雨で1日順延となった選抜大会決勝は、24日、グラウンド整備のため、予定より30分遅れの9時30分から開始された。
厚木商業 000 010 2 3
須磨ノ浦 000 000 0 0
■先攻・厚木商業:6滝沢彩、4杉山亜理紗、8内田はるか、5田中梢子、3新崎涼子、DP末吉かほり、2梅川真莉奈、7松浦さつき、9清水沙羅 DEFO・1重藤恵理佳
■後攻・須磨ノ浦:8狩野香寿美、6森田涼、2竹林綾香、4小野真希、5川原若奈、3林舞乃、DP李優沙、1高村唯、7木村光里 DEFO9千葉美沙子
(2回表の途中から見ていたのですが、カメラを撮りながらなので、少し間違いがあるかもしれません。ご了承ください。)
先発は両チームともエースが登板。ここまで無失点の厚商・重藤(2年・168p)と、1試合めの完全試合をはじめここまで同じく無失点の高村(2年・166p)の投げ合いで、なかなか点の入らない展開となった。
2回裏、先頭の小野はファウルフライ。川原(写真下)がレフト前ヒットで出塁したが、その後はバントが2塁アウトにされるなど、後が続かず。
3回表、滝沢がサードゴロ。杉山(写真下)はレフト前にヒットで出たが、盗塁をさされてアウト。
3回裏の須磨ノ裏は、三者凡退。
4回表、2死から末吉がレフト前ヒット(写真下)。梅川がデッドボールで1-2塁。続く松浦のあたりは、センター前ヒットかと思ったが、センターの狩野が猛ダッシュでナイスキャッチ。須磨ノ浦がピンチをしのぐ。
須磨ノ浦の高村投手。連投の疲れを気力と若さで乗り切り、ひたむきに力投。
4回裏、森田が内野ゴロ、竹林はレフト前にヒットを打ったが、小野三振の後、盗塁失敗でアウト。
5回表、この回先頭打者の清水が初球を思い切りよく叩くと打球は二遊間を抜けてヒットに。滝沢のバントは勢いがつきすぎて、ピッチャーが2塁へ投げてアウト。(写真は清水)
杉山のゴロの間に、滝沢は2塁へ。内田はデッドボール。2死1-2塁で、4番田中のバットに期待がかかる。厚商、利根川監督が田中に何かを指示。すると打席に戻った田中が豪快にレフト方向へタイムリーヒット。
2塁から滝沢が一気にホームイン。均衡状態が破れ、厚商に待望の先制点の1点が入る。厚商ベンチ、応援団は大騒ぎ!
須磨ノ浦の池田監督は、「絶対にあきらめるな!」と強い口調で選手にゲキを飛ばす。まだあと3回、攻撃のチャンスは十分にあるのだ!
しかし、リキむ須磨ノ浦の選手たちを、ひょうひょうとかわすかのように、重藤投手のピッチングが冴え、5回裏はファーストゴロ、ショートゴロ、三振でチェンジ。
6回表、末吉はレフトフライ、梅川はショートゴロ。必死に守り、1点を追う須磨ノ浦。ファーストの森田(写真)が大きな声で捕球。
8番松浦が左中間へヒット性のあたりを放つも、センター狩野が俊足をフルに生かしてダイビングキャッチ。この日2つめのファインプレーで会場を沸かす。
狩野の好プレーで流れを引き寄せたい須磨ノ浦。まだ1点差だ、追いついて行こう!守って、守って、みんなでがんばろう!
だが攻撃の糸口はなかなか見つからない。6回裏、高村は三振、木村がセカンドゴロで2死に。打順はトップにかえって狩野。狩野がセーフティバントを決め、ファーストへ。送球が少しそれて間に合わず、グラブがポロリ。写真は狩野の足が優った瞬間。しかし、その後2塁へは進めず。
7回表。清水がセカンドフライに倒れた後、1番打者、主将の滝沢が左中間へのヒット。2番杉山の絶妙なバントはオールセーフとなり、ワンアウト1-2塁。内田がセンターフライで2死となったが、バッターは今日1打点をあげ、のっている4番田中。
躊躇なく振り切られたバットから放たれたボールは、打った瞬間に、ホームラン!?と思わせるほどの見事な当たり!
「白の革ボールだったら、レフトの柵を越えていたかもしれませんね。ゴムボールは最後に失速するんですよ」と某誌編集長に後でうかがったが、本当に放物線的にはホームランだと思うレフトオーバー・タイムリー2塁打であった。厚木商業に、大きな2点が加えられた。
田中は、準々決勝の多治見西戦では、決勝点となる1点につながるセンター前ヒットでホームに還り、準決勝の常葉学園菊川戦では、先制点となる3打点を、タイムリーレフトオーバーの2塁打+エラーで獲得した。4番の重責を文句なく果たした田中は、塁上で喜びが押さえきれずにピースを連発!
7回裏。須磨ノ浦は上位打線の2番から。どうしても塁に出たいと、重藤をにらみつけて構える森田は、セーフティバントを試みてころがすが、サードゴロとなって1アウト。
マウンド上の重藤は、緊張を緩めず、サイン通りに投げ込む。3番竹林、4番小野という最強打者を迎えて、勝負に行く。竹林は三振。そして小野への最後の1球は、高めのボール球だったが、ふらされてしまい、三振で試合終了。ボールがミットに収まった瞬間、重藤が吼えた!
ベンチからいっせいにグラウンドに駆け寄る厚木商業の選手たち。
応援席も燃えた!
グラウンドはよく見ると、少し柔らかい状態だった。もしかしたら、選手は全力で投げ、走るのはこわごわだったかもしれない。ただ、試合ができてよかった。そんな喜びにあふれているように、両チームともひたむきなプレーを見せてくれた。
3/5に厚木商業対レオパレスの試合を見て以来、1度学校にもおじゃまさせていただいて、厚木商業の選手の顔を覚えた。今回の選抜は私が初めて見た高校生の大会であったが、厚木商業の試合を4試合見せていただいた。
レオパレス戦のころより、守備に落ち着きが見られ、また大会では1戦ごとにチーム力が向上して行っているように感じた。
田中選手がMVPを獲得し、目立った活躍を見せたが、過去の厚木商業のチームに比べると、選手個々の力はそれほど突出していてわけではないという人が少なくなかった。それでも、伝統的強豪校の持つ強さ、大きな大会で上位に勝ち進むほど、大会中にチームが急成長し、一人ひとりが自信を強めて行くことのできる力がこのチームにはあるのではないか。
優れたピッチャーを擁するチームからは、ワンチャンスに確実に1点をもぎとった。昨年は同じ大会の決勝で敗れた厚木商業が、1年前のリベンジを果たした。チームとしては、この大会は3年ぶりの優勝。そう山田恵里、西山麗らが2年生のとき以来の優勝だ。
「チームワークでもぎとった優勝」といわれた2005年の閉会式。
選手たちの背中が、誇らしげに、大きく見えた。

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