(副題:文化や良心を捨てて
守るべき経済などない)
「文化や良心を捨てて守るべき経済などない」(C.ダグラス・ラミス(注))(月刊誌『Fole』 06年12月号)は興味深い視点を提供してくれる。
60年代の米国で、父親の会社が軍需産業であることを知った二代目は自分の良心に従って会社を解散したことを、彼は耳にした。
社会的責任という観点には次の二通りがある。
@ 良心に従って会社を解散する
A 経営者は従業員の生活をなんとしてでも守る
この矛盾こそ資本主義経済の持つ弱点である。「社会主義や共産主義勢力、さらには労働運動の衰退によって、資本主義はもはや敵なしという時代になった。企業活動の源泉は利益を生むことであり、現代の経済学に『良心』や『正義』という言葉は、学術用語として存在しない。経済自体が経済活動を制限するのは非常に困難になっているのだ。だからこそ、企業の過剰な経済活動をコントロールするのは、消費者の直接行動とともに、政治の役割である」。
会社法人そのものが責任・反省をすることは有り得なく、経営者の良心で@を選ぶべきで、そこの従業員も良心を優先して会社を辞める覚悟が必要である。しかし、経営者は「社員を食べさせるために、不必要な“ガラクタ”でも売る」「会社経営はきれいごとばかりでは成り立たない」という考えにほとんどの場合走る。
そして、彼は米国の大富豪カーネギーを引き合いに出し、「労働者階級からトップの経営者に上り詰めた結果、大量の労働搾取や環境破壊を行ってきた。同時に全米各地に図書館や病院をつくるなど、社会貢献もした。しかし私にいわせれば、億万長者による社会貢献は、本質的な解決にはつながらない。搾取による罪悪感から神に許しを請うための社会貢献など、・・」と。
ヨーロッパのプロレタリアートと呼ばれる人たちは、強制的に農地から追い出され、「間接強制労働」を強いられてきた。今の経済社会も他の選択肢がないということでは「間接強制労働」の下に置かれている。このような中で「資本主義経済社会は、人間の良心を基盤とした意識の大転換を必要としている」と述べて締めくくっている。
(注)C.ダグラス・ラミス:36年アメリカ生まれで、専攻は政治思想史。80年に津田塾大学教授に就任、00年退職。主の著書は『ラディカル・デモクラシー』(岩波書店)、『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』(平凡社)など。
「進化した『スロービジネス』5つの着目点」(月刊誌『Fole』 06年12月号)は、これからの生き方の具体性を示してくれる。
スロービジネスカンパニー(SBC)はスロービジネススクール(SBS)を運営している。SBCのメンバーは社員で、学生で、講師である。このスクールには10代から60代までまんべんなくいて、現役で仕事をしている30代〜40代が多い。現役の学生、学校の先生、医者、大企業の社員、カメラマン、ダンサー・・。SBCは「自然と共生し、未来世代とのつながりを豊かにするような平和な社会、いのちを大切にしてハッピーになれる仕事」を目指している。
ここで、「スロービジネス」5つの着目点を整理している。
Point1:社員の働き方
お金を稼ぐだけの仕事ではなく、自分たちの目的を実現するために働く。
Point2:生産者との向き合い方
生産者に軸足を置き、地域の実情に合わせた価格や条件で取引を行う。
Point3:商品の売り方
安全性と味にこだわり、産地情報も正確に公開して顧客の信頼を得る。
Point4:消費者との関係づくり
開発者とユーザーが直接対話し、モノを通じて一生付き合っていく。
Point5:製品開発のスタンス
機能ばかりを求めず、愉しく使えて環境にやさしい製品を世に送り出す。
以上の記事に連動して辻真一氏(明治学院大学教授)は「富は手に入れたものの、環境破壊は進み、人々のつながりは希薄化し、若者の職業観が絶望的になりつつある現代の日本。今こそ、国の豊かさを『GNH(グロス・ナショナル・ハピネス=国民総幸福量)』で測るブータンのような、考え方の大転換がなされるべきです。経営者の方には、自分たちが何を売っているのか、それは100年後に必要とされるものなのか、じっくりと考えてほしい。人間らしく、楽しく、安らかな経済活動がなぜ失われてきたのかを、問い直す時期がきています」と。
以上で、11回に亘る「マグロ消費と環境」を書いてきた。特に、多くのコメントから得られる実体験も含めて環境問題をシッカリと論ずることの難しさを学んできた。当初の書こうとする私の意気込みもままならないまま終了する。しかし、私の中で深めることもできた。その中で、マグロ問題から食糧問題や環境という大枠の議論をせざるを得なくなった。そして今、一人一人の生き方が問われている。経営者も労働者も「良心」を捨てずにジックリ社会を見、庶民の生活状況を見、子供たちの将来環境を考え、共に学び、社会を変えるエネルギーへ集中するときであることを。
そして、
資本主義的生産様式の大量生産・大量消費(最近の多品種少量生産も同じ)そのものも見直し、個人個人の生活スタイルも見直さなければならない。一方で、働き方・消費の仕方を変え、家族・友人と語れる時間を作る工夫をしなければならない。他方で、「経済格差」を抱える社会構造を変えるエネルギーを集めなければ前者の人間関係が長続きできない。
意識的に「学びほぐす(unlearn)」と「教え返す(unteach)」の連鎖に
関係性を深める努力を今年からの目標とします。
「マグロ消費と環境」を終えるに当たり、次の方々には大変お世話になりました。これからも宜しくお願い致します。
yohkoさんブログ「幸せになるために」
http://blog.livedoor.jp/yyyyohko/
papillon9999さんブログ「アルバイシンの丘」
http://papillon99.exblog.jp/
harayosi-2さんブログ「医療制度改革批判と社会保障と憲法」
http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2
ゲゲゲのイチローさんブログ「石橋を叩いても渡らないかも?」
http://middlers.seesaa.net/
千年虫さんブログ「ゆうれい・くらやみ通信」
http://plaza.rakuten.co.jp/1000nenmusi/
早雲さんぶろぐ「晴耕雨読」
http://sun.ap.teacup.com/souun/
unaさんブログ「気の向くまま」
http://blue.ap.teacup.com/una3310/
浜の偏屈爺さんブログ「王様の耳はロバの耳」
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun
ぴーひょろさんブログ「ぴーひょろのぼやき」
http://onimanju.cocolog-nifty.com/blog/
仙台のくまさん(ブログはありません)
ミカ爺さん(ブログはありません)
junさんブログ「もしもし 私です」
http://red.ap.teacup.com/tyoiba6/
starstoryさんブログ「キリスト者として今を生きる」
http://blogs.yahoo.co.jp/starstory60
nobさんブログ「★平和と健康★ 守ろう生かそう憲法9条25条」
http://nobnob.blog.shinobi.jp/
そして、
その他の読者さん

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