「大学入試頻出定型問題 数学T+A(U+B)の完全マスター(文英堂)」
徒然レビュー
教科書学習を終えたあとの入試対策向け。頻出の出題パターンを網羅
「大学入試頻出定型問題 数学T+A(/U+B)の完全マスター」新課程版(文英堂)
教科書・総合参考書(同じ出版社であれば「理解しやすい」など)をひととおり終えたあとの確認&発展演習を念頭に置いて作られたと思われる、例題形式の演習書。12年からの新課程に対応している。類書としては「数学標準問題精講」(旺文社)などが浮かぶが、例題が「標準」「発展」「研究」と分かれているほか、章末に「演習問題」も付属している分、易から難まで幅広く、ボリュームもやや多めに感じる。
タイトル・表紙を見ると新しい本(シリーズ)のようだが、04年に初版、06年に新装版として発売された「数学T+Aの考え方解き方」がもとになっており、今回も同じ先生のお名前が「執筆協力」として巻末に載っていた。が、内容はまったくの流用ではなく、見直されている箇所もある。新課程で新しく加わった数学Tの「データの分析」は、ほぼセンター試験しか現時点で使えるネタがないので他書同様苦労しているが、数学Aの「整数の性質」は導入部分がかなり書き換えられ、新課程独特の内容も適宜補われている。13年3月に発売された数学U+Bに関してはほぼ現課程版を踏襲しているが、内容の入れ替わった部分はフォローされている。
使ううえで注意したい点として、取り組む問題の選び方がある。導入のあとに「基本問題」、例題が前述のように3段階あるうえ、章末にも演習問題が付いているので、全部やるのは現実的ではない。一応、演習問題には例題との対応が示され、「標準」「発展」「研究」の区別もあるが、ここまで手が出るのは学校の授業でかなり高いレベルまで扱ってもらえていて、かつ消化不良なくその内容をきちんと理解し、練習も積んだ生徒さんに限られてしまうだろう。とりあえず例題の8割を理解することを目標とし、演習問題は気になったものだけ別冊解答を見ながら解く程度で十分であるが、より完璧にしようとすれば、やはり指導者のもとで使いたい。
【リンク】
※参考:現課程版「数学T+A(/U+B)の考え方解き方」(文英堂)岡部恒治・編
※12年5月5日執筆分に新刊のリンク等を追加