「(年度版)センター試験 過去問 予備校講師はこう解く! 数学T・A・U・B(旺文社)」
徒然レビュー
問題文のページに書き込まれた解説が特徴のセンター過去問集
「(年度版)センター試験 過去問 予備校講師はこう解く!」数学T・A・U・B(旺文社)
3年分のセンター試験過去問を手書きで詳しく解説した、マーク式特有の解法や周辺事項に強い過去問集で、1年ごとに1年分の内容が差し替えられて発売される年度版。問題量は赤本に比べて少ないが、その分解説の密度は濃い。いっとき、収録年数ばかり競っていた感のあった過去問集にも最近になってさまざまな新機軸が打ち出されるようになったが、その1つと位置付けたい。
タイトルの「予備校講師は」に惹かれ、何か「スゴイ!」と感動させてくれる解法満載の構成を期待してしまうが、内容はあくまで問題の並びを崩さずに全問を扱っている過去問集(予備校のセンター試験対策講座なら講師が授業向きの問題を選んでテキストを作ったりもするが、そういったものとは根本的に違うので注意したい)。図形の問題で図を何度か描き直すなど解説に工夫を凝らしやすいT・A分野に比べ、U・B分野ではどちらかというとオーソドックスな解法が中心という印象を受けるが、不親切さは感じない。
気になったのは解説部分の紙面構成と配色。とくに配色については、問題文の再録以外はすべて朱色1色で、しかもあまり目に良い色でないのが残念である。計算以外に、問題文を読むうえでのポイントや周辺事項の解説、はたまたマーク式特有の解法までページの隙間にびっしり書かれている、この「読ませる」部分がウリであるが、それらがすべて同じ色で書かれているから、どの部分が何なのか分かりづらい。一部、囲みや仕切り線で区切っているところなどもあるが、ページにより書式の使い方・印象がガラッと変わるところがあり、読み手が紙面構成に慣れるのに苦労しそうである。
旺文社というと「お堅い」イメージがあるが、こと紙面構成に関して「引き出し」が少ないと感じているのは筆者だけだろうか。その中で、こういったシリーズを出したという姿勢自体も評価されるべきだが、今後もっと完成度の高いものも求めていきたい。
【リンク】
※左からそれぞれ10年受験用、09年受験用へのリンクです。
※08年6月19日執筆分に加筆修正
【余談】
手書きの解説(解答)といえば、以前「くろ田のセンター」の名前で発売され、今は再編集されている「マーク式基礎問題集 試験場であわてない数学T・A(/U・B)」(河合出版)を思い出す。
また、解説で使われている朱色については、「東大合格生のノートは〜」等で近年ブームとなっている、いわゆるノート本でも「見づらいので使わない方がよい」と指摘しているものがある。