「超基礎数学塾 かみくだき数学U(学研)」
徒然レビュー(再録)
04年11月24日「徒然レビュー」執筆分より
「超基礎数学塾 かみくだき数学U」(学研)
以前からあったシリーズで、旧課程版の馬場敬之先生から今回は今野和浩先生に著者が交代。本自体のコンセプトは、教科書学習を中途半端に終えてしまった生徒さん向けに基本事項を駆け足で導入しつつ入試基礎レベルの代表的な問題をピンポイント的に紹介・解説するというもので特に変化はない。
正直、旧課程版の馬場先生の導入については「乱暴」という印象が強かったので、その部分が(著者が代わったこともあるのだろうが)今回かなり改善されていて好感が持てる。随所に「例題」(教科書の問・練習レベル)が入り、またそれが次の事項や「実戦演習」(入試基礎レベルで、この本のメインの問題)に巧妙につなげられている。授業としての「流れ」を重視しながらも、大事なところはきちんとまとめる。正直言うと多少不自然に感じるところもあったが、今野先生独特ともいえるこの「メリハリ」にはいつも感心させられる。紙面構成的にも、旧課程版の妙な「狭苦しさ」がなくなり良い感じである。
難を言えば、やはり「実戦演習」の選題である。確かに代表的なところをとってきているし(予備校で言えば中堅クラスの前期の教材っぽい)、「超基礎数学塾」というコンセプトも考えて説明しはじめると厄介になるものは省いてもあるが、もう少しレベルを落としてもよかったのではないか。超基礎なのだから、メインの問題を入試問題で固める必要はなかったと思う。せっかく「実戦演習」1題に「練習問題」(実戦演習の類似問題)をセットにしてあるのだから、このどちらかのみで入試問題を扱うなどの手法をとってもよかったのではないか。率直に言って、収録問題には数値だけややこしくしたものが多く、せっかくのテンポが損なわれる。
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
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