10月10日から4連休を得た私は、おそらく今年は最初で最後のちゃりキャンプに出かけることにした。11〜12日に秩父で行われるバドミントン合宿に参加することになっているため、ちゃりキャンプは10日に実施することにして、11日合宿所へ直行することにした。旅先を秩父に決めたのはそんな理由からだ。
10日未明から支度を始めて夜明けとともに出発しようと考えていた私だったが、その前の9日間連続出勤の疲れが相当に溜まっていたようで、夜中に起きることができず、布団から這い出したのはやっと7時。
愛車のBD−3を折りたたんで輪行袋に入れ西武池袋線に乗ったのは11時過ぎだった。荷物くらいは事前にまとめておくべきだったな。
電車の中ではフランスパンで腹ごしらえ、チューブ入りアンチョビペーストを塗ると、美味しいけどしょっぱい。自転車に乗るときは汗をかいて塩分を失うからしょっぱいくらいでちょうどかな。
秩父到着。天気予報によると秩父地方は快晴のはずだったが空はどんよりとしていて、武甲山も雲をかぶっている。
ここから時間と体力と道の続く限り、国道140号線を荒川を遡るように大滝村・山梨県方面を目指す予定だが、最高でも雁坂トンネルの入り口止まりということになろう、雁坂トンネルは自転車通行禁止だからだ。距離にして30q程度、ずっと登りとは言え、そうたいしたことはないだろう。ゆっくりと寄り道しながらツーリングを楽しむことができるだろう。もしかしたら、途中で不通になっている箇所があり放棄されたという旧国道140号線が残っていて、もう少し奥まで足を伸ばすことができるかもしれない。
出発してからわずか5qちょっと、浦山ダムにさしかかる。そして道路脇には、「そばの花見祭り」の登りが道路沿いに何本も立ててある。さっそく寄り道して祭り会場へ寄ってみる。
するとそこはそば畑だった。腰くらいの高さのそばが白い花を着け、一面に広がっている。
畑の脇には荒川村農協のテントが立っており、そばがき、たらし焼き、盛りそばを販売していた。
そばがき(100円)をいただくことにする。そばがきを食べるのは初めてだ。器に盛ったそば粉に熱湯を注ぎかき混ぜながら割り箸を使い自分で練っていく。「そろそろ
いいよ」とおじさんが言うので食べてみると、味気はあまりないしもたもたしたした食感なのだが、そばの香りが口鼻いっぱい広がり爽やかですらある。新そばの香りを楽しむのはもりそばが一番と思っていたが、こちらが上だった。
次いでたらし焼き(200円)をほおばる。たらし焼きというのはこの辺りの郷土料理で、溶いたそば粉をたらしながら焼くことから着いた名前らしい。そば粉のクレープと言ったところか、味噌味で刻んだネギ、シソがアクセントになっている。おじさんの話によると、戦後の食糧難の時期はもちろん、それ以前から秩父は食糧事情の悪いところで、痩せた土地でも採れるそばすらあまり収穫できず、食うや食わずの家庭が多かったそうで、たらし焼きなどは大ごちそうだったらしいとのこと。畑仕事の合間に良く食べられていたとも言う。
軽く腹ごしらえしたところで出発しようと自転車を停めたところまで戻ろうとすると、突然、パン! と大きな音を立て自転車が倒れた。駆け寄るとパンクだった。後輪がぺしゃんこになっており、タイヤにも一目でわかる大穴が空いている。
あちゃ〜 とがったものを踏んでいて、そこから今はじけたってところだろうか?
これはタイヤを交換するしかない。携帯電話のiモードで調べると、3qほど離れたところに自転車店が2軒あることになっているので、来た道を戻るように自転車を押した。するとバイク店らしい看板があり、よく見ると「片倉シルク」と書かれた看板もある。しかし店頭に自転車はなく、現在はバイクしか扱っていないように見えた。パンクの修理はできるにしてもタイヤを扱っているようには見えない。
余談だが、片倉シルクというのは往年の高級自転車メーカーで、10年以上前に潰れたものと思っていたのだが、吸収合併で現在は片倉の名前はなくなったものの、絹自転車工業としてシルクブランドは継承しているらしく、それも秩父の隣の比企郡に会社があるらしい。
そのほんの20〜30メートル先に自転車店の看板が見えるのでそちらの店に入ったが、出てきたのは留守番のばあちゃんで、店の主人は留守で戻るのは夕方というので諦め、そこから数百メートル離れたもう1軒の自転車を尋ねることにした。
しかし、そこにもBD−3で使える18インチのタイヤの在庫はなく、店の主人に尋ねては見たが、秩父市街に戻っても自転車店がないし、近くのホームセンターにも扱いがないらしく18インチタイヤの入手は無理だろうということだった。
自転車をどこかにおいて徒歩ツアーというのも悪くはないが、大切な愛車をそこいらに一昼夜繋ぎっぱなしにしておくのは心配だ。三峯山のロープウェイお楽しむという手もあるかと思ったが、去年で廃止になっていたとは知らなかった。一度乗っておくんだったなぁ。
やむなく、私は西武秩父駅までBD−3を押して歩き、折りたたんで輪行袋に入れると電車で帰路に着いたのだった。
やれやれ、秩父ツアーというとどうもこういうことになりがちだな、自転車とカヌーの旅の時も似たような終わり方だった。
今度から出かけるときはパンク修理キットだけでなく、チューブ、タイヤは必携だな。クイックレバーじゃないからタイヤ交換するならレンチまで用意しなくてはならないのがBD−3の弱点なんだよなぁ。軽量なレンチも探さなくては…
もちろん電車の中では焼け酒。電車の外で降り出した雨はきっと私の涙だ。
秩父ツアー、たった5qでリタイヤ〜
2008.10.13