ojisanは電子カルテのお世話もしているので世界を0と1で強引に近似させるのあほくささにうんざりしていたが、電子やさんも同じ気持ちだったらしい。
(デジタル構造のフラクタル性から必然的に結びつかざるを得ない手続き型電子化リレー計算機のあほばかまぬけ、のおかげで医療はクリックーキーボード地獄! OSの基盤がおかねの資本主義のかねかね地獄とおんなじよ。)
ひょっとすると大化けするかもね。
核心部は「通過した電荷量の総体(合計)を記憶する素子。マイナス方向5つとプラス方向2つで計ー3が記憶される。」
(これはシナプスに入った情報の保持形態と似ていることが最近わかってきた。神経細胞は自分につながっている神経端末のあいだで「世論集計」しているわけ。自発的な発火時の調整もしているかもね。)
それからの連想ゲームで、「フォンノイマンとチューリングの呪縛からの開放!!!」、となるのかならないのか。
HP研、第4の回路素子『memristor』を初めて実際に作成

<引用開始>
2008年5月 1日
17基のmemristorが一列に並んだ単純な電子回路の原子間力顕微鏡画像。それぞれのmemristorは幅50nm(原子150個分)のワイアーで接続されている。
Image courtesy of J. J. Yang, HP Labs.
HP研究所の研究チームが、重要な新しい電子部品の、初めての実際に稼働する試作品を作った。この部品が実用化されれば、瞬時に起動する「インスタント・オン」PCや、人間の脳のように情報を処理するアナログ・コンピューターの開発につながる可能性がある。
新しい部品は、『memristor』(memory resistor、記憶抵抗)と呼ばれている。memristorはこれまで、[カリフォルニア大学バークレー校の]Leon Chua氏が書いた一連の数学方程式の中で理論的に説明されただけのものだった。
Chua氏は1971年当時、非線形回路の研究を行なう工学部の学生だった。Chua氏は、memristorが存在するはずだと考え、実際に、その特性や働きの概要を正確に説明すらしていた。残念ながら、Chua氏も、工学界の他の研究者も、Chua氏の数式と一致する物理的現象を見つけだすことができなかった。
それから37年後、HP研究所の研究チームがついに、実際に機能するmemristorを開発し、コンデンサー、抵抗器、インダクター(誘導子)という有名な3つの構成要素から成る電子回路に、4番目の構成要素を加えた。
研究チームは今回の発見によって、瞬時に起動するPCや、もっとエネルギー効率が高いコンピューター、人間の脳と同じように情報を処理して関連付ける新しいアナログ・コンピューターへの道が開けると確信している。
memristorを製作したHP研究所の、情報・量子系研究チームに属する4人の研究者の1人、R. Stanley Williams氏によると、memristorの最も興味深い特徴は、内部を流れる電荷の量を記憶することだという。
Chua氏のもともとのアイディアは、
memristorの抵抗は、内部を流れる電荷の量に依存するというものだった。つまり、一方向に電荷を流すことで、抵抗が増す。反対方向に電荷を流せば、抵抗は減る。簡単に言えば、任意の時点のmemristorの抵抗は、機器のそれまでの状態――どれだけの電荷がどの方向に流れたか――の関数だというのだ。
単純な発想だが、今回これが証明されたので、コンピューティングとコンピューター科学に計り知れない影響を与えるだろう。
「今回の発見がどのような形で生かされるかについては、われわれの誰にもまだ想像できないことがある。だが、われわれに想像できることはかなりすばらしいものだ」とWilliams氏は語る。
Williams氏の話では、memristorは、たとえばデジタル式スイッチとして利用したり、新しいタイプのアナログ機器を開発するのに利用したりできるという。
デジタル式スイッチについては、科学者らは、コンピューターの電源を切った時点での出力状態を記憶する、新しいタイプの不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)やメモリチップの開発を検討できるとしていえる。
電源が入っている間しかデータを記憶できない点が、現在のダイナミックRAMの大きな問題点だ、とWilliams氏は指摘する。「PCの電源を切ると、DRAMが記憶したデータは消える。だから、次に電源を入れたときに、コンピューターを起動するのに必要なすべてのデータがハードディスクから DRAMにロードされるのを座って待っていなければならない」
不揮発性RAMなら、こうした処理が瞬時に行なわれ、PCは電源が入っていたときと同じ状態になる。
研究チームは、memristorをアナログ機器として利用する回路の開発も計画している。
Chua氏本人も、自身が予想するmemristorの特性と、脳のシナプスに関して知られている特徴の間には類似性があると指摘していた。Chua氏は、memristorを利用すれば、おそらくある種のニューロン・コンピューティングを実現できると提案している。
HP研究所は、実際、これは非常にすばらしいアイデアだと考えている。
「0と1の二進言語を用いず、基本的に0と1の間に存在するすべての要素を利用するアナログ・コンピューターの開発は、われわれがすでに取り組んでいる研究の1つだ」とWilliams氏は明かす。
このアナログ・コンピューターは、決定を下したり、2つの物の大きさを判断したり、さらには学習したりといった、デジタル・コンピューターが苦手とすることをできる可能性がある。
現在、多くの研究者が、標準的なデジタル・マシン上で、脳の働きをシミュレートするコンピューター・コードを作成しようとしているが、脳のごく1部を真似るだけでも、処理能力が非常に大きい巨大なマシンを使用しなければならない。
Williams氏らの研究チームによると、これからは違ったアプローチを採ることができるという。「実際にわれわれは、脳をシミュレートしたり、脳の一部の働きをシミュレートするためにコンピューター・プログラムを作成する代わりに、memristorを利用して、脳に似た働きをするハードウェアを開発することを検討している」とWilliams氏。
原則としてこの方法のほうが、デジタル・コンピューター上でプログラムを起動するよりもはるかに効率が良いはずだ。こうしたハードウェアは、顔認識技術のような技術を向上したり、マシンが経験から実際に学べるようにしたりするのに利用できるという。
HP研究所の研究チームの発見は、4月30日号の『Nature』誌に掲載される論文で発表される。
現在市販されている機器にmemristorが実際に使用される時期については、技術面よりもビジネス面での制約が大きい、とWilliams氏は指摘する。
結局のところ、問題は、memristor回路の開発にかかる時間と努力に関係してくるという。「回路設計に必要な資金は、製造工場の建設費よりもはるかに多額だ。実際、製造工場でこういったものを今すぐ生産することは可能だが、誰かが回路の設計を行なわなければならないし、今のところ、 memristorモデルは存在しない。必要なツールをコミュニティーに投入して、memristorの特定用途を見つけることが重要だ。こういったことにどのくらい時間がかかるかは、技術上の決定というよりはビジネス上の決定だ」
[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/合原弘子]
WIRED NEWS 原文(English)
<引用終わり>