「新出題傾向対応版 坂田アキラの確率が面白いほどわかる本(中経出版)」
徒然レビュー
差がつく確率分野を基礎から導入するビジュアルな解説の講義調参考書
「新出題傾向対応版 坂田アキラの確率が面白いほどわかる本」(中経出版)
予備校の授業のような語り口と、それを生かすビジュアルな紙面に特徴のある講義調参考書の「確率」版。この分野には、以前に同じ出版社から山本俊郎先生による本(原則編)も発売されていたが、「ベクトル」同様に事情があり著者が交代してリニューアルされた。
メインは教科書レベルから入試基礎まで。教科書では扱われていないが入試では頻出であるテーマとして、確率の最大を求める問題なども扱われている。一部数学C内容も扱っているが、どの章がそれにあたるかは明記されており、不要と感じたらその部分は後回しにしよう。
各章は例題とその解説という形で進むが、本題の解説に入る前に、似た問題と区別するために類題をあげたり、代表的な誤答を紹介したりと、苦手な人の陥りやすいポイントをよくおさえている。解法を1つあげたあと、「これでもいいけどもっと効率のよい解法もありますよ」という流れで最終的な解法にたどり着く箇所も多くあり、予備校の授業を受ける感じで読み進めていける。得意な人には導入と解答(答案)でほぼ同じ内容を繰り返しているところが多く「くどさ」を感じる向きもあるだろう。確認用にサッと読んでもためになる本なので、情報の取捨選択(分かりきっている箇所は導入と解答のどちらか一方だけを読むなど)を意識した読み進め方をしていこう。
残念な点は、帯(オビ)に「センター対策」を思わせる文言があるにもかかわらず、センターの過去問や、それに準じる「まとめ」的な例題が収録されていなかったこと。同じシリーズでも志田晶先生の「ベクトル」の本にはそういう問題があったので、それと比べてしまう。あと、これは「図形と方程式」の本あたりでも指摘を受けていたことであるが、誤植が見受けられる。筆者の手元にある初版ではP.151の図の誤りなどがそうだ(○と|を並べる問題の解説で本文の内容と図の○の数が食い違っている)。しっかり校正して欲しい。
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
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