「理系(/文系・センター)対策 入試必携168 数学TUAB/TUABVC(数研出版)」
徒然レビュー
「入試必携168」が文理別に再編集された。入試基礎レベルの確認向け
「理系(/文系・センター)対策 入試必携168」数学TUAB/TUABVC(数研出版)
タイトルどおり、入試数学では基礎的と思われる事項をザッとふり返ることができる演習書。旧課程時代に「入試必携168」として発売されていたものの焼き直しだが、「チャート式」と同じサイズになって同シリーズに編入され、文理別の2冊になった。収録問題は一部重なっているので、用途に合った1冊を選んで取り組もう。分量もまとまっており他書との併用も難しくない。
タイトルどおり、168の解法を1ページ1つずつ扱っている(ちなみに、この数字には「いろは」とふりがながふってある)。各ページの最初にタイトル・図があり、その次にテーマに適した例題がある。さらにポイントの整理、類題と続く。収録問題は入試数学では基礎的と思われるものが主で、ところどころ本格的なものが混ざるといった印象だが、1つ1つを詳しく解説するというよりは、どんな解法があるかを簡単にふりかえることが主眼なので、それなりの予備知識は要求される。「チャート式」との接続で行くと、「黄チャート」の例題ならほとんどをマスターしている程度。「青チャート」を使っていたが、知識が定着しているかどうか曖昧なので次に進む前に軽く確認をしておきたいという人にも向くだろう。
難はやはり紙面構成と、それと関連するが答案部分の短さ。もともとB4版だったものを、同じコンセプトでA5版にしようとするわけだから、どこかで無理が生じるのは当然だが、この本に関しては、ページのタイトルと例題・類題の問題文を共存させるためのしわ寄せが、例題の解答部分がモロにきてしまっている。タイトル部分のスペースをもう少し圧縮してでも、昨今の参考書にないこの圧縮具合は改善すべきである。普通なら改行したり、注釈が入ったりするであろうところが、ひと時代前の「チャート式」みたいになってしまっており、読めたものではない。このシリーズにおいては、例題は理解するためにあるのではなく、その存在を知るためだけにあるのだと割り切ろう。この本で自分の弱点が見つかり、例題と類題の解答を見ても分からなかったら、素直に通常の「チャート式」などに戻って該当箇所をやり直すべきであろう。
同時期に出た「入試頻出 これだけ70」よりもレベル的には低め。カバーの裏にシリーズ全体の相関関係があるので参考にしてもらいたい。