NHKは歌番組で歌詞のテロップを出す際、常用漢字表に載っていない字や常用漢字に載っていてもその表に掲載されていない読み方についてはいちいちルビを振るうのですが、「誰」という字だけはルビを振わないことに最近気づきました。
ニュースでも取り上げられたのでご存知の方も多いでしょうが、現在の常用漢字表には「誰」「頃」「鹿」といった字は掲載されていません。また、「私」という字も常用漢字表では「わたくし」という読み方しかなく、「わたし」という読み方は載っていません。常用漢字表に従った表記にすると、「関わり」という表記も「かかわり」と仮名で書くことになります。
昨年の紅白歌合戦を見ていると、歌詞のテロップの「宛てる」という字には「あ」とルビが振るってあり、「私」という字を「わたし」と読ませる場合にも「わたし」と丁寧にルビを振るっていました。しかし、「誰」だけはルビを振るっていなかったのです。録画されていた方がいらっしゃいましたら、ぜひ確認してください。
私は、「『誰』だけルビが振るっていない」と驚嘆しましたが、宮崎の実家で一緒に見ていた母はぜんぜん共感してくれませんでした。出版関係の方、国語学を研究している方などでこの発見に一緒に驚嘆してくださる方はいらっしゃいませんか?
そして、今気になっているのは、来年常用漢字表が改訂されて、先に挙げた漢字が常用漢字になったあかつきには、これらの字にルビがつかなくなるのか、常用漢字云々とは関係無しにルビを振るうのかということです。
ただ、私の仕事で求められるのは、このような表記についての細かい知識よりも、言語に対するセンスです。書いた文を人に見せると「ごつごつしているからなめらかに」「日本語として流れていない」「日本語として読めない」「ここは『が』という接続助詞でつなげるの?」「ここは『も』じゃなくて『が』ではないのか?」と言われます。私はいまだにどういう点が「流れていない」のか「流れた」文はどうなるのか、まったく分かりません。小さい頃から話や文章が混乱していて何を言っているのか分からない、といわれることが多かったのですが、こういう人には向かない職業だったなあ。

0