2017/4/24

今世界で起ころうとしている事・・・雑な妄想  時事/金融危機
 

全くの妄想にふけってみます


■ 第二のリーマンショックは不可避 ■

緩和的金融政策は必ずバブルの崩壊を伴います。これは歴史が示す所。
リーマンショック以降、世界の国々が狂った様に通貨を増刷したツケは必ず回ってきます。
「人力は10年間、第二のリーマンショックが起こると言って、実際には起きていないじゃないか」との声も多いかと思いますが、「バブル崩壊10年周説」を信じる私としては、2007年にサブプライムショックが発生し、それが世界的な金融危機に発展(リーマンショック)したのが2009年9月。それ以降、世界の中央銀行が緩和的金融政策に大きく舵を切った訳ですから、10年周期説に基づけば、今年後半から危機の芽が吹きだし、2019年後半には世界経済は崩壊の危機を迎える。

■ 勝組は居ない ■

バブル崩壊の特徴としてどんどんと規模が拡大する事も歴史の示す所。リーマンショックですら100年に1度の危機と言われましたが、大規模な金融緩和によって「完全なる崩壊」を食い止めてしまった結果、テールリスクは先延ばしされ、起こりうる危機の規模は拡大してしまった。

リーマンショックでは日本や新興国の経済は、アメリカの消費の落ち込みによる需要不足が原因で巻き添えを食った形となりましたが、今度の危機は日本や新興国も金融緩和バブルとなっているので、リスクは世界中に広く拡散しています。

新興国は資金流出による危機が、ヨーロッパは巨大なデリバティブ残高とユーロのシステム的な危機が、日本は低い成長力とGPIFやゆうちょに海外での損失危機が、アメリカはバブルのハブとしての危機が・・・ロシアは原油価格暴落の危機が・・・。

結局、次なる危機で勝ち組は存在しません。だから、危機が起きても資金が逃避する場所が無く、結果的には均衡は保たれますが、「通貨の価値」や「国債の価値」に対する疑問が世界経済を不安定化させます。

■ 中東と北朝鮮 ■

ニクソンショック同様に通貨の信用が揺らぐ時、中東有事をきっかけとした原油暴騰が仕掛けられる可能性は高い。既にシリアで危機の仕込みは終わっています。

ここでポイントとなるのが北朝鮮で、シリア政府を擁護するロシアと中国は、北朝鮮と国境を接しています。仮に北朝鮮で有事が発生すれば、ロシアも中国もこの対応に釘付けになります。さらに日本や韓国や台湾も北朝鮮対応で身動きが出来なくなります。

仮に中東有事と北朝鮮有事が同時に起きた場合、ロシアも中国も国境を接する北朝鮮に対応する為に、中東での軍事行動は制約を受けるはず。

一方、アメリカは北朝鮮を焚きつけて暴発を煽った後は、対応を北朝鮮の周辺国に押し付ける事が出来ます。なにせ、太平洋の対岸ですから・・・。

こうして、北朝鮮に世界の目が向いている間に、中東の混乱が拡大し、結果的に原油価格が高騰する・・・。

歴史が繰り返すのならば、「中東戦争 + ベトナム戦争」の様に、中東とアジアの危機は連動している?

但し、今回は「中露 VS 東アジア諸国」という図式で、アメリカは漁夫の利を取りに行くハズ。


今の所、アメリカと中国と北朝鮮の「茶番劇」にしか見えな北朝鮮問題ですが、仕込みはバッチリ、後はどのタイミングで利用するかだけ。注目すべきは北朝鮮では無くシリア。


■ ウクライナとトルコそしてギリシャ、そしてシリア ■

ロシアとヨーロッパはパイプラインによってロシアと切っても切れない縁。この中継地がウクライナとトルコ。

一方、中東からのパイプラインはシリアとトルコ、ギリシャを中継する。ユーロッパ周辺でゴタゴタが絶えない国々は、実はパイプラインと密接に関係した位置にある。

ギリシャ危機、ウクライナ危機、トルコのクーデター未遂、シリアの内戦・・・これらの危機は結局はロシアとヨーロッパと中東の石油利権の問題に集約される。


そして北朝鮮有事は・・・利用される。






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2017/4/19

シェール・バブル再び・・・アメリカが世界最大の産油国となる日  分類なし
■ アメリカがサウジアラビアを抜いた ■

世界最大の産油国はどこか?

多くの人がサウジアラビアと答えるでしょう。しかし、2016年の統計では、アメリカの産油量がサウジアラビアを抜いて世界トップとなっています。

アメリカ 1370万バレル/日
サウジ  1190万バレル/日
ロシア  1100万バレル/日
中国    460万バレル/日

現在のアメリカの原油の日量産は900万バレル程度だそですが、その内の50%以上がシェールオイルになっているそうです。

■ 生産コストが下がったシェールオイル ■

私が「シェールオイル(ガス)は詐欺だ」といった記事を書いていた頃のシェールオイルの採算ラインは70ドル/バレル程度でした。

ところが現在は30ドル/バレルで生産出来ると言われています。その原因は採掘技術の進歩もありますが、シェール層が何層にも重なったバーミヤン鉱区の開発が進んだ事も影響しています。一か所の油井から何回かシェールオイル(ガス)を採掘出来るのです。

■ サウジアラビアよりも競争力が高いアメリカのシェールオイル? ■


サウジアラビアは原油価格が40ドル/バレルを下回る状況で、「原油価格は安すぎる」として産油国に生産調整を呼び掛けています。これをして、サウジアラビアの原油産油原価が40ドル/バレルを少し下回る程度だろうと予測すると大外れです。サウジアラビアの原油産出コストは極めて安く、4〜10ドル/バレルです。

シェール油田の極めて採算性の良いもので25ドル/バレル程度ですから、産出コストだけを比較すると、サウジやその他の産油国にシェールオイルは太刀打ちできません。

しかし、産油国の多くが財政のほとんどを原油輸出に頼っているのに対して、多様な産業を有すアメリカ(ドル輸出が最大の産業ですが)は、原油価格の低下が財政を圧迫する事がありません。

だから、アメリカはシェールオイルの産出量を増やして、薄利でも産油国のシェアを奪う事が出来ます。サウジアラビアなどの産油国が減産調整してキープしている原油価格でシェール企業が利益を上げているのです。

■ そもそも自転車操業のシェール企業は一回の大きな危機で経営が破たんする ■

一昨年来の原油価格低下で、アメリカのシェール大手企業が経営破綻に陥りました。ウォール街でジャンク債を売って資金調達をしている多くのシェール企業は、ジャンク債の金利が上昇すると経営が難しくなります。

ジャンク債を発行する→その資金で油井を作る→シェールオイルを売る→その利益で金利を払う

こんな感じの自転車操業ですから、金利や原油価格の変動に大きな影響を受けます。サウジアラビアや他の産油国が減産協調して原油価格を下支えしているから生き延びている様なもので、もし産油国が本気になって原油価格の下落を仕掛けたら、シェール企業は一たまりありません。

■ エクソンモービルもシェール大手である ■

シェールビジネスに乗り遅れた感のある石油最大手のエクソンモービルですが、経営が行き詰ったシェール企業を買収して、いつの間にやらシェールオイル(ガス)においても大きなシェアを手にしています。

しかし、スケールメリットの出難いシェールビジネスでは、個々の油井の採算性が飛躍的に向上する事は有りません。ただ、資金調達が安定する程度の差です。

日産原油量の半分以上をシェールオイルが占め、さらに大手石油各社がシェールビジネスのプレーヤーになり、さらにジャンク債市場でシェール企業の存在感の大きなアメリカでは、シェールビジネスの先行きが、石油産業のみならず、債券、金融市場にも大きな影響を与えます。

■ 国務長官がエクソン・モービルの会長という意味 ■

「アメリカのシェールビジネスは拡大している」という表面的な事象の裏を少し覗いた上で、アメリカのトランプ政権に目を移してみましょう。

国務大臣のレックス・ティラーソン氏はエクソン・モービルのCEOでした。彼を国務大臣に推挙したのはキシンジャーだと言われています。そして、トランプ政権は政権発足後にシリアの空軍基地をトマホークで空爆しました。

「北朝鮮を威圧している」との論調が中心のシリア空爆ですが、私は「石油を巡る中東情勢」の一環と見ています。

イスラム・シーア派の反政府勢力を国内の湾岸油田地帯に抱えるサウジアラビアは、イランやシリアやヒズボラの台頭と、彼らがサウジ国内のシーア派勢力を支援する事を何より恐れています。

・・・原油価格を安定させる見返りのシリア空爆・・・こう考えるとトランプの決断はそれ程的外れでは無いでしょう。そして、絶好調を装うアメリカのシェールビジネスが、非常に危ういバランスの上に現在も在る事は、今後の世界情勢を占う上で重要です。

最後に、トランプ政権で世界を飛び回るティラーソン国務長官。

オバマ政権時のヒラリー国務長官と同様に、現政権においても大統領よりも国務長官の方が重要なポストになった様です。

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2017/4/17

貴婦人に跨る・・・機嫌を取るのが大変だ  自転車/マラソン
 

■ 増えすぎた自転車を売る ■

自転車も所有台数が増えると、乗らないフレームが出て来ます。目的別とは言え6台も所有していると、1年以上乗らないものも有ります。

そこで、一番乗る機会の少ないレイノルズ853チューブのレモン2号君をヤフオクで手放す事にしました。このフレーム、一生モノとして手元に置いておいても良いのですが、グレッグ・レモン氏がレイノルズ853の新型車(ワショー)を米国で売り出したので、こちらにも興味が在ります。現代風なクロモリレーサーは戦闘的な雰囲気があって恰好が良い。ワショーは標準でENVEのフォークが装着されています。これだけで国内価格は5万円。


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<サイクルスポーツ より写真を拝借しました>

レモン2号君、高速ダウンヒルの際にフロントフォークが共振する事がある(多分、ホイールが軽すぎる)ので、やはり現代パーツで組んだクロモリレーサーが欲しい。

カンパのアテナでコンポを組み直して1000kmも走っていませんが、パワートルクの1段変速もあまり好きになれないので、パーツ込みでヤフーに出品しました。結果は、だいたい予想した価格で落札して頂きました。

■ 自転車が増えちゃったよ・・・ ■


そんなこんなでヤフオクを開てロードバイクのフレームなどを眺めていたのですが、FOCUSのIZALCO DONNAというカーボンフレームの2012年モデルの新品が出品されていました。

FOCUS IZALCO はツールドフランスで総合優勝したバリバリのレーシングバイクですが、どうやらそれのレディースモデルらしい。女性が乗りやすい様にヘッドチューブを長くして、さらにトップチューブのスローピングを強くしています。

一般的なレディースフレームで用いられる手法ですが、さすがにIzalcoの名を冠するだけあって、ダウンチューブは極太、左右異型でボリューム感のあるBB周り。一方、トップチューブは優雅で細く、シートステイは横扁平で良くシナル様に設計されています。

これ、最新のエンデュランスロード(長距離走破用)の設計そのものです。Focusはその後、DONNAの金型をそのまま使って、カーボンのグレードを上げたIZALCO ER を発表しています。その評判はネットで大変良い。(但し限定モデルでした)

DONNAのリアセクションの設計思想はその後CAYOに受け継がれ、一方DONNAも海外では販売が継続されています。

女性用のフレームだから小さいだろうと詳細を見ると、トップチューブはホリゾンタル換算で55cm。私にピッタリのサイズです。

面白半分で3万5千円で入札してホッタラカシにしていたら・・・「おめでとうございます、あなたが落札者です」って通知が来ちゃったよ・・・。

「1台売って、1台増える」・・・プラスマイナスゼロ・・・。

■ 新フレームは「3無い主義」だった ■


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3万5千円だから、ダメなら売れば良い・・・そんな気軽さでレモン1号君からコンポを移植しますが、ヘッドパーツやら、ハンドルやらプレスフィット30の変換アダプターやら、シートやらで結構な出費。

さらにはZONDAを付けて走行した所・・・・何これ、全然走らないじゃん・・・・。なんか、ペダリングがスカスカして全然力が入りません。

これはきっちホイールが軽すぎるのだろう・・・ならばアルミのセミディープホイールを投入してみよう。元々、軽いホイールは好きでな無いし、フレームが柔らかならば、重いホイールをブンブンダンシングでぶん回しても膝を痛める事は無いだろう・・・。実は巡行楽々のロングライドスペシャルになったりして・・。

そんな妄想を膨らめながら、又もやヤフオクで3T ACCELRO PRO というアルミのセミディープホイールを買っちゃいました。重さは2Kg弱。所謂、「鉄下駄ホイール」です。40mmハイトのセミディープの空力特性なんてスズメの涙。私としては、重さによるフライホイール効果でペダリングのスカスカ感をどうにか誤魔化したかっただけ。オマケで慣性による楽々平地巡行も期待できます。ただ、登り坂で重さはハンデーになりますが、スポーク本数の多いホイールは意外に登りに強いのはピストで経験済。

はてさて、結果は如何に・・・・。

土曜日に強風の中を150km、日曜日に疲労の残る脚で100Kmを試走して来ました。

1) 走らない
2) 登らない
3) 疲れない

何と、「3無い主義」みたいなフレームでした。

■ 貴婦人の扱いは難しい ■

とにかくスピードの乗りが悪い。鉄下駄ホイールのデメリットも有りますが、ZONDAでも掛かりが悪かったので、このフレームの特性でしょう。

フレームの後ろセクションが積極的に上下に動くので、パワーを突っ込んだペダリングの力を全てフレームが吸収してしまいます。「エナジードレーン効果」と命名したい。速く走ろうとしてモガけばモガく程、体力だけが吸い取られてゆきます。

そして、同様に全然登りません。登り始めはホイールの重さで進むのですが、失速してからは速度がガクンと落ちます。もう、道端に捨ててしまいたくなるフレームです。

ところが、しばらく乗っているうちに、だんだんとコツが掴めて来ました。

どうやら、柔らかいフレームは力押しではダメみたいなんです。DONNAとはイタリア語で貴婦人の事。どうやら、このご婦人、優しく扱って欲しいらしい。

とにかくペダリングのムラを無くして、丁寧にペダルを回す。ペダルと足の間に生卵を挟むようなイメージで優しくペダリングすると、スルスルと加速し始めます。リアセクションのウィップ(しなり)とペダリングのピッチが合うと意外にスピードに乗ります。それでも35kmの巡行は難しい。多分、女性用フレームなので、パワーの設定が低いのでしょう。

これ、ペダリングのダメ出しされながら走っている様なもので、硬いフレームのペダリングのダメ出しは距離を走った後に「足が売り切れ」て初めて分かりますが、柔らかいフレームのダメ出しはリアルタイムです。これは意外に良い練習になるかも知れません。

■ 足が無くなってから不思議に走るフレーム ■

驚いたのは、足が売り切れてから意外に良く走るし、良く登る。

土曜日に10m近い強風の中を慣れないフレームで150km「エナジードレイン走行」そた翌日に普段ならば絶対に自転車には乗りたくありません。ところが、翌日は再び貴婦人に跨っていました。

ペダリングのコツが掴めて来たら、27km/h程度の巡行はラクチン。もう魔法の絨毯の様に足を軽く回しているだけで勝手に自転車が前に進みます。

さらには、70Km走った後にヒルクライムしたら・・・インナー・ローに入れれば、全く力を入れる事無く、クルクルとペダルを回すだけで8%の坂も登ってゆきます。時速10km/hで登るので、決して遅くはありません・・・。


■ 脚力の無い人には最高のフレーム ■

100km走って鴨川に到着しましたが、そのまま山を登って浦安に帰れる感じがしました。しかし、その後、娘のアパートでダホンのボードウォークを借りて買い物に行ったら、足が完全に終わっていました。ところがIZALCO DONNA はこの足でも進む・・・。

そう、エントリーカーボンとか、エンデュランス・ロードって、設定パワーがムチャクチャ低いんですね。貧脚用の自転車だったんです。

ただ、柔らかいフレームがダメかと言えば、それは「走らせる技術」が有るか無いかの問題だと気付きました。

硬いフレームはパワーがある内はペダリングが雑でも進みます。ただ、パワーが無くなるとフレームに足が弾かれててペダルを踏み抜けない。所謂、「足が売り切れ」た状態になります。


一方、柔らかいフレームはペダリングスキルが高ければ「そこそこのスピード」は維持できます。ただ、鋭い加速や、35km/h以上の高速巡行や、高速のヒルクライムには向いていない。力が無駄に浪費だれるだけ。

ただ、弱い力でペダリングすると、フレームが適度にしなって、その反力がペダルを回すのを助けてくれます。だから自然に足が周り、前にスーーと進みますし、坂もスルスルと力を入れずとも登って行く。

■ レーシングバイクとエンデュランス系(コンフォート系)バイクは別の乗り物だった ■

結局、エンデュランス系のバイクって、「速く走ったら負け」の乗り物だったんですね。

ただ、ウサギとカメではありませんが、150km、200kmを超える様な距離になると、足が売り切れたレース系の乗り手よりも早くゴール出来る。

ちなみに、早く走ろうという意識を捨てると・・・寄り道し放題になります。

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桜と菜の花が咲き乱れる房総の春を満喫してしまいました。



ちなみに、レモン1号君も手放してしまいました。柔らかいフレームと鉄下駄ホイールで早く走れる様になる為に・・・。貴婦人は浮気を嫌いますから・・・。
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2017/4/14

『月がきれい』・・・・形にならないもの  アニメ
  

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■ 志村貴子かと思った ■

現在、マンガの世界で独特のポジションを築いているのは志村貴子だろう。

少年少女の「不安定な性」を描かせたら彼女の右に出るマンガ家は少ない。志村貴子の描く世界は『放浪息子』も『青い花』にしても、トランスジェンダーなどという重いテーマとは対象的に「ふんわり」とした印象を受ける。

志村貴子は『アルドノア・ゼロ』のキャラクターを担当した事でもファンの記憶に新しいが、今期アニメの『月がきれい』は、キャラクターといい、作品の雰囲気といい、志村貴子としか思えない物がある。だから、このオリジナル作品のスタッフ欄に彼女の名前が無いと気付いた時の私の驚愕は大きい。

■ 岸誠二の表現力の幅の広さに驚愕する ■

しかし、私はスタッフロールで再び驚愕する。何と監督が岸誠二なのだ。最近では『暗殺教室』や『ダンガンロンパ』といったエッジの立った作品が目立つ岸誠二であるが、私にとっては『瀬戸の花嫁』の名監督である。

いずれの作品も「アニメならではのエッジの強さが際立つが、私は彼の演出の「緩急」が好きだ。ドタバタの直後にホロリとさせられるアニメが得意とする演出の真骨頂を見る事が出来る。

ところが、『月がきれい』は対照的に志村貴子的な輪郭の細い作品である。話も淡々と進行する。これを岸作品だとは、言われなければ気付かない。本作で岸監督は、「新海誠なんて人いたっけ・・・」と思わず悪態を付きたくなる程のナイーブな演出を見せつける。

監督としての彼の表現の幅の広さは尋常では無い。そして、その両極においてパーフェクトである事に驚愕する。

■ 中学生の「「ありのままの時間」を映像化する手腕 ■

物語は川越の中学に通う、小説を書くオタクな男子と、陸上部で注目されるも、少し内気な女子の物語らしい・・・。

「らしい・・・」と歯切れの悪い表現をするのは、開始2話において彼らに主人公らしい事件は起こらない。同じクラスで、ファミレスで近くの席になり、ドリンクバーで鉢合わせになる・・。これだけで一話が完結する。

そう、「完結」してしまうのである。普通の作品なら5分で描く内容を、20分以上掛けながら話は全く進展しない。現代アニメとしては、或いはドラマも含めて現代の映像表現としては異例のテンポの悪さである。

しかし、そのテンポの悪い1話の20数分の何と「濃密」な事か・・・。岩井俊二の『花とアリス』や『リリイ・シュシュのすべて 』に似た、「単調ながら濃密な時間」を視聴者は味わう事が出来る。

しかし、これを「評価」するのは、様々な映像表現を観て来た私の様な重度な「オタク」であって、一般のライトユーザーでは無い・・・ハズである。しかし、アニメ嫌いの家内ですら、「アンタ、こんな中学生の観る様なアニメ観てキモイ」と言わずに一話目をチラ見していた。

この作品の中には、私達が「かつて経験した中学生という時間」が流れている。そして、現在進行形の中学生にとっては、「自分達のアリノママに時間」が濃密に流れているのだ。

これはテンプレ表現を得意とする現代アニメの「対局」に存在する唯一無二の作品である。

■ 空気に徹する ■

今後、どういう展開になるか予想も付かない作品であるが、岸監督は「空気を作る事」に徹している様に見える。

これは簡単な様で実に難しく、現代アニメの表現に慣れた若いスタッフにそれを理解させる労力を思うと気が遠くなる。

「空気は見えない」・・・故に「描く事が出来ない」。しかし、空気は現実的にも私達の周りを満たしていて、人にとって不可欠なものである。その重要でありながら、普段は意識もされない「空気」を、どうやってアニメという二次元に閉じ込めるかの実験を岸監督はしているのが本作で試みる。

ジブリや新海作品では背景が空気を生み出す。しかし、今作では登場人物の呼吸を通じて視聴者に空気を感じさせる。

ゼーゼーとか、ハーハーとか、或いはクンカ、クンカでは無く、ちょっとした息遣いを巧みに描いている。フッ・・とか、ハァ・・とかそんな微妙な息遣い。それを声優が声で演じるのでは無く、何となく絵から感じ取らせる。


未だ始まったばかりで、これからどういう展開になるか全く分からないが、私はこの作品から目が離せない。



<追記>


今期アニメも始まったばかりですが、とりあえず1話を観れた作品は・・・

『有頂天家族』は突出して素晴しい。

『サクラクエスト』はPA worksの「働く女の子」シリーズの最新作ですが、実写ドラマにしてゴールデンタイムで放映したら結構な視聴率を稼ぐであろう内容。大人が楽しめる作品。

『恋愛暴君』は3話までこのテンションが持つのか不安ではあるが、とにかく1話は捧腹絶倒。OPの田中秀和の曲はエンディングで驚愕。

『俺のいもおとがこんなに・・・』と同じ原作の『エロマンガ先生』は仕掛けとしては面白いが、原作者が脚本も担当する事で、『おれいも』における倉田脚本が如何に素晴らしいかを再認識させる。(思わず『おれいも』全話見直してしまい寝不足)

『Id-0』は『ガッチャマンクラウズ』を思わせる演出だた、久しぶりの谷口悟朗監督。期待。SFとして面白くなるかがカギかと。

『正解するカド』は『シンゴジラ』で面白さが再認識された官僚の世界を描く0話目は面白かったが、SF設定の本編で・・・その面白さが継続出来るか興味津々。

後は『進撃』2期、『弱ぺダ』など・・・かな。

今期は「切る」作品に困りそうな予感。
4

2017/4/13

「安全通貨の円」という嘘・・・単なるポジションの解消  時事/金融危機
 

■ シリア、北朝鮮情勢の緊迫化で円高? ■

シリアや北朝鮮で緊張が高まり「円高」になっています。

ニュースなどで「安全通貨として円が買われ、円高が進行しています」などと報道されますが、これは真っ赤な嘘というか、結果をはき違えているだけ。

現在日銀は異次元緩和を継続しており、為替市場では円はキャリートレードの調達通貨となっています。

1) 低金利の円を借りる
2) 為替市場で円を売ってドルに換える(円安圧力)
3) ドルで投資して設ける

これが「円キャリートレード」ですが、日米の金利差が拡大するとこの取引が活発化し、円安傾向が強まります。

ところが「危機」が意識されると、投資家達はポジションを手じまいするので、エンキャリートレードの円売りに便乗していた取引も縮小します。

1) エンキャリートレードによる円売りに便乗したポジションを組む
2) 逆張りのミセス・ワタナベを食い物にする
3) 危機が発生が予想され、一旦円売りのポジションを手じまいする
4) 円買い優勢になり円高に振れる

「有事のドル買い」と言われたのは昔の話で、最近は311の地震の後ですら円高になっています。これはキャリートレードの巻き戻しと、さらには外国人投資家が日本株を売り逃げる為の円高に振った影響も見逃せません。

■ 「日本経済は最強だから危機で円が買われる」と妄想するネトウヨ ■

結果的には「危機で円が買われる」事に間違いは無いのですが、そのメカニズムは「安全」とは正反対の「危機回避」

ところがネトウヨを始め、結構著名な金融評論家ですら「日本経済は底堅いから有事に際して円が買われる。」などと発言します。評論家の場合は知っていて「ポジショントーク」をしているだけの可能性も高いのですが・・・。

■ 喰いものにされるミセスワタナベ ■

以前は為替の極端な変動が起きると、逆張りのミセスワタナベが殲滅状態になったりしました。彼らはレバレッジを大きく掛けてヘッジ取引だけをしている様な物なので、読みが外れれば一たまりもありません。

しかし、最近は経験から学んだのか、極端なポジションを取らなくなった様です。今回の円高進行で慌てている方は少ないのでは?

■ 「イエレン続投」という新な手札 ■

トランプ大統領の登場以来、「トランプの求めるドル安」というバイアスが掛かる一方で、アメリカの景気拡大を背景にした「金利上昇を見越したドル高」というバイアスも掛かっています。

結果として極端なドル高にもドル安にもなり難い状況が続いていましたが、今回は「イエレン続投によって金利上昇は緩やかになるのでは無いか?」という「噂」と、シリア・北朝鮮危機による「円高」が重なり、円高が進行しています。

シリアと北朝鮮に関しては神?のみぞ知る・・・ですが、イエレンFRB議長の任期延長も、トランプの為替政策の手札として、しばらくは有効でしょう。

■ プロでも負ける為替 ■

まあ、勝手な予測や、後出し的な解説などは幾らでも出来るのですが、予測が難しくプロでも負ける時は負けるのが為替の世界。

だって、その反対側で、為替を利用してボロモウケしている方々がいらっしゃるのですから・・・。政府や中央銀行の政策変更や、戦争の開始など、素人が知り得ない情報にアクセス出来る方々が勝つに決まっているじゃないですか。

だから・・・・FXなんかに手を染めてはイケナイ・・・。
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