「読書の秋」という言葉はブラジルにはないでしょうし、季節的に今は冬ですが、毎年この時期になると出版に関するある賞がブラジル国内で選ばれます。
ジャブチ賞(Premio Jabuti)といい今年で48回目を迎えましたが、ブラジル国内の出版物に対する賞として、最も伝統があり重要と目されています。主催はCBL(Camara Brasileira do Livro 直訳:ブラジル図書会議)。元来はブラジル文学に対し賞を授与するために創設され、その記念すべき最初の受賞者は、1959年、Gabriela, Cravo e Canelaのジョルジ・アマードだったのでした。
例えば、今年日本でもめでたく翻訳出版されたシコ・ブアルキの小説『ブダペスト』、この小説(本)は2004年のジャブチ賞の大賞(Livro do Ano)に輝いています。また、先日終了したブラジル映画祭で評判となった『オルガ』、この原作者Fernando Moraisもジャブチ賞の常連受賞者です。そうそう『カランジルー』(2000年度ルポルタージュ部門)もジャブチ賞受賞作、ときりがないので止めておきますが、出版界はもちろん、ブラジル国内の各メディアからも熱い視線を送られている賞ともいえるようです。
さて今年は19のカテゴリーでそれぞれ受賞作が決められ、さらにその中からフィクション、ノンフィクションの2つに大別し各々大賞(Livro do Ano)が決まりました。選ばれたのはこの2つの書籍。なお出版社は両方とも、Companhia das Letras でした。
向かって左が ノンフィクションの大賞 Ruy Castro著 CARMEN - UMA BIOGRAFIA
カルメン・ミランダの伝記。ちなみにこれは入荷したことがあり、非常にボリュームのある本でした。カルメン・ミランダは、アメリカのショー・ビジネス界で初めて大成功を収めたブラジル人女性です。Ruy Castroも日本のボサノヴァ・ファンにはお馴染みかもしれませんね。邦訳されている著作があり、たしか今年もフラメンゴに関する書籍が出たはず。大変有名なノンフィクション作家で、ジャブチ賞もはじめての受賞ではありません。
右が フィクション部門の大賞 MILTON HATOUM 著 CINZAS DO NORTE
こちらは1950-60年代のマナウスを舞台にした小説。2人の少年の成長と友情を描いた物語のようです。著者は、アマゾナス大学の文学部で教授を勤めており、小説としては3作目となる本書が見事に大賞を受賞しました。
著者について
ブラジル大使館のサイトに、詳しい説明がありました。現代のブラジル文学界で最も有名なひとりとか。知りませんでした、すみません。最初の小説(これも受賞)は欧米各国で翻訳されているそうです。
これはぜひ読みたいなあ...。どちらか日本でも翻訳出版されてみてはいかがでしょうか?
--------------------------------------------
以下 ポ語 サイト
ジャブチ賞の歴史
http://www.cbl.org.br/pages.php?recid=515
2006年 ジャブチ賞受賞結果
http://www.cbl.org.br/pws_jabuti/2006/index.html