○baccy先生
私はあの手の「総合参考書」は、基本的には自学自習かつそれ1冊でターゲットとなる読者層の要求をカバーできるべきだと思っています。
実際、出版社もそう考えて作っているはずなのですが、現状「β」の導入の軽さと例題数の(このレベルの本では)異様ともいえる多さは気になるところです。
「導入」については、学校の授業と並行してやるなら確かに問題はないし、そうでなくても教科書を持っている前提ならさほど困らないと思うんです。問題は、高2の冬休みぐらいから、受験学年に上がるのに先立って数学T・Aから復習しようかなという層で、特にこの本を使うレベルの生徒さんは学校の授業で何をいつぐらいにやったか、そういったことをはっきり覚えているわけでもないでしょうから、教科書に戻れと言われても「ああ、ここだった」とすぐ分かるわけではないということです(学校の先生によっては、教科書を使わずに授業をされますし・・・)。ザッと読んで、「大体こんな内容だったな」と軽く振り返ることができる部分が欲しいわけです。
そこで注目されるのが「坂田アキラ」に代表される講義調導入書なわけですが、全分野に対してそれをやるとコストパフォーマンスが悪くなりますし、時間もかかる。悩ましいところなんです。
「多さ」については、「β」の場合確かに「例題」の文字が赤と黒に分かれていたり、例題MAPなるものもあるのですが、学習者の全員が全員そこに常に注意を払ってやるわけじゃないですからね。やはり、頭から見ていって、何かができる構成になっていて、そのうえでああいうガイド的なものがあるのが理想だと思うんですよ。
「黄」は昔に比べて余計なものをだいぶそぎ落とした感はあるのですが、導入は逆に削りすぎみたいな感じで、「これだけ?」という印象がぬぐえないですね。
これまで見てきた中で最も良いなと思ったのは、旧課程時代にあった「数学T+A(/他)の解法」(文英堂)。教科書に忠実な導入と無理のない例題配置。教科書学習と並行しながら出来る部分と学習したあと余力で取り組む部分が、例題の収録ページではっきり分かれていました。「理解しやすい」との差別化が図れず消滅してしまったような格好になっていますが、あのシリーズこそ残して欲しかったと思います。
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