「やさしい(/ハイレベル)理系数学 改訂版(河合出版)」
改めて定番書レビュー
非定型的な問題に多く触れることができる難関大志望者向け演習書。別解が豊富
「やさしい(/ハイレベル)理系数学」改訂版(河合出版)
【評価】※1〜10の10段階評価
総合:8
標準レベル+α程度の問題の別解が知りたい:9
数学3・Cの苦手な人が「ハイレベル〜」を使う:3
「やさしい〜」のタイトルにつられてレベルを甘く見てしまう:1
※以下、2006年2月1日「徒然レビュー」執筆分より加筆修正
旧課程版は夏休みの集中的な演習など薦める場面が非常に多かった本であり、今回の「改訂版」も一部問題が差し替わっているものの同じニュアンスで使えそうである。数学を得点源にしたい人で、かつ最終目標に何か本が欲しいというなら「ハイレベル」をお薦めするが、そうでない人は「やさしい」で十分。「ハイレベル」はあくまで余力の範囲で取り組むべき本と割り切ろう。
1問1問がかなり本格的なのでこの問題数だと普通はしんどいが、「やさしい」は比較的短時間で解ける問題の割合が高く、問題が並ぶだけの本よりも演習はしやすくなっている。例題からかなり難しい(または目新しい)問題を扱っているので、典型問題の解法はひととおり習得してから臨みたいが、例題だけでもやり通せば、かなりレベルの高い問題にも応用がきく様々な解法に幅広く触れることができると思う。
また、特に「例題」には別解が豊富に紹介されたものが多く、好感が持てる。1問の問題を通じて、問題に対する様々なアプローチを学ぶことができるのはもちろんだが、自分の肌に合う解法を選んで理解できるという意味でも非常に嬉しい(特に「個数の処理・確率」の章についてそれがいえる)。このスタイルに惚れ込む使用者も多いだろう。
さて、このシリーズに言いたいことはただ1つ。「やさしい」というタイトルは絶対に改めて欲しい(!!)。「ハイレベル」ほど本気モードではないよ、という意味でそう名づけたのだろうが、教科書や黄チャートレベルの網羅系参考書を終えた程度でも取り組めるような誤解を生むのでやめるべき。「やさしい」「ハイレベル」をそれぞれ「ハイレベル」「トップレベル」ぐらいに呼び換えてちょうどいいぐらいだと筆者は思うのだが。
【リンク】
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※リンク先の内容は当方で確認済み。旧課程版とお間違えにならないよう、また類書とお間違えにならないよう十分ご注意ください!
【基礎知識】
本格的な過去問演習と並行して理系数学全体をおさえる用途に使える演習書。難関大志望者向けではひとつの定番となっていて、一部では「やさ理」「ハイ理」の愛称で呼ばれている。ただし、「やさ理」でもかなり難しく、相応の予備知識は必要。
問題は「例題」と「演習」に分かれており、「やさしい」「ハイレベル」とも例題が50題、演習は130題という構成になっている(旧課程版は演習が150題ずつだったので、20題ずつ減った格好)。例題を中心に豊富な別解がついている。