さて、出場メンバーも決まりました。W杯開幕まであと20数日、いうまでもないことですが今回はこともあろうに日本とブラジルは同組になりました。
「ブラジルとジャポンが勝ち抜けるよ」
みんな優しいからなのか、余裕だからなのかこういう風に言ってくれる人が多いです。しかし、舞台はW杯。そう易々と思うような結果になるでしょうか。
ブラジルはあくまでも目標は優勝でしょう。対して日本は最低でも予選突破を成し遂げたいところでしょう。そこで少し検証をしてみたいと思います。
【ブラジルは優勝できるのか?】
◎偉業がかかる今大会
まず、今回のW杯ではブラジルが優勝を遂げると、ある偉業が達成されることになります。有名なW杯のジンクスとして、ヨーロッパ大陸の国で大会が行なわれるときは、ただ1度の例外を除き全てヨーロッパの国が優勝しています(反対に南米・中南米・アメリカ開催では優勝国が必ず南米のブラジルかアルゼンチン、ウルグアイとなっている)。
ただ1度の例外とは、あのペレーが衝撃的なデビューを果たした1958年のスウェーデン大会でブラジルが優勝に輝いたとき、今から半世紀近くも前のことです。
しかし今回のセレソン(ブラジル代表)は、史上最強の呼び声も高く、優勝候補筆頭となっているのはご承知の通りです。が、そこにやはり若干の不安要素がないわけでもないのです。
◎攻撃的チームゆえに...
ホナウジーニョ、カカー、アドリアーノ、ホナウドはマジック・カルテット(Quarteto Magico)と呼ばれ、爆発したときの攻撃力はやはり止めることは難しいでしょう。本当にそうあって欲しいものですが、攻撃的といわれるチームはどこかで必ずといっていいほどやられてしまうのが、現実的なW杯の歴史でもあります。
トータル・フットボールで一世を風靡したクライフ率いるオランダ、1982年スペイン、黄金の中盤と呼ばれた4人を擁したブラジル、前大会でのフランス代表も記憶に新しいところです。
セレソンの最近の優勝を振りかえってみると、やはり要は「簡単には点を取られなかった」ということになると思います。ガチガチに守備的だったわけではなく、有機的な守備体制が機能していたといいましょうか。そこにアメリカ大会ではホマーリオ、ベベット、前回大会ではホナウド、ヒバウドといった名手がきっちりと仕事をしたというのが結果につながったのでした。
もちろん攻撃的な選手が多いから守備がおろそかになるというものでもありません。ボランチには世界でも屈指のエメルソン、ゼー・ホベルト、控え(先発かも)には前回大会大活躍したジウベウト・シウバもいるし。GKのジダ、CBのルシオは百戦練磨。サイド・バックは順当にいけばカフーとホベルト・カルロスか。しかしこのあたりが前目に行ったときに空いたスペースに逆襲を狙うというのが、おそらく最も各国が取る作戦でしょう。
今でもブラジル国内や世界中で評価の高い1982年のブラジル代表ですが、このチームが負けてしまったイタリア戦は象徴的です。壮絶な打ち合いの末に美しく散ったのでした(3-2でイタリアの勝利)。このときの最後の失点は、サイドバックのジュニオールがボールを失ったことから始まっています。
攻めて攻めて点を奪いきれず、逆襲速攻をくらい沈むというのが最悪のシナリオですが、やはりこの手が得意なのがイタリア。トニというストライカーは「ロッシの再来」といわれているそうです。この辺りは多分セレソンにとっても厳しい戦いになるのではないでしょうか。1982年のリベンジをぜひとも果たして欲しいものです。
◎だからこそぶっちぎりで
しかし『結果を伴う超攻撃サッカー』。これは全世界のサッカーファンが見たいもの。そんな現代の御伽噺を今回のセレソンは成し遂げるのでしょうか。その可能性は充分あります。サッカーって面白いね。セレソンて凄いね。ブラジルってどんな国なんだろうとなってくれることは都合の良い期待かもしれませんが、そうなることを願ってやみません。もうひとつ気になるのは、ちょっと働きすぎだ。特にホナウジーニョ。欧州チャンピオンズ・リーグの決勝も明日ですが。仕方のないことですが、よくホナウドにW杯本大会前のコンディションの整え方を聞いておいていただきたいものです。
長くなってすいません。日本代表についてはまた次回考えてみたいと思います。