「大学受験数学 必須!センター対策 奇跡の逆転!数学2・B(ごま書房)」
徒然レビュー
塾で使ったプリントそのまま?著者の指導理論に内容が伴っていない
「大学受験数学 必須!センター対策 奇跡の逆転!数学2・B」(ごま書房)
いかに著者が素晴らしくても、本というものを通してしか接することのできない相手にはそれが伝わらない。その典型的な本かも知れない。
メモ程度の基本事項のまとめと、教科書レベルの問題の解法をただズラズラ並べ、それをもっともらしいことを書いた前書きと後書きではさんだだけ。著者が切り口にしようとしている所は何となく分からないでもないが、それらをもう少しきちんと形にしてもらいたい。
紙面も、ひと昔もふた昔も前のワープロソフトで作られたような感じで、稚拙さを感じる。特に対数の公式の導き方の部分などは非常に見づらい。そのあたりをきっちりしたうえで、社会人・一般人向けや、文系学部の大学1回生向けと銘打っておけばそこそこ売れたかも知れないが、大学受験向けの、それも類書の多い「センター対策」の本として売り出すのは自殺行為以外の何物でもない。
ただ、ひとつ弁護しておくと、この本を読み、載っている問題に取り組みながら著者から直接指導を受ければ、それなりに力はつくに違いない。欲する前から大量の知識を詰め込まれ、使いこなせないテクニックばかり見せられてうんざりしている生徒さんが最後に頼りにするのは、案外こういったシンプルな教材(と情熱にあふれた指導者)かも知れない。