2月3日のAKASO。
いつも思うけど、ここ、やっぱりいい音してるよな。歌ってると自分に酔ってしまいそうだ。そして島田君のグランドピアノの心地よい音。
このでかいホールで今回も二人。もう何年も、何度も立ったこのステージ。でもなんかこのホールが、このステージが小さく感じる。なんでやろう?
リハーサルでPAの岩井君。
「島田さんのピアノ、ええ音やな〜。めっちゃ気持ちええっすわ」
「ほんまや。ギターいらんやん」
「本番でたがみさんのギター、全部オフっときましょうか?ははは」
「まかせるわ、実は俺もあんまり弾きたくないんや」
ピアノが歌う。ピアノの音の広がりと奥深さ。ある時は静かな潮の満ち干きのように、ある時はポツポツと落ちてくる雨音のように。そして時には懐かしいタバコの匂いやストレートのバーボンの香りを感じさせる。
今までピアノとやったことがなかったのでわからなかったけど、島田君と何回かやってるうちになんとなく感じてきた。ピアノって景色を想像させ、映し出す楽器なんだ。ピアノが歌っている。生きている。
ヴォーカル。風景を感じさせる歌い方。その場面を感じさせる歌い方。歌も一緒だ。歌も生きている。うまく言えないけど、もうひとつ少し前に進めたかもしれない。島田君のピアノが引き出してくれているのかもしれない。
小川君には一つ一つの言葉を丁寧に力強く歌う事を教えてもらった。島田君にはしなやかに情感をこめて歌う事を教えてもらった。俺は恵まれている。ありがたいことだ。
ライブは佳境に入る。4曲目、ピアノ伴奏だけで歌いきる。島田君のピアノが踊りだす。まだ足らん、もっと歌えと言ってくる。今、俺でしか歌えない歌を歌えと言ってくる。なんなんや、これは?枠にはまらない、台本にない演奏。アドリブ。
満潮時の大潮のように感情が高まってくる。いつもは出ない声が出る。俺の声質とピアノの音の相性。混ざり方。かぶせてくる島田君のハイトーンの絶妙なコーラス。そして大潮がピアノの単音と共に静かに引いていく。
「たがみさんの声はピアノに合ってますよ」
「俺もなんかそんな感じがしてきましたよ」
「たがみさんの声は倍音が出てるんですよ。だから聴いてる人が気持ちいいんですよ」
「え?そうなんですか。自分では全然わからんけど」
「もっと自由に、とにかく気持ちよくやりましょう」
「そうですね。でもそれが一番難しかったりして」
その域に達するにはもっと勉強。只今いろんな事を勉強中。まだまだ進化できそうだ。好きだから続けられる。しんどさも楽しいから頑張れる。いろんな人と出会い、影響を受けて、勉強させてもらってきた。
長いこと歩いてきた。ボロボロになっても、ヨボヨボになってもまだ歩いている。でもいつもがスタート。今からがまたスタート。今からまた勉強。6月に向けてバンドも動き出す。次は聴かせるバンド。終わりのない旅はまだまだ続く。

4