先月は修了制作のプリプロに奔走する日々だった。
打ち合わせ、交渉、衣装・小道具集め、必要書類の作成など手広くやっていた。
自分のシナリオが選ばれなかったことで腐らずに、自分だからできることをやろうとそれなりに楽しんでいたと思う。
シナリオが修了制作に選ばれ、僕が助監でついたのは、学校に入った当初僕が苦手としていた人だ。人当たりが良くて世話好きな人。僕が苦手とする人種。
でも、その人の映画に懸ける思いの強さに打たれ、いつしか苦手意識は失せた。何より、一緒においしい酒が飲めた。気づけば一緒に鍋をしたり、年甲斐もなく熱く語ったり、なんかいいグルーヴが生まれていた。
修了制作の作品が発表された日、選ばれなかったことで凹んでいた僕に「ヤマガタ、一緒にやろう」と真っ先に声をかけてくれたのは彼だ。言われる前から彼の作品につこうと決めてたけど、やっぱり言われて嬉しかった。嫌なしこりがふっと消えた。
修了制作の撮影は5日間だけしか与えられていない。僕らの班はGWをメインにしようということで、5/3、4、5、6と撮影した。つまり昨日まで。残すところ5/10の1日だけというところでトラブルが起きた。
トラブルの内容を詳らかに書いても意味がないので、敢えて書くことはしないけど、撮影続行不可能なまでにでかいトラブル。たぶん、7割方撮れない。
それはスタッフ間のコミュニケーション不足に起因するトラブルだ。撮影内容全体を把握していれば防げた筈のトラブル。
悔しい。僕がしっかり把握していたら、と思う。誰の所為とか誰の所為じゃないとか、もう今更無意味なんだけど。
とにかく監督には潰れてほしくない。
僕にできるのは彼が行動する時に、すぐ動ける場を用意することだけだ。
さっき7割方撮れないだろうとは書いたけど、僕の気持ちは残りの3割にある。
後で笑い話にする為にも今はやれることをやる。

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