副題:志賀原発の臨界事故隠蔽と能登半島沖地震
志賀原発(石川県)1999年は臨界事故を起こしていた。今(3月15日)になってこの隠蔽が発覚した。明らかに、外にこの事実が漏れることは北陸電力の利害にかかわるからであり、原発の安全性を地域住民に説明してきたことを覆すからである。
そして、この事実が明らかになると、東北電力、中部電力、東京電力の4原発でも同様な事故を起こしていることが明らかになった。
ところが、志賀原発の臨界事故が発覚した翌日(3月16日)に、我々の不安を逆なでする記事が日本経済新聞に載った。
「地球温暖化論議への疑問」(日経新聞3月16日付け朝刊)である。この要点を整理すると次のようになる。
1.地球温暖化の原因が温暖化ガスにあるかどうか疑問(専門家の間で)
2.各地で異常気象が観測されているが、陸地より広い海洋上も含めて観測体制ができていないので、異常気象かどうかを判定できない
3.米国が京都議定書を承認しないのはCO2削減の効果が科学的に確認できていないからである
4.もし、CO2削減の効果によって地球温暖化を抑えることができたとしても、太陽光発電や風力発電、ハイブリッド車などがいくら増えても排出量に与える影響は微々たるものである
5.CO2削減を目指すなら、火力発電から原子力発電への大転換が考えられる唯一の手段である
以上の論点を述べる中で、「原子力発電にも課題は多く、事故隠しは論外」と言って済ませている。
明らかに、一方で「地球温暖化」議論をなくす方向への記事であり、経済成長を主眼とする産業経済への批判を避けようとする狙いがある。そして他方で、「地球温暖化」議論を受け容れた場合には、経済成長を主眼とする産業経済を前面に立てた原子力発電の増設要求へと話を進めている。この狡猾な論理を平然と語った記事である。
「温暖化で舞い上がる時か」(朝日新聞3月21日付け朝刊)は06年版の「原子力白書」を「『地球温暖化だ。さあ、原発の出番だぞ』。そんな掛け声が聞こえてきそうな威勢のよさ」と批判している。
「地球環境の保護を言うなら、放射能をまき散らしかねない原発の大事故を封じる手を打ってからだろう」と言いつつ、「ヒヤリとした程度のトラブルの場合には、進んで公表すれば、とがめないような制度を導入すべき時なのかもしれない」と述べている。
この主張には、原発の危険性はあるが、トラブルを経験しながら安全化を求めるという姿勢が見える。これは実験室のトラブルではない。身近な社会の中にあるトラブルで、我々の社会を実験室にする思考がここにある、もしくは、その位の危険性しかない代物と見ていると判断できる。
「原発トラブル隠しの波紋」(日本経済新聞3月26日付け朝刊)は、志賀原発の重大事故隠蔽と25日の「能登半島沖地震」に触れ、「同原発の1,2号機とも運転休止中だったが、揺れの強さは稼動時なら緊急停止が必要な加速度二百二十六ガルを観測した」と。北陸電力はプルサーマル導入に関するコメントを控えている。同様に、東京電力の福島原発の事故隠蔽によって、プルサーマルの事前了解を撤回していた。
しかし、佐賀県の九州電力・玄海原発や愛媛県の四国電力・伊方原発は予定通りプルサーマル稼動を予定している。
日経と朝日の記事には大きな違いがありそうなのだが、原発推進という方向では一致していると読める。
これに反論できる知識が今の私にはないが、広島・長崎への原爆投下による被害者と白血病、チェルノブイリの原発事故、イラク等での劣化ウラン弾による白血病の急増、という事実と
関係性を感じている。
「被爆者は26万人もいるが、原爆症と認められたのはその1%にも満たない」(朝日新聞3月27日付け朝刊・社説)のは、政府が放射線と病気との因果関係を科学的に立証できないことを根拠としているからである。
放射能汚染と人体影響が未だに科学的に説明できていないことを意味している。それにもかかわらず、国家と電力会社は安全を口実に原発増設とプルサーマル計画を推進しようとしている。

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