―胸糞悪い「美しい国、日本」―
新聞を見ていると、悲惨なニュースが急激に増えている。それも政府の施策が庶民を“いじめる”ニュースである。
「国保滞納 差し押さえ増」「国保、払いたくても」(朝日新聞2月4日付け朝刊)を読んだ妻が、悔しさを表情にためて“胸糞悪い”と私に訴えてきた。
国民健康保険は「自営業者や農林水産業者を主な対象としてきたが、近年は失業者やフリーター、高齢者の加入が増えている」。そして、「失業者や高齢者に医療を保障するセーフティーネット」である。
しかし、保険料収納率の向上に向けて、国保の滞納額を回収しようと38自治体が動いている。その中で、取立件数が極端に多いのは横浜であった。横浜市は「資力があるのに払わない人に限定して実施している」と。
確かに、悪質な滞納者もいるが、払いたくても払えない人たちが多数いて、その悲鳴が聞こえる。
【飲食店経営の40代男性の場合】
滞納分2万円と保険料をあわせると月5万円になる。
この男性は01年に勤め先が倒産し国保に加入したが、貯金は1年で底をつき、借金して店を開いた。仕入れ費などの経費を除くと手元に300万円が残るが、100万円は借金の返済に回り、年間200万円で家族4人が店の残り物で食事をすませる日々である。
06年春、生命保険を差し押さえられた。3年間の国保滞納額は90万円で、「今度滞れば、生命保険を換価して払戻金をあてる」と役所は言う。差し押さえ後、深夜まで店で働き、早朝には運転手の仕事をして、月5万円を払ってきた。
だが、今月分のめどは立たない。
保険証返還という「制裁」を受け、資格証明書を受け取った。受診すれば、いったん全額負担になる。風邪でも通常の3倍強の4千円以上かかる。中学生の子が熱を出しても病院には行けなかった。「それだけでも情けないのに、いざという時の備えまで奪われるなんて・・」と嘆く。
この40代の男性を「資力がある」と言えるのか?
国保中央会の調査では「年収ゼロの4人世帯でも4〜5万円が課される」と。
大阪市内自治体のあるベテラン職員は「そもそもの原因は低所得と高すぎる保険料」と。
唐鎌直義氏(専修大教授)は「国保は低所得者や高齢者がかなりを占める。・・明確な基準に基づいて実施(差し押さえ)しないと生活を困窮させる恐れが大きい。・・国庫負担を増やして保険料を下げ、減免制度も充実させることなどで、滞納問題は解決すべきだ」と語っている。
1月末に、アメリカの取引先の社長が商品を見に来た。その中で、消費市場の話になり、「経済格差」にまで話が進んだ。その時、彼の家族は保険に入っているが、娘が急に腹痛になり救急車を呼び、病院に担ぎ込まれた。大したことはなく、注射をして家に帰ってきたそうだ。その後、請求書が届いた。30万円だったと。
彼は“格差拡大で、戦争経済のアメリカはもうダメだ”“日本の将来がこのアメリカに見えるだろ”と。
昨年、
朝日新聞(10月25日付け夕刊)に「病院、患者捨てる」の記事にビックリした。
「『米ロサンゼルスの民間病院を退院した患者5人が、救急車に乗せられて市中心部近くの安宿などが集まる地域に置き去りにされた』と。
病院も行政機関も貧しい患者を日頃から『捨てに来る』。救急運転手は『日ごろから病院の依頼で患者を運んでいる』と答えている。そして、州議会は病院・警察による患者・路上生活者を捨てる行為を禁じる『ホームレス遺棄禁止法』を可決(発効は07年1月)した。アメリカは既に、金のない病弱な庶民はゴミ同様に捨てられることが実体化している」(「関係性」ブログ11月2日付け「改正介護保険法とベッドはがし・・どの政党?(前編)」より引用)。
この記事の写真をこのアメリカ人に見せた反応が“将来の日本”であった。
アメリカに追随している経済システムの日本政府の行動は、アメリカこそ「美しい国」と考えている。
妻同様に、私も“胸糞悪い”と
関係性を持ちました。