積丹町の道営野塚野営場に到着したのは既に日没近く。
テントを設営し、七輪に火を起こした時には辺りはすっかり暗くなっていた。
焚き火は小僧達に任せる。なかなか火が大きくならず苦労していたが。
成功。キャンプの時の火遊びは楽しい。小僧達の姿を自分の子供時代の思い出に重ねる。
やがて小僧達は眠り、私は漁り火を眺めながら1人缶ビールを傾けた。
明けて、朝食はヤキオニとラーメン。白米と塩だけのおにぎりはクーラーボックスで保存しておくと、固くはなるが数日持つため便利だ。焼きおにぎりにしてもいいし、雑炊にしてもいい。
食後はカヌーの用意。
バイバイって、お前ら父さんを置いていく気かよ〜!
いざ船出。久しぶりのカヌーは楽しい。波もない海面を滑るようにぐんぐん進む。
パドルを漕ぎ漕ぎ着いたのは、キャンプサイトからそう離れていない岩礁のある浜辺。
下の小僧は待望の釣り。上の小僧は得意の魚すくいだ。
「絶対にライフジャケットを脱ぐなよ。勝手に波にさらわれるなよ」と注意を残し、私は1人カヌーで沖へと進む。
俺ってこんなに漕ぐの上手かったっけ、と思うほどスイスイ進む。振り返るとあっという間に海岸が離れていく、もう人の姿を捉えることはできない。
海上から望む名勝・神威岬。ガスがかかっていなければ綺麗に見えたんだろうなあ。
よし、一丁あのロウソクみたいな岩を一周してやろうか。と思い進路をとるが、暫く漕いでいると急に空が暗くなり、強い風が吹き波がうねりだした。
こりゃ、良くないな。
浜へ向けて転進するも、沖へ向かう潮流(引き潮)が強くてなかなか進まない。だから沖へ向かう時はあんなにスピードが出たんだな、行きはよいよい帰りは怖いだ。
風と潮に逆らい進むのは辛い。できるだけ逆らわないように斜め方向に進むのだが思うように行かない。このカヌーは定員2人+αなので1人だとバランスが悪くなり、直進性が下がるからなおさらだ。
まずい、このままでは対岸のロシアまで流されてしまう!
私は必死に漕いだ。
やっと海岸に着いたと思ったら暗雲は去り、急に晴天に。なんだよソレ!
小僧達も戻って来たので昼飯にする。メニューはカレー。ご飯を温める鍋は1人用サイズなのでパックご飯を温めるには少々小さい。飯、固かったかも。
食後は夏休みの宿題タイム。2人とも読書感想文用の本を読むことにした。宿題を進めておかないと後が大変だからね。
その後は、小僧達と相談してここを後にすることに。テントをたたみ出発。
行き先は、先ほどカヌーで行こうとした神威岬見物だ。
と思ったら障害発生。サンダルが壊れてしまった。傷んでいるのは分かっていたが、旅の間持たなかったか。普段の生活より負荷の掛かるところを歩いたりするのだから仕方ないか。
裸足という訳にもいかないので、自転車専用靴に履き替える。しかしこれは、スキー板とスキー靴のようにぺダルと靴を連結するためのビンディング金具が靴底にくっついているあめ歩くのには適さない。これで岬まで歩くのは大変だよ。
そんな私を尻目に元気元気、下の小僧がどんどん1人で走っていく。
「オーイ! 危ないところまで1人で行くなよ〜!」と声を掛けるが聞いていないっぽい。
どこまで行ったんだか、もう見えない。柵がしっかりしているし、観光客が大勢いるようなところだから心配いらないと思ってはいたが。
素晴らしい景観。当地の海の青さを積丹ブルーというらしい。
岬の灯台。
海から見えたロウソク型の岩、神威岩とあった。
こころなしか水平線が丸く見える。
しかし、岬の先端まで来たのに下の小僧がいない。
どうした!? また迷子かよ! ちょっと慌てる。
道々を探しながら引き返す。望遠レンズで駐車場を覗くと。
いた。車の前で一人遊びしている。岬まで行かず、途中の分岐点から引き返していたそうだ。
勝手に行動しちゃ、よく迷子になる奴だ。もう危なかしくて単独行動はさせられない。という教訓を残して積丹を後にしたのだった。
2009.9.18
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