「即戦ゼミ40 大学入試 数学頻出問題総演習 文理共通編(桐原書店)」
徒然レビュー
中堅〜難関私大の志望者で、高校数学全体を概観ずみの人に
「即戦ゼミ40 大学入試 数学頻出問題総演習」文理共通編(桐原書店)
中堅〜難関私大入試で差がつくであろう問題に強い問題集「即戦ゼミ42」の新課程対応版。いちど触れているかどうかで差がつく問題を網羅している。問題数はやや多いが、概ね1つの見開きで1つのテーマを扱っているほか、個々の問題に難易度表示もついているので取り組みづらくはない。多くの受験生が苦手に感じる「必要条件・十分条件」「整数」「桁数・n進法」のほか「『すべての〜』の処理」など独特の切り口で、問題数を多くとって集中的に解説してあるのが嬉しい。
各見開きは左が問題文、右がポイント解説やヒントになっていて、さらに別冊解答がつく。同社の英語の定番書「即戦ゼミ3 大学入試 英語頻出問題総演習」と同じシリーズで、この本を知っている人には何となく内容が想像できると思う。難易度的には「理系(/文系)数学の良問プラチカ」数学T・A・U・B(河合出版)に近いが、ひとむかし前の私大の小問を思わせる問題のウェイトが高く、1問のサイズは総じて小さい。改めて問われると「あれっ?」と思う問題が多いが、まずは慣れること。そういう意味では「チェック&リピート」(Z会出版)に(レベルはこちらの方が教科書寄りだが)近いといえる。「チェック&リピート」の愛用者がもう少し上のレベルを網羅したいときなどにおすすめしていきたい。
難点をあげるとするなら、やはり新課程で学ぶ受験生への配慮のなさ。収録問題があまり差し替わっていないのは仕方がないとして、「条件式の扱い」「恒等式」など新課程では数学Uで扱われている内容が本の最初の方にあるのはどうか。せっかく気のきいた選題が多いだけに、非常にもったいない。
ただ、現場の指導者の目から見ると、今の教科書内容の弱点をまざまざと見せつけてくれるという意味での良書という見方もできる(あくまで指導者のネタ用だが)。新課程になってもあまり変わらない問題を出してきそうな大学の志望者を担当する場合が特にそうだが、この本のエッセンスをうまく抜き出し、新課程に即した導入をしてあげられればと思う。
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
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