2014/7/19

カテナッチオ・ローゼンガルテンスピッツェ  ドロミテ

クリックすると元のサイズで表示します
ちょうど日差しの当たっている壁が、カテナッチオ東壁です


ブログ更新が遅れまして、申し訳ありません。

帰国後すぐの仕事もありますが・・・

なにせ天候不順なヨーロッパで1か月、ほとんど青空を見ることなく過ごしていたので、日本の雲一つ無い青空を見ると、どうも落ち着かない。

あちらからフライトすると、全く昼夜逆の時差ボケで、家で何かしていると眠くてたまらないのもあります。

通常なら1週間以上も昼間は眠くてたまらない状況の続くのがお蔭様で、今回は数日で夜も爆睡できるようになりました。

仕事の運転中に、意識が飛んでしまっては・・・マズイですからね。。。



クリックすると元のサイズで表示します
ムム?このカテナッチオ出発の朝も、寒気の雲が?


この夏は、これで気温が上がれば雷雨の繰り返し・・・イヤイヤ予報の的中率は高いから大丈夫、ダイジョウブ(?)



概要を申しますと、

クリックすると元のサイズで表示します
カテナッチオ東壁 スティゲール

(基本的に石灰岩の壁は、傾斜の比較的緩く水の流れる黒いセクションは硬く、黄色いセクションは被り気味のため水には濡れず脆い)


この辺りはオーストリア領だった時期もあり、別名「ローゼンガルテンスピッツェ」

ルート名ともなる、初登者のスティゲールさん(と読む?)の名前からしてもドイツ系。

驚かされるのは、これが1929年初登だということ。

ピトンすらマトモなものが無かったであろう、100年も近い時代に、Y級ルートを開拓するのは、想像を絶するな困難を伴ったことだろう。

現代の道具や技術を伴ってなお、決して易しくはないこのルート。

登ってみたことによって、改めて、先人の偉業に対する敬服の念を覚える。


英語版クラシックルート図集によれば

全長600m 18ピッチ グレードY− 

6級2ピッチ他4級以上が8ピッチと、半分以上のセクションは、垂壁前後の傾斜となる。

ちなみに、この英語版(絶版?)トポのコースタイムは、あくまで参考にとどめたほうが良いでしょう。

初見では、アプローチも下山も含め、コースタイムでこなすには、無理のあることをお忘れなく。
そして、グレードもドロミテでは二つ以上はずれていると思って間違いありません。

トポの欲しい方はVajolet小屋のサイトのものが、より正確です。
http://www.rifugiovajolet.com/eng/index.html


クリックすると元のサイズで表示します
壁中央の、顕著な2本のクラックがルートです


クリックすると元のサイズで表示します
この壁に、小屋泊まりの3パーティーが取り付き、同じバスに乗っていたカップルも、やはりこちらへ向かっている(本来は、小屋に泊まって早朝に取り付くべきルートです)

イタリア人はとかく賑やかだが、コール以外にもとにかく大声で怒鳴りあってるオジさんたちもいて、この二人だけで3パーティー分くらいは喋ってる。

「マルコー!ロープ上げてくれ!」「マルコー!登っていいのかい?」「マルコー!これ、どうやって登るんだよ!」てな、感じの、会話かと・・・思われる。


クリックすると元のサイズで表示します
3ピッチ目Y−(体感5.10b)30m(上の点が私です)


クリックすると元のサイズで表示します
アップにして撮ってもらうと・・・こんな感じ
(かぶり気味傾斜のため、やや脆い)


クリックすると元のサイズで表示します
5ピッチ目?のW(体感5.9)50mか?(コチラは硬い)


クリックすると元のサイズで表示します
8ピッチ目あたりのランペ


クリックすると元のサイズで表示します
10ピッチ目くらいまでは、先行パーティーがよく行き詰まって、後ろのカップルの元気いっぱいなアンちゃんに突き上げられ、間の私たちは常にサンドイッチだった


が、緩傾斜帯で何処でも登れそうなのが災い。

みんな何処かへ行ってしまう。

先行はずっと左に出てしまい、完全にコースアウト。残置が無いらしく、私たちの足元のザレ場で、必死にハーケンを打っている。新ルート開拓か?

兄ちゃんたちは、遥か右で、なかなかに難しそうなとこで難儀している。

「チョックストーンのある、本モノルートはここだよぉ〜みんな?」

私はこの10ピッチ目W+の50mを、その前後のピッチから同時登攀しつつロープ引っ張りながら延々動いた辺りから、いよいよ疲れが出てくる。

が、しかしまだ、X+以上(現実的なグレードで5.10以上)のピッチがまだ数ピッチ出てくるのだから、あとは気合だ。


クリックすると元のサイズで表示します
12ピッチ目35mのチョックストーンを足元に見ながら、フォローする

こんな巨大な岩が挟まってるって?どういうこと?


クリックすると元のサイズで表示します
13ピッチ目50mWをリードする私


クリックすると元のサイズで表示します
U・V級でも、逆に残置は無いから慎重にカムを決めながら・・・

既に気力の16ピッチ目


クリックすると元のサイズで表示します
後続カップル見るとこの壁・・・

「傾斜立ってるように見える」じゃなくって「立って」ます。



最後の核心部前で、取り付きでは遥か数ピッチは上に居たはずの騒々しいオジサン達が、未だスタックしていて動かない。

ここで待っていたら、アンちゃんたちも追いつき、3パーティーが団子となる。

ちなみに、同じくすぐ前にいたはずの先行していた新規開拓中?の、オジサンたちは、何処かへ行ってしまった。

結局は左ルートのファンタジア寄りに出たらしい。
(見た感じ酷いガレ場で・・全然ファンタジーではない)


クリックすると元のサイズで表示します
ラスト2ピッチ!17ピッチ目 X+(現実的なグレード5.10程度)35m(ロープ重っ!!)


クリックすると元のサイズで表示します
頭上では、「マルコォーッ!ロープ引いてくれっマルコォーッ!」

と、おじさんが吠えている。

(おっチャン・・・頼むから、私の上にだけは、落ちてこないでね。。)

そのフェイスでカチ持ちしてる私としては、戦々恐々である。


クリックすると元のサイズで表示します
その17ピッチ目を、登って来るアンちゃん


クリックすると元のサイズで表示します
このチムニーは濡れているらしく、もがくオッチャン、チムニー下部でセカンドのビレイする私は、ガンガン落石くらう

「イッタ〜イ・・」「おぅ!ゴメンよ!」

いやいや・・・まだまだイッパイ落としてるし。。頼むヨおっチャン。


クリックすると元のサイズで表示します
おっチャンのお尻の下で、待機するラストピッチ久野と、やはり待機するアンちゃん


クリックすると元のサイズで表示します
17ピッチ目をフォローする、アンちゃんの彼女ジュディ
(コールでお互いの名は自然に覚える)


此処だけで1時間くらいは、私たち4人で待っていただろう。


クリックすると元のサイズで表示します
チムニー抜けたらしばらく岩稜辿って、遂に山頂


クリックすると元のサイズで表示します
しかし、まだ、これからが核心のドロミテクライミング・・・

(おっチャンたち、あんなトコに発見!)


クリックすると元のサイズで表示します
登っているのではアリマセン
(後方は稜線上ラペルポイントの若い二人)


あくまで、クライムダウン中。コケたらお終いです。


クリックすると元のサイズで表示します
20、50、50mという、稜線からのラペルポイント到着

(おっチャン・・ロープ絡んでるよ。。)


「じゃ、こっちのロープね」

(いやいや、また絡まってるし)


仕方ないからみんなで解く。

(ナンだっていいからっ降りてくれっ!)


クリックすると元のサイズで表示します
地上のサンタニアパスが見えてるのに・・・一向に降りられない


クリックすると元のサイズで表示します
日が暮れるから!


地上の残雪上に立ったのは、闇の中。


若い二人は真っ暗なトレイルを駆け下っていく。

下の街に車を置いてきたという二人を、「送って行くよ」と言った手前、私たちまで駆け下る。

サンタナパスの避難小屋前を降りて、灯の燈ったアルベルト小屋前が見えてくる。

残雪が多くトレイルが埋まっていて、闇の中では踏み跡が探しにくい。

小屋に泊まるオジサン達の横を駆け抜け、更にバジョレ小屋を通過してデポ品を其々ピックアップして、次なるガルダチア小屋へ。


当然ながら最終バス19;00も、小屋関係者の車さえ、もう走ってはいない舗装路を、最後は延々歩いていく。

始めのうちは饒舌だったジュディも、バス道の長さに口数が無くなってきた。

何処かの小屋に泊まりたいでもなかったが、前もって翌日さえ宿泊が取れないのは確認済み。

無理に泊めてもらう緊急事態でも無いし、でも足は痛いし。

モンチョンの灯が漸く谷の先に見えだしたころには、流石に皆無言だった。



車に着いたのは0時半。

おっチャン待ち以外には、壁の中だとテラスの無い傾斜だっただけに、休憩らしい休憩もないままに動いた16時間行動。

モンチョンの集落から、ペラの街に車のある彼らを送ってから、キャンプ場に戻ってインスタントラーメンだけすすり、あとはシェラフへ潜り込む。


翌朝は、体中が痛かった。。

40過ぎて、歳が半分くらいの若いモンと、同じことするものじゃぁ・・ないですなぁ。







※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ