「チャート式」シリーズの最高峰に君臨する演習書。約半分の問題はヒント付き
「数学難問集100」(数研出版)
これは「黒チャート」とでも言うべきだろうか。「チャート式」シリーズの最高峰に君臨する難関大理系志望者(とくに東大・京大理系の志望者)向けの演習書がついにお目見え。過去問演習で標準問題にメドをつけたうえで取り組んで欲しいが、学校の演習授業任せではなかなかまとめて触れる機会のない分野の問題に多く触れることができるので、有用性は高いはず。
まず「入門の部」では、学校の授業で扱われないことが多いが難関大では発展事項として出題される可能性の高い分野である「整数」「比較」「幾何」「1次変換と図形」「空間の直線・平面」にスポットを当てている。導入は旧課程版の青チャートを思わせるもので、必要に応じて例題をまじえ解説してある。丁寧に解説してくれているというわけではないので、まずはここを読みこなせるかどうかがハードルになってしまうが、この本を使うぐらいの生徒さんで、数学を得点源にしようと思っているなら是非頑張って読みこなすべきだ。問題としては55題だが、ここはつとめて体系立てて解説しようとしていて、問題文の下にヒントも書いてあるなど好感が持てる。
後半の「試練の部」は45題からなるが、こちらは前半で扱った分野も含めた最近の入試の難問を幅広く集めたといった感じ。筆者も何問か見覚えがあるが、以前に毎年出ていた「闘う50題」(SEG出版)という本が現在も続いていればおそらく扱っていると思う。率直に、ただ単に難しい問題を集めただけのような気がしないでもないが、予備校のサイトや新聞でよく見る入試の解答速報や赤本の答案よりも分かり易くしよう(答案自体が解説を兼ねている?)という努力の跡は随所に感じられる。
あえて難を言うとすれば解説面だが、気になるほどではない。ただ、入門の部はもう少し解答を丁寧に書いても良かったかも知れないが。あと、入門の部の問題のヒントが問題文のすぐ下にあるのはどうかと思った。あえてヒントなしで取り組みたいという人もいるだろうから、それを考慮すればページの下か見開きの右下あたりにまとめて書くか、試練の部のように問題文だけのページをどこかにつくるかすべきであったと思うが、本質ではない。
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
トラックバック(0)