2017/7/11

シークエンス  

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今年前半において建築関係の本の中で一番、個人的には。


入口から挑戦的である、今はやりのいわゆる現代建築(家)に対して。
『人間と同様に、レベルの高い建築であればあるほど、自己主張がなく、総じて控えめである…』
もしこの言葉を読んで自分の「作品」について振り返って反省するところがない「建築家」がいたとしたら、それは自分が見えていないか、すでに資本主義の中で棹差す追従者に成り下がっているということでしかない。


「取扱い説明書」と題された序文に書かれた次の言葉たちを読むだけでもいいのかもしれない。あとはその例証でしかないとも。

『長い時間、建築をそれぞれの時代に根拠づけてきた「様式」が喪失し…「世界モデル」が浮かび上がった。
 …「世界モデル」とは、…人類が頼りにしてきた決定的ななにかが失われてしまった結果、…やむにやまれず、物質と人間とのあいだにいわば対等な応答関係が起こったその痕跡であり、実証結果ではなかっただろうか。』

しかし例証でしかないのが建築物であるとすれば、私たちはそのマテリアルの結晶に触れることでしかその「実証」を得られないというのがまた逆説的な真実である。そしてその実証を経験して自分に絶望するしか、新たなその先はないのだろう。


第一章でシザについて語りながら、そこに「じつはロースを起源とするもう一つの近代建築史があったんじゃないか」という叙述が入り込んでくる。コルビジェ、ミースの英米主観な近代建築史に対し、ドイツという敗戦国にあった失われた近代建築史について。
それはまた、ロースとかフランクフルトキッチンとかをなぞりつつ薄明の中、もう一つの近代建築の流れがあったのではないかという考察を、他者の文章に読むという共有的な出会いでもあった。

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2017/7/10

アルジャジーラ  





『カタールと断交したサウジアラビア、アラブ首長国連邦、エジプト、バーレーンがカタールに要求した13項目の中に衛生放送局アルジャジーラの閉鎖が盛り込まれていた。
 サウジアラビアは世界報道自由度ランキング180か国の中で168位、アラブ首長国連邦119位、エジプト161位、バーレーン164位とそれぞれあまり高くない位置にランキングされている。この4か国にも視聴者を持つアルジャジーラが1996年に報道の自由を謳ってカタールに登場したのである。
 報道の自由の少ないアラブ諸国でアルジャジーラが産声を上げた時から問題を引き起こす放送局になるというのは自明のことであった。
 アルジャジーラがカタールで登場した1996年に、サウジアラビアでアルジャジーラと同様の主旨をもってBBC Arabicが誕生した。しかし、報道に自由度の欠けるサウジアラビアでは誕生から2年後にサウジ政府の圧力もあって閉鎖を余儀なくさせられた。
 そこで、アルジャジーラはBBC Arabicで活躍していたタレントのあるジャーナリストを早速雇用したのである。その為の資金はカタール政府から出た。この時点からアルジャジーラは飛躍して行くのである。
◆アルジャジーラ飛躍の3つのきっかけ
 アルジャジーラが世界レベルで注目を集めるようになった出来事には3つある。ひとつは、2001年9月11日に起きたニューヨーク同時多発テロの後、アフガニスタンでアルカーイダのビン・ラデンと会見し、彼らがビデオや情報を唯一提供した相手がアルジャジーラであった。そして、アルジャジーラはそれを常に報道した。この報道の挙に出たことからアルジャジーラはテロリズムを支援していると批難された。
 2つ目には2003年の米国と英国主導によるイラクへの武力介入で、イラク側にも主眼を置く報道も心掛けた。
 3つ目は2010年からアラブ圏に起きた大規模な反政府デモ「アラブの春」であった。特に、エジプトで圧政に不満が溜まっていた若者の声をアルジャジーラは伝えた。それがムバラク政権の崩壊を導いたのであった。それを当初から詳細に報道し続けたのがアルジャジーラであった。
 この崩壊を正当化させるかのように、アルジャジーラのディレクターだったワダ・カンファーは<「当時のエジプトの若者が理想とすることの伝道者としてアルジャジーラは独立した声となったのである」>と述べている。(参照:「La Conexion USA」)
 アラブの春によってエジプト革命を導いたその出来事をアルジャジーラは熱心に報道した。そのお陰で、<視聴率は2500倍に伸びた>という。その一方で、アラブ諸国の王政指導者から見ればアルジャジーラはムスリム同胞団など革命組織に加担していると映り敬遠されるのである。(参照:「Publico」)
 それに輪を掛けるかのように、アルジャジーラの英語放送でスター的な存在のジャーナリストメディ・ハサン(Mehdi Hasan)は<「アラブ首長国連邦とサウジアラビアがイランを批難攻撃することを止めれば、イランは恐らく核武装に走ることはないであろう」>といった発言をしてアラブ諸国の指導者はアルジャジーラの存在を容認しなくなるのである。(参照:「Medium」)
◆サウジやイスラエルが嫌った「イラン擁護」姿勢
 特に、アルジャジーラのアラブ語放送になると、<イランを擁護する姿勢が顕著になり>、サウジアラビアやアラブ首長国連邦はそれを無視できなくなるのである。しかも、アルジャジーラはカタール政府の見解に従うかのように、<ムスリム同胞団やハマスが選挙か革命で権力を握るようになる>という姿勢が同放送のアラブ語の報道に伺えるというのである。(参照:「Medium」、「El Diario」)
 この姿勢を恐れているのはアラブ諸国だけではなく、イスラエルも同様で、ネタニャフ首相はイスラエルでのアルジャジーラのオフィスの閉鎖を検討しているという。しかし、そこに<34人のアラブ系イスラエル人が勤務している>関係から閉鎖を表立てて表明しないようにしているという。一方、<ドイツのナチスに似ているような組織だ>と断言しているのは国防大臣のアヴィグドール・リーベルマンである。(参照:「Iton Gadol」)
 アルジャジーラは中東においてジャーナリズムに調査研究ということを取り入れた初めての放送局である。しかも、問題のある分野の関係者へのインタビューや、タブーとされていることにも取り組んでいる。欧米では報道メディアで常識とされていることが、アラブ諸国では社会の秩序に背くものだとして報道が敬遠されていた。アルジャジーラはそれらの箍を取り除いて報道の自由を全面に訴えたのである。』(ハーバービジネスオンライン7月9日)

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2017/7/9

きんしじょうやく  



Treaty banning nuclear weapons approved at UN



『核兵器の使用や保有などを法的に禁ずる核兵器禁止条約が7日午前(日本時間7日深夜)、米ニューヨークの国連本部での条約交渉会議で採択された。「核なき世界」を長年訴え続けてきた被爆者や条約推進国の関係者らは歓喜に包まれた。しかし、米国など核保有国は批判声明を出して反発、日本政府も同調する。
 この日は交渉会議の最終日で、国連加盟193カ国中124カ国が投票に参加。122カ国が賛成した一方、北大西洋条約機構(NATO)に加わるオランダが反対し、シンガポールが棄権した。採択の直後、会場は拍手と歓声に包まれ、交渉に加わった被爆者や政府代表団らが抱き合うなどして喜び合った。
 中心となって交渉を推し進めたオーストリアのハイノッチ大使は採択後の演説で「被爆者の証言が私たち(推進側)を鼓舞してきた」と感謝を述べ、「この惑星を核兵器のない、より安全な場所にしていきましょう」と呼びかけた。
 カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(85)は最後に発言の機会を与えられ、「(核禁条約採択の)こんな瞬間が来るなんて考えたこともなかった」と述べた後、世界各国に署名を力強く呼びかけると、会場内の外交官らは総立ちになって拍手を送った。
 国連のグテーレス事務総長は「核なき世界という共通の願いに向けた重要な一歩だ」と歓迎する声明を出し、「長く停滞してきた核軍縮の達成に向け、対話と新しい国際協調を促進することを望む」と述べた。
 条約は核兵器の使用、開発、実験、製造、取得、保有、貯蔵、移転などを幅広く禁止。核使用をちらつかせる「脅し」の禁止も盛り込まれた。また、核兵器の使用や実験の影響を受けた人々に医療などの援助を提供することもうたった。
 一方、条約交渉をボイコットした核保有国や同盟国も採択後に反応した。
 米英仏は共同声明で「我々は(核禁条約に)署名も批准もするつもりはない」と宣言した。さらに「安全保障環境の現実を明らかに無視している。(核禁)条約は、70年以上にわたって欧州と北アジアの平和維持の要となってきた核抑止政策と相いれない」と断じて批判した。
 日本の別所浩郎・国連大使は採択後、国連本部内で記者団に「日本が署名することはない。今後も核兵器のない世界をめざし、核保有国と非保有国の信頼関係を構築するため努力する」と米国などに同調する姿勢を示した。日本は「北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」と3月の交渉会議初日に表明し、以降交渉に参加しなかった。
 各国の署名手続きは9月20日に始まる。批准国数が50カ国に達した後、90日をへて発効する。批准しない国には効力が及ばない。だが、条約の推進国側には、核兵器の「非人道性」を強調することで各国の世論を喚起し、核兵器の廃絶を後押しする狙いがある。』(朝日新聞デジタル7月8日)

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2017/7/3

ゆか  

『4月に開館した群馬県の太田市民会館(太田市飯塚町)で、1階ロビー床の全面に複数のひび割れが生じていたことが29日、分かった。市と設計者、施工者の3者で協議し補修したものの、ひびの跡は残ったまま。ひび割れの可能性は設計段階で指摘されていたといい、芸術文化活動の新たな拠点として整備しただけに、見通しの甘さが指摘されそうだ。
◎「鏡面仕上げ」後にコンクリート収縮 原因か
 同館は4階建てで、延べ床面積約8500平方メートル。総工費は約67億円。
 市によると、ひびが生じたのは約350平方メートルのロビー床全体。打設後にコンクリートが収縮したことによるものとみられる。設計段階で東京都内の設計事務所が床に目地のない「鏡面仕上げ」を提案したため、市と施工業者は収縮によるひび割れを懸念。ひび割れ対策を講じるよう求めたが、最終的には当初の設計通りに進めることで3者が合意した。
 完成直後から小さなひびがあり、次第に広がったため、4月末に補修作業を始めた。3者で協議し、市側の補修費用の負担はない。
 同館は7月の本格オープンを前に、チケット販売などの一部業務を始めており、来館者からもひびを指摘する声があった。
 市は、補修の理由を「収縮による細かいひびは想定していたが、歩くと割れ目が広がってしまう状況で見過ごせない」と説明。「修復作業で来館者にご迷惑を掛けてしまった」と話した。
 こけら落とし公演は予定通り7月に行い、貸し館業務も同時に開始する。』(上毛新聞6月30日)

『静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)の資料棟2階閲覧室の床に複数のひび割れがあることが3日までに、県教委の調査で分かった。蔵書が設計時の積載荷重を超えた状態が続いたことが主因とみられる。県教委は同日以降、図書館を臨時休館し、蔵書の移動による荷重軽減とともに、床の状態の詳しい調査を行う方針。
 県教委が4〜6月に実施した補強可能性調査で床のひび割れが見つかった。閲覧室の蔵書は20万冊で、設計時の積載荷重の10万冊を大幅に超過し、床に大きな負荷が掛かっている状態という。
 緊急対策として、半地下階の書庫の蔵書を外部保管場所に移した上で、閲覧室の蔵書を書庫に移動する。臨時休館は3〜4カ月程度を想定している。
 県立中央図書館は1969年の建築から48年が経過し、施設の老朽化が著しい。収蔵量は84万5千冊に対して82万冊以上に達し、2022年度には限界になる見通し。県教委は有識者会議を設けて中央図書館の在り方を検討し、県がJR東静岡駅南口の県有地に整備する「文化力の拠点」に図書館機能の一部を移転する方針を示している。』(静岡新聞7月3日)

余談。静岡新聞の記事、とても文筆に携わる者が書いたとは思えない。「設計時の積載荷重の10万冊」もひどいが、「収蔵量は84万5千冊に対して82万冊以上に達し…」に至っては、悪文としか言いようがない。

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2017/6/28

とよす0329−0627  

豊洲より築地がいいこれだけの理由

『東京都の豊洲市場(江東区)をめぐる問題を検討する市場問題プロジェクトチーム(PT)の会合が29日、都庁で開かれ、座長の小島敏郎青山学院大教授が築地市場(中央区)について、500億円程度で改修可能とする試案を提示した。
 PTは今後、赤字経営が見込まれる豊洲市場の改革案も検討。築地再整備と豊洲移転の両案について、5月にも報告書をまとめる方針だ。
 試案では、築地市場の1階を売り場、2階を駐車場として改修。設計期間を1年、工期を6年と想定した。
 ただ、改修工事だけなら500億円で済むが、温度や衛生管理の設備を増強した場合は800億円程度になると試算。また、営業しながらの改修となるため、資材置き場の確保などが課題になるとした。
 一方、豊洲市場を開場した場合に見込まれる年間約27億円の赤字解消策として、小島氏は(1)業者が支払う使用料を値上げする(2)豊洲以外に開設している市場を順次閉め、土地を売却する(3)都税を投入する−という三つの手法を提示。次回以降、具体的に議論する。
 この日は豊洲市場の液状化対策も検討。都がコンクリートなどでできたくいを打ち込んだ結果、震度6強レベルでも液状化する可能性は低いとする判定結果を説明し、おおむね了承された。』(時事ドットコムニュース3月29日) 

『東京都の築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題で、市場問題プロジェクトチーム(PT)座長の小島敏郎氏ら都専門委員は8日、築地市場で関係者に築地改修と豊洲移転の2案を説明した。
 築地改修案では約730億円を投じ、豊洲市場を高層マンションや商業施設用地として4370億円で売却できると試算した。
 売却益は、豊洲整備関連で発行した地方債の返済などに充てる。豊洲市場の解体費用は約150億円を見込む。築地市場は7年かけて段階的に改修。営業しながら工事を進めることは可能だという。
 一方、豊洲移転案の場合、開場後の運営で年間約27億円の赤字が生じるほか、将来的に使用料の値上げや税金投入などを迫られると指摘した。提示した案は、5月にPTがまとめる報告書に反映させる。』(時事通信4月8日)

『東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策を検討する外部有識者の「専門家会議」(平田健正座長)が18日、中央区の築地市場で開かれ、都は4月の地下水モニタリング調査で、30カ所中26カ所から国の環境基準値を超える有害物質が検出されたと報告した。地下水から揮発する有害物質が地下空間に流入するのを防ぐ追加工事の費用を約40億〜95億円と試算していることも明らかにした。
 地下水からはベンゼンが基準値の最大100倍、ヒ素が最大3・4倍検出され、「不検出」が基準のシアンも確認された。前回調査に比べ濃度が上昇した地点もあった。
 都は会合の資料で追加工事について、床面をコンクリートで補強する案と、特殊な遮蔽しゃ(へい)シートで覆う案を示し、費用は維持管理を含めコンクリートが40億〜50億円、シートが85億〜95億円とした。地下水の水位を下げる「地下水管理システム」の機能強化で汚染を浄化することも盛り込んだ。
 ただ、追加工事の審議に入る前に一部の傍聴者が、汚染を環境基準値以下に抑える無害化を巡り「約束をほごにするのか」と声を荒らげたことなどから、会合は途中で打ち切られた。会合後の記者会見で、平田座長は「(追加工事は)盛り土と同程度か、プラスアルファの効果をもたらすはずだ」と強調した。都の担当者も「都として(地下水の)環境基準を目指すスタンスに変わりはない」と述べた。』(毎日新聞5月18日)

『築地市場の移転問題で、豊洲市場の新たな土壌汚染対策案が18日、示された。土壌をコンクリートで覆ったり排水ポンプの機能を強化したりする内容で、同市場の安全性を検証する東京都の専門家会議(座長=平田健正・放送大和歌山学習センター所長)が明らかにした。都の試算では工事費は35億〜80億円で、維持管理費(65年分)は25億〜40億円かかるという。
 豊洲市場の汚染対策費は既に約860億円に上っており、豊洲移転が決まった場合は65年で60億〜120億円が上乗せされることになる。[K]都知事は「無害化」を重視しており、追加対策を含む専門家会議の報告書などを踏まえ移転の可否を判断する方針。
 同会議の資料によると、追加対策として、気化した有害物質が地上の市場に入るのを防ぐため、地下をコンクリートや遮蔽(しゃへい)効果がある特殊シートで覆ったり、換気設備を設けたりする。さらに、地下水の有害物質濃度を下げるため、ポンプを増やすなどして排水能力を向上させる。』(朝日新聞デジタル5月18日)

『18日に開かれた豊洲市場の土壌汚染対策を検証する専門家会議は、築地市場の一部の業者が議論の進め方に反発し、紛糾しました。会議は途中で中断し、議論は次回に持ち越しとなりました。
 出席者:「地下水は奇麗になったのか!」「そういうことなんですよ!」「無理だと分かっていて、何で(豊洲に)行かそう行かそうとするんだ」
 平田健正座長:「無理だということではなくて…」
 専門家会議では、地下水モニタリングの再調査結果などが公表され、その後、今後の具体的な対策について議論されることになっていました。しかし、参加した業者の一部が議論の進め方に反発して会議は紛糾し、結局、議論は次回に持ち越されることになりました。
 [K]知事:「まとまらなかったと聞きました。中途半端じゃいけませんので」
 会議後に会見した平田座長は、次回の日程については未定としています。』(テレビ朝日系5月19日)

『東京都は25日、築地市場(中央区)の土壌調査で、法令の基準値の1.8倍の水銀など、有害物質が30地点で検出されたと発表した。
 都は「コンクリートなどで覆われているので、安全性に問題ない」としている。都は早ければ8月にも、30地点をより深く掘る詳細調査を実施。秋ごろには結果を公表する。
 移転が延期された豊洲市場(江東区)では、地下水から高濃度のベンゼンなど有害物質が検出されている。今回、築地市場でも土壌汚染が判明したことで、[K]知事の移転判断に影響を与えそうだ。
 [K]知事は都庁内で記者団に「(詳細調査を進めて築地の状態を)よく知っていただければ、安心の点でも補強されるのではないか」と語った。
 調査は今月2〜5日に行い、111地点で土壌とガスを採取。土壌を分析した結果、1地点で基準超の水銀、4地点で鉛(基準の最大4.3倍)、20地点でヒ素(同2.8倍)、3地点でフッ素(1.5倍)、6地点で六価クロム(1.4倍)を検出。1地点から複数物質出たケースも含め30地点で基準を超えた。』(時事通信5月25日)

『東京都の豊洲市場(江東区)の安全性を検証する専門家会議が11日、土壌汚染に関する追加対策をまとめた。
 しかし、追加策の決定後に意見交換の場が設定されたことに、傍聴に訪れた築地市場(中央区)の関係者らが反発。「強行採決だ」と怒号が飛び交うなど、大荒れとなった。
 築地から豊洲への移転に反対する市場関係者らは、「こんなやり方はおかしい」などと主張。取りまとめの撤回を求める声が相次いだが、平田健正座長は「専門家会議での結論なので変更はできない」と応じず、この日の会合を閉じた。』(時事通信6月11日)

『築地市場の豊洲移転をめぐる問題で、豊洲市場の新たな安全対策がとりまとめられたことなどを受け、東京都の[K]知事は、早ければ今週中にも移転についての判断を表明する方向。
豊洲市場の土壌汚染対策を検証する専門家会議は11日、新たな安全対策として、地下空間の床を特殊なシートで覆うなどの提言をとりまとめた。
13日は、豊洲移転と、築地市場の建て替えの両方の案を盛り込んだ市場問題プロジェクトチームの報告書が、[K]知事に提出される予定で、有識者による意見が出そろうことになる。
[K]知事は14日、都の幹部らでつくる「市場のあり方戦略本部」を開き、総合的判断に向けて詰めの検討を行う考えで、7月の都議会議員選挙を前に、早ければ今週中にも移転についての判断を表明するものとみられる。』(FNN6月12日)

『築地市場(東京都中央区)の移転問題について、[K]東京都知事が同市場を豊洲市場(同江東区)に移転する方針を固め、今週中に「基本方針」を示すことが分かった。移転後も「築地」のブランド力を生かす意向で、跡地活用策などの検討を進める。
 [K]は17日、築地市場業者との会合で「これまで育ててきたこの(築地)ブランドをどう守るか」「(築地市場の)歴史をあっという間に消し去ることなどできない」などと発言。将来にわたり、何らかの形で「築地ブランド」を維持したい考えを示した。
 都は豊洲市場運営費の赤字を年92億円と試算しており、[K]は将来の収支の安定性を重視。[K]が設けた都の「市場のあり方戦略本部」は今月、移転後に築地の跡地を民間などに貸す案、移転後に跡地を売却する案、築地での再整備案のうち、跡地を貸す案が収支見通しで優れているとする検討結果を[K]に示した。同本部は跡地を「食文化の発信拠点」とする案なども示しており、[K]はこれらを参考に、築地ブランドを生かす具体策や収支安定化策を検討する。
 [K]は昨年8月の知事就任直後、豊洲市場の安全性の確認などを理由に、同11月の予定だった移転の延期を表明。豊洲市場では今年1月以降、地下水から環境基準値を上回る濃度で有害物質が検出されている。豊洲市場の安全性をどう確保するかは大きな課題で、同本部は今月、追加の土壌などの汚染対策を提案。[K]は今後、有害物質の検出状況などの情報を公開しつつ、汚染対策を進め、都民らの理解を得ていきたい考えだ。
 築地市場問題を巡っては、23日告示の都議選に向け、各党が移転への賛否などを主張しており、[K]の「基本方針」表明は論戦に大きな影響を与える可能性がある。』(朝日新聞デジタル6月17日)

『東京都の豊洲市場(江東区)への移転問題で、[K]知事が豊洲に市場機能を移転させた上で、築地市場(中央区)にも市場機能を残して再開発する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。将来的に築地に市場を戻すことを視野に検討するという。20日午後に緊急記者会見を開いて表明する。
 23日の都議選告示を前に、全国の注目を集めた市場移転問題が決着する。
 [K]知事は国際的に知られる「築地ブランド」を重視し、豊洲の持続性を懸念しているが、築地は建物の老朽化や土壌汚染などの対策が必要なため、市場機能を仮移転させる意向という。
 数年かけて築地を再開発し、豊洲から業者が戻れるように調整するが、関係者によると「既に建ててしまった豊洲を無駄にもできない」として、築地に再移転後の豊洲はITを活用した物流拠点として再整備する構想という。
 [K]知事は17日、豊洲市場の地下水の有害物質を国の環境基準値以下に抑える「無害化」ができていないことについて市場業者らに陳謝した上で、「築地という東京の宝をいかに守って継続し、発展させていくのか、皆さんと知恵を出したい」と述べていた。
 地下水から国の環境基準値を超えるベンゼンなどが検出された豊洲の地下空間の安全対策は、都の庁内組織「市場のあり方戦略本部」で検討された換気設備の設置と床面をコンクリートで補強する案が採用される見通し。』(毎日新聞6月20日)

『[K]東京都知事が、築地市場を豊洲新市場(東京ガス工場跡地)に移転し、伝統のある築地の建物を解体、再開発するという「基本方針」を表明したことに、異議を唱える建築家が相次いでいます。日本を代表する構造設計家の一人で、古くなった建物を解体するのでなく、手を加えて再生・延命させる「外科医的建築家」の今川憲英・東京電機大学名誉教授に聞きました。
 ―[K]知事は、築地市場を解体して再開発する方針です。
 私は豊洲移転には反対です。築地市場を存続して、業者が営業を続けながら「居ながら再生」を行うことしか、選択肢はないと思っています。
 豊洲に移すことは、脈々と続いた築地が築いた文化と商圏、銀座に近くて行きやすいということを考えると、マイナスばかりです。
 希望する市場業者には、移転後、築地に戻ることも検討するといっていますが、豊洲に移転して5年後に築地を再開発するということは、人間の体に例えれば5年間冠動脈を止めるようなものです。
 ―[K]知事は、築地市場を「居ながら再整備」はできないとしています。
 私は東京電機大の研究室で、2010年ごろから自主的な研究開発として築地再生プランをつくってきました。
 築地市場の建物は完成して83年たちましたが、東日本大震災をはじめ多くの地震に耐えてきました。建物の寿命をさらに80年生かすというのは、たやすいことです。
 築地市場は、建て直しをするのではなくて、築地の機能をそのまま残しながら、建物の再生・保存をすることが、築地の文化を継承する一番確かな方法だと思っています。
 私の考えた再生案は、市場業者が営業を続けながら再生工事を行うという方法です。建物の延べ床面積は約10万平方メートル、再整備の期間は3年くらいで、再生費用は800億円程度でできます。
 仲卸売り場の上を青果などの売り場に使用できる2、3層の大きな空間と、屋根の上に駐車場をつくり、スロープで荷を移動できるようにする方法です。1階にはあらかじめ1ブロック分の場内種地(改修のために一時移転させるための土地)を確保して仲卸施設を造り、水産の仲卸を順次移動して工事し、今まで通り1階で営業ができるようにするというプランです。
 私が再生にかかわった横浜赤レンガ倉庫(横浜港にある歴史的建造物)は、壁がレンガ造りで屋根が鉄骨です。築地市場も屋根が鉄骨です。
 築地市場のカーブ状の仲卸の空間は構造的には鉄骨屋根構造なので、耐力不足は鉄骨の柱脚を根継ぎなどの方法で補強します。屋根の耐力不足はトラス構造(部材の両端を複数の三角形の骨組みで連続させる構造組み)のシステムを利用して、2段のトラスにする補強で再生可能です。
 RC(鉄筋コンクリート)の耐力不足は現在、開放的でサッシのような耐震補強システムで再生できます。床の部分などの仕上げは新しくすれば再生は容易です。
 ―「安全・安心」を言っていた[K]知事が、汚染を残したまま移転を表明しました。
 [K]知事が都議選(告示日)の直前に豊洲移転方針を公表したことは、豊洲の土壌汚染問題や、市場業者や都民よりも、知事としての、党としての政治的な判断を優先したのではないかと思います。
 私は、豊洲移転を表明したら[K]さんはもう信用できなくなると危惧していました。
 今回の知事の決定は、とても“都民ファースト”とは言えないと思います。移転を主張してきた自民党(政治)の根を断ち切ることはできなかったということでしょうね。』(赤旗6月27日)

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