大学教授・予備校講師を中心に、参考書の著者・執筆者として名前をよく目にする人たちがいます。皆さん、独自の切り口を持っていたり、「このレベルは任せろ」みたいにターゲットとなる読者層を絞って書かれていたりと、それぞれに個性を発揮されています。参考書・問題集を選ぶ際に著者の名前で選んでいるという人も、きっと多いことでしょう。
そこで、ここでは数学の参考書を書かれている中でも特に有名な著者何名かについてとりあげます。お気に入りの著者を見つけて、ファンになるのも悪くないですよ。
※ 以下敬称略
【主に初学者〜中級者向け】
○坂田アキラ(さかた・あきら)
予備校界で「革命的講義で抜群の動員力」と評される。参考書ではその芸術的といわれる板書を紙面に再現。表面上の派手さに目を奪われなければ、単なる受け狙いだけでなく、入試基礎レベルの代表的な例題をきちんと網羅してもいる点に気づく。独特の「おちゃらけ」には好き嫌いもあるだろう。
○湯浅弘一(ゆあさ・ひろかず)
「数学は、トレーニング!」がモットーで、とにかくシンプルに、ポイントだけをサッと提示して類題を解かせるというスタイルの持ち主。
○沖田一希(おきた・かずき)
東進衛星予備校で売り出し中の講師。参考書からも熱っぽさが伝わってくる。
○山本俊郎(やまもと・としろう)
代々木ゼミナールのトップ講師で、基礎からトップレベルまで幅広い生徒さんの支持を集めている。丁寧な語り口が特徴で、参考書でも1問の問題に行数を割いて解説するのが山本先生スタイルといえる。一時期、会話調(山本先生と生徒役の会話でストーリーが進む)の本も執筆されていた。
【主に中級者〜上級者向け】
○志田晶(しだ・あきら)
河合塾の実力派講師。同予備校のサイトでセンター数学の解説を担当されている。現在の教育課程・高校生の要求をよく捉えていて、それが参考書作りにも生かされていると感じる。
○佐々木隆宏(ささき・たかひろ)
代ゼミ講師。幅広い層に人気だそうだが、問題の解説を通じて、上位レベルの生徒さん向けの内容を一般の受験生の目線に下げる役割を果たされていると感じる。
○麻生雅久(あそう・まさひさ)
河合塾専任講師。旧課程時代の「A・SOの解法」(学研)を「麻生の解法」としてリニューアル発売。学研からは「ココからスタート 基礎問数学」も出されていたが、こちらの新課程版も見たい。
○米谷達也(よねたに・たつや)
○大上芳樹(おおうえ・よしき)
【主に上級者・超上級者向け】
○安田亨(やすだ・とおる)
駿台予備学校の看板講師で、東大志望者を中心にファンが多い。著書を見ていてももちろんわかるが、古い問題から最新の問題までストックの量が尋常でない。中・高を通じた数学教育にもいろいろと独自の視点をお持ちである。
<余談>実は筆者の勤務校の数学科客員講師・顧問でもあり、ときどきお会いして話をさせていただく機会もあったりする。本校の中学部の生徒さんが将来安田先生の授業を受けるときが楽しみである。
○西岡康夫(にしおか・やすお)
難関大志望者の間でカリスマ的な人気を誇る。「知的判断枠組」等のキーワードを提唱され、問題が解ける必然性ということを特に意識されている。
○清史弘(せい・ふみひろ)
以前「受験教科書」(SEG出版)という名前で発売されていた「受験数学の理論」(駿台文庫)が代表作。多くの授業を担当しながら、これだけのシリーズを書きあげるパワーに敬服する。
○小島敏久(こじま・としひさ)
【レベル不問】
○馬場敬之(ばば・けいし)
元予備校講師で、現在はご自分で出版社(マセマ)を経営されている。トークから入り、少ない問題数である程度の内容が身につくノリの良さにはファンも多いが、独特のアクの強さには賛否ありそう。
【大学教授】
○藤田宏(ふじた・ひろし)
○長岡亮介(ながおか・りょうすけ)
○岡部恒治(おかべ・つねはる)
○佐藤恒雄(さとう・つねお)
もともと数学教育を専攻の1つにされている先生だが、センター数学の作問委員を務められた経歴もお持ちで(バラしていいのかな??)、センター対策本を多数出されている。他に「佐藤の数学教科書」(東進ブックス)という教科書型参考書も一見の価値あり。
【番外?】
○細野真宏(ほその・まさひろ)
講義調参考書の「はしり」となる、旧「面白いほどわかる本」シリーズ(中経出版)で一世を風靡。現在はリニューアルされたものが「本当によくわかる本」というタイトルで小学館から発売されているが、新刊はしばらく出ていない。
○和田秀樹(わだ・ひでき)
「受験技術研究家」として有名な灘出身の精神科医。「和田式センター数学」(学研)など参考書も執筆されているがこちらはサブで、メインはやはり「受験は要領」に代表される学習法に関する本。過激な意見も含まれており賛否あるが、納得させられる部分も多い。最近は保護者向けの教育書(?)やビジネスマン向けの著書が目立つが、個人的にはさびしい限り。