奈良は修学旅行生とブツと鹿の街だった。
ブツは仏である。
話には聞いていたが、本当に街のあちこちに普通に鹿がいた。朝、ホテルの窓の下にもいた。夕方、猿沢池から裏道を通り奈良ホテルに帰る途中の道端にもいた。ぴくりとも動かなかった。私とはるちゃんと姉は「おー!こんなとこで何しとんの?」と声をかけたがシカトされた。…鹿だけに。
059とF尾は「こんな道路に鹿の剥製があるんだねー」「さすが奈良だね」などとバカ丸出しの発言をした後、鹿がかすかに動き、「ギャッ!」と叫んでいた。さすがの奈良もこんな道端に鹿の剥製は置かん。
修学旅行生にまみれて、東大寺の大仏に接見した。
大仏の後ろの柱に大仏の鼻の穴と同じ大きさの穴が開いているのをみなさんご存知だろうか?なんの説明もなく普通に開いている。
みんなで順番に通ってみることにした。そんなこと、ドコの修学旅行生もやっちゃいねえ。いいトシの大人なのに、私たち。
「無理です!」「イケルイケル!」「キャーー!」「身体をナナメにすれば行ける!」「ヒャー!」
F尾と059は比較的スムーズだったのだが、はるちゃんはハラに問題があり、私は下半身に問題があったので、なかなか手間取った。だが穴から出て来る姿は全員貞子だった。
「サ〜ダ〜コ〜」
わっはっはっは。
あまりに私たちが楽しそうだったのか、まわりに人が集まり出した。外国人の案内をしている人が私たちの様子を説明している。
ここが通れたら、いいことがあるんですよ。
と言っておいた。ホントだかどーだか知らないが。
私たちのあとにその外国人の方が挑戦しているようだった。通れただろうか?私が通れたくらいだから大丈夫だっただろう。詰まっていても私たちの責任じゃないもん。
その後ならまちの雑貨屋やカフェでまったりして町家を満喫。テクテク歩いて五重塔へ移動した。
「あ〜交尾してる〜…」
はるちゃんが言った。
なに?!交尾?!
「えー!!ドコドコドコ〜!!」
私が喰いつくと同時に059もがっつり喰いついていた。だが、目の前に広がっていたのは工事中の興福寺だった。
あ…交尾じゃなくて、工事…。
私はすぐ気がついたのだが、059は気づかない。
「ねえねえ、ドコドコ?」キョロキョロしている。「どーこーかなー?」なんでそんなに嬉しそうなのだ。
言ったはるちゃんは「え?なに?」と不思議そうだ。
059ちゃん…。私たちが思ってるのじゃないよ。工事。コ・ウ・ジ!コウビじゃなくてコウジ。
「あ…………」
もうさ〜中学男子じゃないんだからさ〜鹿の交尾くらいでそんなにウキウキすんなよ〜、オレら。
そんなこんなで、奈良ホテルにチェックインし、ひとしきりクラッシックホテルを満喫したあと夕食にでかけることにした。
夕食はちょっとはりこんで、日本料理のお店に予約を入れたのだ。奈良出身のオカザキさんにリサーチしたところ、唯一「おいしい、らしいですよ」と情報をもらえた店なのだ。「らしいですよ」が少し気になるが、ガイドブックでも結構取り上げられているらしい。らしいばっかしだが、自分で農園を持ち野菜を育てているという話なので、期待できそうだ。
はらへった〜……。
みんなハラペコで夕食に向かった。
画像はケツをむける鹿と、ワラワラ集まる鹿。



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