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「時節のアドバイス」向けの記事として書いたもの(→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/542.html)に加筆修正したものです。
掲示板でよくいただくご質問の中に、数学が苦手だが数学T・Aだけでも早めに何とかしたいという内容のものがあります。手持ちの参考書、たとえば「黄チャート」(数研出版)があり、それが使えそうであれば、「例題」だけでもやれば教科書レベル+入試の基礎までは網羅できますから、全問理解できなくてもいいので8割程度を目指し、ひととおり終えて欲しいと思います。ところが、たとえ数学T・Aに絞ったとしても、「黄チャート」なら例題だけでも100題近くありますから、1日3題ずつ休みなくやったとしても約3ヶ月かかってしまいます。苦手意識の強い人は、そういう計算を無意識のうちに頭の中でしてしまい、「出来るわけないじゃないか!」と思ってしまっているようです。
そういう声を反映してか、「黄チャート」では各章のトビラ部分に学習プランを例示し、見通しの悪さを解決しようとしています。その他、「ニューアクション」(東京書籍)シリーズなら章のトビラにある「例題MAP」のように、最近は多くの参考書で学習者に概観を持たせる工夫ががいろいろとされてきています。これらの本を持っていれば、この機会にそういう部分も読んでみてはどうでしょうか。
もし、新たに教材を増やすのであれば、講義調の参考書なら(ものによります)読むだけなら2〜3週間で1冊、問題を丁寧に解いていったとしても1ヶ月半ほどでメドがつくでしょう。もちろん内容はその分薄くなりますが、期間限定で取り組む場合は分厚い参考書を使うよりも精神的に楽になるというメリットも捨てがたいので、気に入って取り組めるものを書店などで探してみてください。講義調の中で筆者が真っ先におすすめしたい本として、
○「坂田アキラの医療看護系入試数学T・Aが面白いほどわかる本」(中経出版)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/264.html
があります。タイトルには「看護系」とありますが、気にしなくてOK。数学が苦手だが何とかしたいという人に合わせて丁寧に導入してあり、到達点もそれなりに高いのです。
次は、導入はさほど重視しなくてよいが、教科書学習時に差がつきやすいレベルの問題を集中的にやりたいという場合です。こんな「虫のいい」要求に応えてくれる参考書などひと昔前は考えられなかったのですが、今は
○「ここからがわからない 入試基礎」数学T・A(旺文社)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/290.html
など、探せばそういう本も見つかります。もちろん、わからないといってもそれは「編者いわく」なので、すべての受験生にピッタリくるわけではありませんが、数学T・Aで例示問題が40題、そして同程度のレベルの練習問題が40題ですから、これらをみっちりやれば、同じ80題でも網羅系参考書の例題を単発で80題、いや100題解くよりも、よほど密度の濃い学習ができるはずです。
ですが、それでも日数的・分量的につらさを感じることはあるはずです。そういうときにどうするかですが、結論から言うと
***「分野をしぼる」
のが最も良い方法だと思います。教科の特性から、あちこちの分野を少しずつやるよりも、1つの分野だけでもある程度のレベルまで一気にやった方が結果につながりやすいと考えられるからです。また、1つの分野、とくに最近学校の授業で習ったところの分野などにしぼってしまえば、すでに持っている本(傍用問題集、受験編問題集など)のやり直しで対応することができ、新しく本を増やす必要がなくなるというメリットもあります。
筆者がよく狙い目にする分野として、
***「2次関数」・「場合の数・確率」
があげられます。前者は他の関数分野の基本になる考え方が多く含まれ、しっかりやっておけば他の分野にスムーズに入っていけます。後者は逆で、他の分野との融合は少ないのですが、苦手とする受験生が多く差がつくところなので、今のうちに押さえておけば何より安心できるのです。次点は、
***「三角比」
で、中学内容を含む図形分野の集大成であり、高1(もしくは一貫校の中3)の皆さんにとっては将来習う「三角関数」の基礎にもなるというところが大きな理由になります。さらに、記号がたくさん出てくるなど基本事項自体も難解になり、かつ覚えるべき公式も多くなるなど、高校数学の特徴が大きくあらわれる分野でもあるので、学習のペースをつかむという意味でもバカにはできません。
こんなふうに、「出来るわけない!」と思っていることでも、用途に合った教材を探したり、思い切って目標を絞り込んだりすることで、解決の糸口が見えてくることが案外多いのです。受験勉強を通じて、皆さんにはそういうことも学びとっていってもらいたいと思うばかりです。