「頻出レベル理系数学T・A・U・B・V・C(マセマ)」
徒然レビュー
答案に講義部分が割り込む独特の構成には好みがあるだろう。ファンにはおすすめ
「頻出レベル理系数学T・A・U・B・V・C」(マセマ)
マセマのファンには待望となる、難関大志望者向けの演習書。予備校本科のテキストなら難関大志望者向けコースの前期に入ってきそうな問題が主。さらに上の「ハイレベル理系」も刊行予定であるが、難関大入試における標準問題を多く載せたこの本がひとつ中心になってくるのは間違いないところ。気に入ったら使おう。
毎回気になるのは内容的な薄さと解説のクセ。本全体の厚みはそれなりにあるが、入試問題は57題しか収録されておらず、それでは解説が徹底して詳しいかと言うとそうでもない。同程度の本とページ数を比べてみればわかるが、単に紙1枚1枚が分厚いだけなのだ。もっとページ数をかけるか、紙面を整えて馬場先生の講義調を生かすべきだと筆者は思っているので、そのあたりが旧課程版から進歩しておらず、中途半端に終わっていることを大変残念に思う。解説面では、これも毎度のことだが答案を講義でぶった斬りにする構成が気になった。予備校の授業では答案を書きながら途中で中断して「参考」に載っているような事項に触れることもあるが、それはあくまで授業の中で重要な話を生徒さんに印象づけるタイミングを計るのと、あとは生徒さんを疲れさせないためであり(実は後者が主?)、それをそのまま本というメディアに持ち込んで欲しくはない。何度も読む可能性の高い参考書で中身がバラバラに配置されていると、最初は良いが次に読むのが負担になるのでよくないと筆者は思っているのだが、どうだろうか。