「高校生のための逆引き微分積分(講談社ブルーバックス)」
徒然レビュー(再録)
05年2月8日「徒然レビュー」執筆分より
「高校生のための逆引き微分積分」(講談社ブルーバックス)
外見は新書版だが中身はほぼ受験参考書なので、ここで紹介することにしました。
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(前書きより)
数学Vの微分積分を一応習ったけれど、頭の中が整理しきれていない人、大学の理系学部に何とかもぐりこんだけれど、まだ高校の微分積分がよく分かっていない人にも役立ちます。
(帯より)
解き方が判らないのは、教科書が問題ではなく、答え(手法)で分類しているからです。本書では、個々の問題(関数)→手法の逆引き方式によって、解法の定石を解説します。
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・・・とあるとおり、数学Vの微分積分(とくに積分計算に関するところ)を半講義調で解説した本です。頭から読み進めていくぶんには既存の参考書と大して変わらないのですが、やはり新書版ということで、見開きの情報量の少なさというハンデは如何ともしがたいです。大学で学ぶ微分・積分とのつながり等を含め、全体に「いいこと」が書いてあるのですが、あとで探そうと思ったときに手間がかかります。
しかしそれ以上に、大学入試問題が本文中にいきなり出てくるのが問題です。箇所によっては大学入試問題→例題→大学入試問題と続くこともあります。さすがに不必要とは言いませんが、読み飛ばすか後回しにするかしたい読者のことも考えて欲しいです。
全体に、大学の教科書にありがちな「読者は頭から真面目に読み進め、いちど読んだ内容は覚えてくれるだろう」という執筆者の認識(傲慢?)から十分に抜け出せていない本です。例題は問題文を枠で囲み、場合によってはページを改める。大学入試問題については章末にまとめるなどしてあったら印象もだいぶ変わったでしょう。そんな中、巻末の「索引」で本文内で出てきた積分計算その他が一覧で探せるようになっているのは大きな救いでしょう。このおかげで、何とか「逆引き」と呼んで差し支えない、いわば生命線です。
手前味噌になりますが、NET学園の新矢先生が書いた「速攻 数学V 微積分計算」が私の中でひとつの基準になっていて、どうしてもこの手の本が出てくると「速攻」と比べてしまうのです。「速攻」の巻末にある、筆者自身が数学Vの積分計算を思い出す手助けにさえなった手法のまとめ「各論」と比べると、この本ごときが「逆引き」と名乗っているのが個人的に許せなかったりするのです。
投稿者: 水野 健太郎(理事会)
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