このように様々な会社のノウハウを採用した「サンライズエクスプレス」の評価は高く、
日本産業デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」にも選定され、「鉄道関係の優れたデザインに与えられる国際的な賞」としてイギリスから「ブルネル奨励賞」が贈呈された。もちろん、
「国鉄時代の1970年代半ば以来,約四半世紀ぶりに開発された「新しい時代のニーズを盛り込んだ電車方式の寝台車両」で,さわやかな夜明けを感じさせる流麗なスタイルやデザイン,各種の寝台設備やノビノビ座席などが,会員に高く評価」
され、得票率の40%を独占という圧倒的支持率で
「鉄道友の会 ブルーリボン賞」を受賞している。JR西日本は500系新幹線に次いでの受賞だが、JR東海は初の受賞となった。
一通りやるべきことは終え、カーペットに横たわる。枕がないのが難しいところだが、車掌が「空気枕」を販売しているので、必要な方は購入するとよい。さすがに夜行が続いた旅路、沼津を過ぎると意識がなくなり、元町付近で一度目が覚めたが、前に乗ったときは4回くらい目が覚めたので、よほど疲れていたのだろう。起きた時はすでに和気の付近まで来ており、ほどなく「おはよう放送」が流され、「岡山での分割作業のため、間もなく7号車と8号車との通り抜けができなくなる」と放送される。
ついに岡山まで戻ってきた。ここで<瀬戸>と<出雲>を切り離す。昔だったら数人の作業員でホースを外して一苦労だった開放作業も、自動化が進んでだいぶラクになった。ビックリしたのは、もちろん正面のドアやホロはたたむのだが、連結器はくっついたまま、いきなり高松へ向け、連結器を解くかのように一気に発車して行ったのだ。これはちとビックリで、「やっと正面が撮れる」と撮影していたら<出雲>発車のベルが鳴り出し、慌てて飛び乗る始末だった。車掌さんも乗車を確認して一安心の様子で申し訳なし。
<出雲>には食堂車はおろか、自販機に酒はないことは、先に記した。しかし<サンライズ出雲>の下り列車(<瀬戸>の上下と上りの<出雲>には全くなし)に限り、岡山から車内販売が乗り込み、新見まで乗務。これは運転当初から変わっていないが、後に「夜行列車の車内販売実施区間」を
「JR時刻表」に掲載することになり、「時刻表上通過の新見までの販売」(新見は運転停車だった)ではおかしいと判断したためか、このときから下りのみ新見に停車するようになった(今は上りも停車)。
幕の内やサンドイッチのほか、米子の
「吾左衛門寿司」が搭載されているのは、昨日の<やくも>での売れ残りかと思われる。この寿司は賞味期限が3日あり、こういった売り方も可能なのだ。ちなみにこの車内販売、新見で降りた後は、追いかけてくる<やくも1号>に乗務するため、時間帯の割には結構な数の駅弁を搭載していた。せっかくなのでサンドイッチを求める。
さて、岡山を過ぎると文字通り「見慣れた景色」が戻り、「ああ、戻ってきた・・」と、どことなく現実に引き戻される。昨晩まであれほど「都会のビル群」を見まくってきたのに、今朝起きたら田舎の田園風景が広がる現実は、「本当に同じニッポンなのか?」とか、「とてもレールでつながっている土地とは思えない・・」と感じるのである。そういった余韻をタップリに、定刻に倉敷駅4番ホームに到着。いつも数人の下車があるが、今日は私のほか1人だけのようだった。
(第58ランナー:伯備線 普通 841M 岡山発新見行 倉敷6:59→清音7:06 4両編成2両目 クモハ115−1503 禁煙・普通車自由席)
(第59・ラストランナー:井原鉄道 普通 315D 総社発神辺行 清音7:11→川辺宿7:15 1両編成1両目 IRT355−10 ワンマン運転 禁煙・普通車自由席)
長い旅は終わった。後は車を引き取って帰るだけであるが、帰宅するまでは気が抜けない。清音へ向かう電車に乗るのなら岡山でもよいのだが、ここで乗り換えれば同じホームで乗り換えができるので、荷物が多い今日みたいなときはラクだ。車内は高校生などで「いつもの光景」が展開されており、急速に現実に引き戻される感覚だ。清音で井原鉄道に乗り継いで1駅進み、無事川辺宿へ到着。8時前に自宅へ戻り、何年ぶりかの大規模旅行、そして後にも先にもなかった「4晩連続夜行」と言う、壮大な旅に、幕を下ろしたのである。
完
〔訂正とお断り〕
「グッドデザイン賞」指定において、当初
「通商産業省(現・経済産業省)選定・グッドデザイン商品」と記しましたが、1998年に行政改革の一環として「民営化」されていたことが判明しました。関係者の皆さんにはお詫びいたします。コメント部分のリンクとあわせてご覧くださいませ。

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