「大学受験準備シリーズ 平成21年度入試用 数学 数列/ベクトル[添削付き](Z会出版)」
徒然レビュー
添削指導付き、基礎の確認から受験への橋渡しがしたい高2生向け
「大学受験準備シリーズ 平成21年度入試用 数学」数列/ベクトル[添削付き](Z会出版)
多くの受験生が苦手意識を持っているであろう「数列」「ベクトル」の基本事項が少ない問題数で確認でき、さらに添削問題を解くことで受験勉強の準備ができる導入書。添削問題は答案を書いてZ会に送ると実際に添削指導が受けられるようになっていて、価格の1200円はこの指導料を含めたものと考えて欲しい。通信添削の教材見本を作ったら書籍になった、という表現がまさにピッタリである。タイトルに「平成21年度入試用」とあるが、定着すれば毎年(おそらくは少しずつ内容を変えながら)この時期に書店に並ぶのだろうか。
通信添削、とくにZ会というと初見の難しい問題に取り組むというイメージが強いが、この教材に限ってはそういった部分は一掃されていて、純粋に「自分の答案が評価される経験をする」ことを主眼に据えている。導入も初学者向けではないがそれなりに詳しいし、入試の基礎が確認できるだけの最低限の例題を扱ってもいる。さすがに添削問題となると多少目新しくなるが、ヒントも参照しながら、問題への基本の取り組み方に従って進めていけば解答できるレベルなので、恐れず頑張ってほしい。
さて、このシリーズが店頭に並んだのは08年1月だが、とくに高2の皆さんには時期的にも分野的にもタイムリーだったのではないか。学習進度が速い一貫校の高1以下の生徒さんも含め、教科書学習が済み次第取り組める内容・レベルであるから、この機会にいちど添削問題を提出してみて、通信添削とはどういうものかを知ってみるのも良い。
一応、添削問題には8月30日と有効期限が決められているので注意したい。ただし、買ったはいいが出す暇がなくなったなどの理由でもし添削指導が受けられなかったとしても、巻末にも解答・解説がついているから学習に支障はないだろう。
※以下はZ会のサイトへのリンクです。よろしければ資料請求もどうぞ

【余談】
筆者自身が受験生の頃は、Z会といえば東大志望者御用達、かつ難しいというのが定評で、確か初回は問題文が印刷された解答用紙が送られてくるだけだったが、当時はそれが当たり前と思ってやっていた。結局、数学は高2の3月からの半年間で挫折も経験したが、自分の答案を評価してもらう機会を持つことの大切さを感じることはできたので、少なくともあとの学習には確実にプラスになったと(自分では)思っている。
その当時から比べると、Z会の教材も様変わりしたものだ。「こちら側」の人間になってから、Z会の特約書店で教材のサンプルを置いてあるのを何度か見たが、添削問題とセットで送られてくる導入用教材があったり、添削問題の解説書も大判になって内容もかなり読みやすくなっていたりと、いつも「あの自分の苦しみは一体何だったのだろう?」と思ってしまう。
でも、問題が多少易しくなろうが、導入や解説が親切になろうが、変わらず受験生に求められるものはやはりある。・・・国語力だ。この教材の導入にしても「添削問題へのアプローチ」にせよ、難解な内容はあまり見られないものの、少ない紙面・ページ数に結構びっしり書かれているから、読むだけでもけっこうしんどい。が、この教材に取り組む皆さんは、ただ単に問題を解くだけでなく、こういった部分にもきちんと意識を向け、問題を解くための言わば「基礎体力」を養ってもらいたい。