続きです。
そのときはまさか今こちら側の人間になっていようとは想像していませんでしたが、この経験を踏まえ、授業をするときは生徒さんにノートをしっかり作ってもらうことを特に意識しています。写すだけで授業内容が再現できるのが理想です。確かに板書の負担が少ないほうが生徒さんの受けはいいし、とくに最近の生徒さんは問題を解くことが勉強だと思っていて、ノートをとったり話を聞いたりするのを退屈がるフシがありますが、学校という組織の一員として、それに迎合することはしたくないのです。授業を端折らざるを得ない場合も当然ありますが、そこでも必ず教科書か参考書の参照ページを言うなど保険をかけるようにしています。また、教科書の一部ページをとばして授業を先に進めるときも、その部分の位置づけやとばす理由を極力説明するよう心がけています。
新課程の導入により、教科書づくりの現場は混乱してしまいましたが、それ以上に混乱しているのは何といっても生徒さんと、筆者のような経験の浅い教員です。授業のスタンダードとしての意義を失ってしまった教科書を意味もなく持たされ、一体何をやれば入試に対応できるのか、受ける授業をとにかく信じて行くしかない不安、そして毎回の授業を手探りで進めていかざるを得ない不安が重くのしかかっているようです。この課程は現場の猛反発により早く改められることになりましたが、これを機に、我々指導者も自分自身の教えている内容を見直す必要に迫られていると思いますし、生徒の皆さんにも、自分が本当に必要とする知識を得るために自分自身で工夫することをもっと意識して欲しいと思います。
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