「Z会数学基礎問題集 チェック&リピート 改訂版(Z会出版)」
改めて定番書レビュー
教科書と入試をつなぐ問題集の傑作。入試基礎レベルの演習・定着、力だめし用と実に幅広く使える良書
「Z会数学基礎問題集 チェック&リピート」改訂版(Z会出版)
【評価】※1〜10の10段階評価
総合:10
教科書〜入試基礎レベルの確認:9
「自称・大学受験生」の力試し用(「リトマス試験紙」的用途):10
苦手な人が指導者なしで取り組む:2
筆者は旧課程版よりこの本を非常に高く評価していて、掲示板でもよく薦めてきたが、アドバイスを書きながら、参考書を薦めることには2つの側面があることに改めて気づいた。
1つめは、学習者が自分のレベル、すべきことの両方を正しく認識している場合。参考書・問題集選びの際には候補にあがる本がその目的・用途に適した構成、難易度、分量になっているかどうかを意識する。この場合、アドバイザーである筆者の役割は、皆さんの教材観の誤りを正しながら、同時に教材選びの選択肢を増やしてあげることに絞られる。このとき、「チェクリピ改訂版」は網羅系をやり直すまでもないが、いきなり予備校系の演習書や過去問に取り組むにはややしんどい皆さんが基礎の確認をしながらひと息つける・・・これを筆者はよく「間にはさむ」と表現するが、そのための教材として登場する。
対して2つめは、学習者が自分のレベル、すべきことの片方もしくは両方を正しく認識していない場合。この場合、筆者は、生徒さん個々人に合った学習法もしくは力だめしの方法自体を提案し、それに納得してもらうことに重点を置くことになる。このためには、やはり皆さんがおろそかにしやすい問題にたくさん触れてもらい、それを通じて「わかってもらう」のが一番であり、そのための、いわば「リトマス試験紙」的な教材としても登場することが非常に多いのである。
このように、ある人には練習用・力だめし用に、そしてある人には入試数学の厳しさをわかってもらうためといったように、実に多目的に使えるのがこの本の良いところであるといえる。問題ページの右にヒントがあり、めくるとすぐ解答になっているという機能面も、この本では大きくプラスに働いていると思う。筆者がこの本を高く評価しているのもこの部分によるところが大きく、自身の中では他の参考書を評価するときの1つの基準にもなっている。
ただ、使い手を選ぶことも確か。量に圧倒されて持続的・計画的に進めていけなくなってしまう人、逆に、このレベルはすでに仕上がっていて、今さら時間をかけたくない人には薦めない。
【基礎知識】
教科書レベルの確認と入試基礎レベルの内容の定着に使える問題集。旧課程版からひきつづき、教科書学習時に理解度の差が出やすいレベルの問題を、中堅私大の入試小問中心に集めている。問題は同じタイプ(テーマ)の数題をまとめてタイトルがつけてあるので探しやすく、また各テーマごとに問題はおおむね易→難の順に並んでいるので、教科書レベルの確認、発展演習、分野別苦手対策など幅広いレベル・用途に対応できる。
本文は、問題文とそれらの解法のポイントをまとめた「チェック・チェック」が見開き左右1ページずつ、次のページから解答・解説(2ページまたは4ページ)という繰り返しになっていて、1問1問が重たくないので、テーマごとに必要事項を確認しながら解き進めていけるようになっている。
私大文系(難関除く)志望なら、この本を最終目標にしてもいいぐらい。また、国公立志望といえど特にセンター重視の大学・学部では差になるのが案外こういうレベルだと思うので、何が何でも過去問演習・難問対策をしなければとあせる前にこの本で本当の意味でゆるぎない基礎力を身につけておいて欲しい。
一部では略して「チェクリピ」とも呼ばれている。07年には「実戦編 チェック&リピート」も発売されたが、難易度的にはかなり上になる。通常「チェクリピ」と言う場合、筆者は実戦編でなくこちらの「基礎問題集」のことを指しているし、他でもそう考えるのが妥当であろう。
【リンク】
※ 07年現在、Z会出版の著書は正式にはアマゾンで取り扱われていません。マーケットプレイスに中古が出品されており、旧課程版ならば以下のリンクから買うことができますが、改訂版は扱われていないようですからご注意ください!
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
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