風呂に入れない毎日が続いている。
ウチのガス給湯器はたまに反乱を起こすのだ。
最初の反乱は1年半くらい前。
ウチのお風呂は「風呂自動」というスイッチを入れると、自動的に指定温度で適量お湯はりができるようになっている。
ある日、いつものようにスイッチを入れ、リモコンの合図を待っていた。しばらくすると、どこからか、ものすんごい爆音がする。
うっるさいねー!ドコだろ?こんな時間に。
「なんの音だろうね?」
姉と二人で眉間にシワを寄せ、窓を開けた。時刻は夜中の1時。
ボボボボボーーー!!と、ガガガガガガーーーー!が混じったような恐ろしい音がウチの裏手から聞こえてくる。ビルの土台工事をしている現場のような、暴走族の方々のマフラーをはずした車の爆音のような、なんとも形容しがたいやかましさだ。
ウチだあああああああっ!!!
ウチのガス給湯器の室外機だった。
とりあえず外に出たものの、どうしていいやらわからない。
室外機はなぜか2Fの壁についていた。脚立を持って来ないと届かない。でもものすんごい爆音のせいで、1m離れただけで、姉が何を言っているのか聞き取れない。
はぁーッ?なにぃー?どーしたらいいーーッ?コンセント抜いてもいいのかー!?
「と・り・あ・え・ずー!ガス会社にー!電話してみるー!!」
はぁーー??……あ、アンタ一人でドコ行くのーッ!
「デンワーッ!電話してみるってばーーーーッ!」
はぁーーッ???!!!
夜中に脚立の上に乗り、隣のマンションの人の非難の視線を浴びながら、爆音の中、私は室外機を見つめていた。
調べてもらったのだが結局原因はわからなかった。多分、追い炊き機能がおかしいのでは、ということなのだが、その状態にならないと原因究明はできないらしいのだ。
その状態って、あの爆音だ。
まあ毎回のことではないので、様子を見ながらということで、ガスの人たちは帰っていった。
その後も半年に一度のペースで室外機が騒ぐ。
とりあえず、室外機のコンセントを抜くと騒ぎが治まるのはわかったので、音だけはすぐ止められる。
忘れた頃に、また騒ぐ。今回、私はトイレに入っていたのだった。
トイレで「ふぅ〜」と一息ついた途端に、あの爆音が聞こえたのだ。
トイレのドアを開け大声を出した。
お風呂のリモコン、消してみてー!!
「リモコン消したってー!」爆音がすると、私も姉もパニクるのだ。
キッチンのじゃなくてー!お風呂のリモコンだってー!
「消したってばーーーーーッ!」
んなワケない。トイレの前を通らないとお風呂に行けないじゃねーか。
おーふーろーのー!お風呂のヤツだってばーー!
「消したってええええええ!!!!!」
すったもんだの挙げ句、お風呂のリモコンを消しても爆音は治まらず、また脚立を持って家の裏にまわり、コンセントを抜き、やっと静かになった。
後から聞くと、姉は、私がお風呂にいるとばかり思っていたらしい。
私はトイレ中だったのだ。すぐ出れないような状態だったのだよ。
自分が風呂にいたら、風呂のリモコンくらい自分で消すってば。
「……だって、そう思ったんだもん」
あの爆音は、人の理性をも奪うのだ。
あのボイラー音のようなモノはガスだからだろうか?天然ガスでも爆発ってするの?と、心配になるような音なのだ。
風呂、沸かしたいなあ。
毎日シャワーなんてイヤだ。私はお風呂にざばーん!と入るのが好きなのだ。風呂沸かそかなあー。一度鳴ったら、あと半年は大丈夫なハズだしな。よーし!
…ということで、この一年半過ごしている。
いつになったら、オール電化にするのだ、ウチは。

0