例題数の多い網羅系参考書。入試基礎レベルはほぼカバーするがやや使いにくい面も
「ニューアクションβ」(東京書籍)
【評価】※1〜10の10点満点
総合:7
指導者あり:9
学習計画表を作って取り組む:8
独学者の導入用:5
初学者〜中級者向けの総合参考書で、類書としては「黄チャート」「シグマトライ」などがあるが、これらの本と比べて例題数がとにかく多い。例題は教科書傍用問題集を意識して配列されており、教科書学習と並行して辞書的に使うことをイメージして編集されている。「βは、教科書傍用問題集の傍用参考書だな」という評を聞いたことがあるが、筆者もまったく同じ意見である。
この本に取り組む場合、全部の問題を頭から解いていく人はまずいないだろう。難易度を示すイルカのマークなどを頼りに、「とりあえずイルカ2個までの問題と、その下の問題のうち練習のほうだけ」のようにノルマを決めて取り組むことを薦める。「β」限らずこの手の本を使う際は学習計画を立てることが不可欠になってくるわけだが、そのヒントになるサイトもあるので、参考にされたい。
# 参考:総合学習支援サイト「リュケイオン」のコンテンツ「β愛好会」
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http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/beta/keikaku/keikaku.htm
旧課程版はどちらかというと「速習」向きだった。例題数も多すぎず、例題下の練習問題も1題ずつだったので、スムーズに解法習得ができるさまを「駆け上がる」と表現する人もいる。実は筆者自身も、旧課程版は非常に高く評価していた。そのイメージがあるので、どうしても今回の新課程版で変わったところを見ると、どうしても苦言を呈したくなってしまう。
たとえば、例題下の問題を「練習」(主に数値を変えた類題)と「問題」(やや進んだ問題や関連テーマを扱った入試問題)の2題にするのは旧課程版の「α」からのアイデアなのだが、これは例題数の少なく、しかもβよりややレベルの高い(取り組む問題を選ぶことのできる)生徒さんが対象のαだったからこそ成り立った形式であると筆者は考える。そのシステムを、そのまま下のレベルの本に持ち込んでしまうのはどうか。正直、「問題」と節末の「Let’s Try!」はレベル的に似通ったものが多いので、レベルを考えると後者に一本化して、その代わりに詳しく解説すべきではないか。同様の理由により、教科書本文の問・練習レベルの問題を例題扱いするのなら、まとめページの横に「QuickCheck」を入れる必要はないのではといった疑問もわいてきてしまう。
このように、いろいろな要素を盛り込もうとして内容的に膨らみすぎてしまった感のある「β」だが、選択肢として考えて欲しい本であることには変わりない。たとえば、指導者がいる環境で、その時々に応じて問題を抜き出してもらえるとしたら、この本の分量の多さや冗長な部分も逆に長所になる。あと、この本を使うであろうレベルの生徒さんには、「問題」まで取り組むかどうかは別として、教科書レベルの問題でもこれぐらい繰り返し解いて欲しいというのもある。
【基礎知識】
教科書レベルから入試の基礎までをカバーした総合参考書。「ニューアクション」シリーズ(上からω・α・β・γ)の中では上から3番目で、他社で言えば「黄チャート」(数研出版)、「シグマトライ」(文英堂)あたりと似ているが、
基本事項は節ごとに簡単なまとめがあるだけで、言葉による導入はないが、その横に基本事項の確認問題である「Quick Check」がつく。例題ページは例題が1ページ1題、その下に「練習」「問題」の2題の練習問題(前者は完全類題、後者はやや難しい)という構成になっており、そのあとに節末問題「Let’s Try!」と章末問題「PERFECT MASTER」が続くといった構成になっている。別冊の解答はとにかく分厚く丁寧に書かれている。補助解説も含め見やすくレイアウトされている。この詳しさはβに限らずニューアクションシリーズ全体の特徴にもなっている。
例題数はこのレベルの本にしてはやや多いが、例題どうしの依存関係を図式化した「例題MAP」、難易度を表すイルカのマーク(1個〜3個)、色分け(教科書学習と並行して解いて欲しい問題は「例題」の文字が赤字で、教科書学習を終えてからでもいい問題は黒字になっている)など取り組む問題を選びやすくする工夫はある。分量的にはやや多いが、機能性に対する意識も高い本といえる。
【リンク】
新課程版「ニューアクションβ」が買えます。
※リンク先の内容は当方で確認済み。旧課程版とお間違えにならないよう十分ご注意ください!