、代替の安い魚を求めていることを述べている。また、完全養殖(卵の段階から育て上げる)への期待が伺える。消費者の漁獲削減の受け入れアンケートはあるものの、環境問題との絡みで評論する記事は見当たらない。
「何言いたいの?朝日記事『市場生かし食糧安保』」(ブログ「関係性」9月21日付け)に入ってきた最後のコメントに早雲さんのものが入っている。
早雲:TB並びに記事の紹介有り難うございます。
農業、食料問題に関しては、新聞記事で的確に現状を掴んでいると思う記事を見たことがありません。
いつでも、何でも金で買える訳ではありません。
生存に最低限必要なものは必要性があればいつでも自給できるような体制を整えておくべきです。
最近、FTA、EPAが気に掛かっています。
首相の話にも出てきていますし、某首脳が最高関税を受け入れる容易があるとの発言をしたとの情報も有ります。
朝日の記事もこの流れに乗ったもの(御用記事)ではないでしょうか。
(早雲さんのブログ「晴耕雨読」
http://sun.ap.teacup.com/souun/)
morichan:早雲さん
いつもお世話になっています。
今回の記事を書いていて、確かに「生存に最低限必要なものは必要性があればいつでも自給できるような体制を整えておくべき」だと、私も思います。
今回の記事も突込みが足らないことを自覚しています。結局、私自信の食糧問題での基本的スタンスや思想性が曖昧な所にあるということを自覚しました。
これからも批判を宜しくお願い致します。
すでに、早雲さんは新聞記事のレベルを見透かしていたこと、尚且つ、自給の重要性をここで示した格好となった。短いコメントだけで、すでに新聞記事を超えていることが分かる。
また、
「マグロ消費と環境(上)」(ブログ「関係性」12月8日付け)へのコメントを見ていく。
yohko:食と健康は、私にとっても大きなテーマとして、これまでも取り上げていました。
ぜひmorichan流の視点からまとめていってくださいね。
期待しています。
私も病気を気に、農薬も肥料も使わない自然農法の野菜や、まったく添加物を使わない加工品を手に入れ食べています。高いです!
しかし自給自足へ向かう方法が残されています。
身近に仲間を募って、休耕農地を借りて米と野菜を作り、手作りで味噌や加工品を作るという方法です。
これが案外可能なんだということを知りました。野菜作り程度だったら、会社に勤めながらの週末作業でいけるそうですよ。
これからそんなNPOの立ち上げに参加させてもらう予定です。来春から、農業を始めようとおもっています
(yohkoさんのブログ「幸せになるために」
http://blog.livedoor.jp/yyyyohko/)
morichan:yohkoさん
いつもコメントを有難う御座います。
私も農業や漁業との係わりを生活の一部分に付加することによって、「食と健康」を追求したい下層とそれを拒否する「経済格差」拡大の矛盾を少しでも回避することができたら、と考え始めています。
それを気軽に受け容れてくれるNPOがあったら私も是非参加したいです。その実践を広くブログで紹介できたら嬉しいですね。
una:TBをありがとうございました。
主婦を長年こなし?ていますと、この様な事例は何も横峰パパに講演されなくとも分かり切った事です。私は数十年前から生協を一部利用しています。市販でない物を購入する事は、経済的に大変です。ですから生協だけでと言うわけにはまいりません。
日本の食糧事情はドンドンひどくなっていますね。肉類は外国産が主流を占め、唯一の蛋白源だった魚類さえ、今や国産ものを得ようとすると、とんでもなく高いです。
そして、大抵の庶民は薬浸けの魚(養殖モノ)を買わざるを得ない構造になっています。
ところで、ゴルフですが・・芝の農薬の害とか、狭い日本の敷地をある人々の為に確保している”ゴルフ”のシステムにはとても抵抗があります^^;
(unaさんのブログ「気の向くまま」
http://blue.ap.teacup.com/una3310/)
morichan:unaさん
コメント、いつも本当に励みになります。また、返事が遅くなり誠に済みません。
確かに、横峰パパの講演がなくても分かっていなければならない実情だと思います。しかし、この講演が中小企業のオヤジを相手にし、加工食品を扱っている業者や銀行関係者は苦り潰した顔をし、その他のオヤジ連中は全く新しい危険食品情報を得たと夢中に聞いていました。
多分、多くの参加者は家に帰ってからこの内容について奥さんと語っていただろうと予測できます。なぜなら、余りに身近だからです。
また、「ゴルフですが・・芝の農薬の害とか、狭い日本の敷地をある人々の為に確保している“ゴルフ”のシステム」にも横峰パパが目を向けたら面白かったと思います。それを職業としながらも、それを批判的に見る姿勢は大事だと思います。
スキー場やゴルフ場の山肌にガックリ来ることが多いですが、私自身、自らの仕事を推し進めることとそれによる環境破壊の狭間でしばしば揺れることがあります。
庶民の「添加物漬け」は身体の環境破壊を毎日進めています。環境を大事にする、少なくてもこれ以上悪化させない社会の道筋を速く作りたいですね。
unaさん、この記事の続きをまたTBしますので、コメントをまたお待ちしています。
「マグロ消費と環境」の(中−1)と(中−2)を通じて、
新聞記事と大きく違うコメントのやり取りは、新聞記事批判(harayosi-2さん、ゲゲゲのイチローさん)や食糧問題と自給率への思慮深さ(早雲さん)、実態としての生活観(千年虫さん、yohkoさん、unaさん)があるかどうか、商品景色を背景に消費者の心の深層や怒りを描けているかどうかが示されている。
コメントのやり取りによる
関係性は、知識も経験も少ない私にブログを深める力を与えていることがよく理解できる。
なお、マグロの漁獲枠問題を扱っている他のブログも参考にしてください。
浜の偏屈爺さんのブログ「王様の耳はロバの耳」の11月27日付け記事
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/2e8dd393ab1ec4eb404a9315e50831a2
ぴーひょろさんのブログ「ぴーひょろのぼやき」の12月9日付け記事
http://onimanju.cocolog-nifty.com/blog/