3位決定戦。西京極2日めの第一試合の敗者は、そのまま3位となる。
今年の対戦カードは「レオパレス21vs日立&ルネサス高崎」。
リーグではレオパレスが2勝しているが、いずれもタイブレーカーにもつれこ
んでの接戦だ。白いボールを使用する全日本総合選手権では、日立&ルネ
サス高崎がレオパレスに勝っている。
試合前、名前を呼ばれた選手がグラウンドに走っていくとき、ルネサスは
ベンチ前で宇津木妙子総監督、キャプテン柳川直子、宇津木麗華監督の
3人ハイタッチして飛び出していく。それがこのチームの儀式なのだ。
写真は「英都巴、頼むぞ」と妙子総監督が気を送っているところ。
試合前、レオパレスの藤原監督はデイルの背後で、通訳の方とともに投球
練習を見つめる。昨日の織機戦では中盤で崩れてしまったデイル。
「今日は頼むぞ、しっかりな」。連投のエースを気遣う監督だった。
上野の投球練習をキャッチャーの傍らで眺めるのが宇津木麗華監督流。
マウンドの上野を見つめ、乾のキャッチャーミットに快音とともにおさ
まるボールの行方を目で追う。
試合はリーグ戦のときと同様に白熱し、0-0のままタイブレーカーへ。
8回表にルネサスは無得点。その裏、パスボールで無死3塁というピンチ
を背負った上野は、小野、河野を歩かせて無死満塁にした後、薮内、
佐藤由希を内野ゴロに打ち取り、いずれもホースアウトにして、
2死まで追い込んだ。写真はホームへ突っ込んできた小野を乾がブロック。
観客席もグラウンドも、息ができないような緊張感に包まれ、
上野の”絶体絶命ショー”を食い入るように見つめていた。
2死満塁でバッターは渡邊潤子。無死3塁からついに5人目となる打者。
2死になった瞬間、「ヒットが出なければ、ルネサスが守り勝つ」という
それまでとは違った空気に。
守っているルネサスにほんの少しの安堵感がみられた気がした。
攻めるほうは4回のさよならのチャンスをつぶされ、渡邊のバットに
期待するしかない状況に。
ベンチ前に立っていた選手たちは、思わず祈るように手を握り合わせた。
上野が投げた3球めのチェンジアップに反応し、咄嗟にバットを当てた
渡邊の打球は、ゆるゆるとした不思議な速度で1-2塁間を抜けて、ライト前へ。
ときが一瞬止まったかのように、会場中の人の目がその打球をぼんやりと
追う。河野が両手をいっぱいに拡げて歓喜を表しながら、ホームを
駆け抜けた。レオパレスのベンチからわっと声があがったのを聞いたとき、
そこにいたすべての人がようやく、勝利を実感した。
ルネサスのリーグ3連覇の夢が断たれた瞬間でもあった。
ファーストベースを踏んだ渡邊が、コーチャーズボックスにいた白井と
抱き合った。「私たち勝ったんだね」
殊勲打を放った渡邊が、今季ベストナインに輝いた白井が、みなの待つ
ところへとうれしそうに走っていく。
4年前の大徳時代には、初日に負けて1勝もできなかった。渡邊にとって
初めての西京極の1勝。チーム全員の力で勝ち取ったことが何よりうれしかった。
「さぁ次は、織機に昨日のリベンジだ。この勢いで決勝も行くぞ!」
レオパレス21の選手たちに、闘志がみなぎった。

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