みんなで魚釣り&バーベキューに来ている。
魚釣りといっても、ヤナとよばれる川を仕切って作った一部分に放流してもらった魚を釣るのだ。今回はニジマス。釣った魚は持って帰ってもその場で食べてもOK。
「もう入れ食いですよ!」
O橋さんは自信満々だ。
ヤナに着いた早々、O橋さんは炭に火をつけ、はるちゃんは飯ごうでゴハンを炊き出した。うーむ、さすがにエンゲル係数の高い夫婦だ。
「今日はすごいよー。牛肉・豚トロ・鶏肉・焼きそば・野菜もたっぷりだからねー!釣ったマスも炭火焼きだ!」
ゴハンも炊いているし、そしてデザートにはスイカにトマト。
何人で来てると思う?5歳児入れて5人だぞ。
「つーれーたー!!」
早速りーちゃんの釣り竿にかかったようだ。
「パーパー!早くー!とってーーー!!」
「ハイハイ」うちわを置いてO橋さんがマスをはずしに行く。
「あー!こっちも釣れたー!!O橋さん!こっちも!」はるちゃんも呼ぶ。
「ハイハイ」
O橋さん、使われてるわー……と思っていたら、私の竿にもかかった。
「O橋さーん!私のもー!!」
「あー!針が折れた〜!O橋さーん、針折れたよー」
「パーパー!針折れたー!」
O橋さん、大人気。
その後、せっかく釣っても針がはずれてしまったりして、そんなに釣果があがらず、私もはるちゃんも飽きて来た。
「肉焼こか」
「うん、もうマスも焼こうぜ〜」
そこからはただのバーベキュー。最初はビールだったのに、O橋夫妻はいつの間にかシャンパンにうつっている。
「カ!辛い!!」口を押さえるO橋さん。
ししとうだ。さっき、私もあたったもん、辛いやつ。
「か〜ら〜い〜〜〜!辛いよー!うわー辛い!ホンッッットにカライ。……カラい……」
「チーさん、網とってー」「はい、りーちゃん」「アタシももう一回釣ってみっかな」「リリさんもビール飲みなよ、たくさん持って来ちゃったから」「うーん、じゃあもらおうかな〜」
だーれも気にしていない。
さーてそろそろ焼きそば作ろっか?
ふと見ると、O橋さんがノドをおさえてイスに座り込んでいる。
どーしたの?
「か、辛くて……」
そんなにかよ!じゃあスイカ食べる?
「食べたい!!」
みんなでスイカを食べ、またぼちぼち釣りに取りかかった。どんなにO橋さんに「釣りなよー」と勧めても「あ、ボクはいいです」とかたくなに釣らない。
結局、間が開きすぎたのか、逃げたマスが他のやつらにチクったのか、全く竿にかからなくなった。浅いヤナなのでマスの姿は見えるのだが、鼻先にエサをたらしてもシカトするのだ。
どーする?もう食べたし、このままにしとく?
だが、O橋さんがそんな中途半端なことをするはずがなかった。ヤナにざばざば入り網で捕ると言う。釣りはしないのに……。
「石の下に入り込んじゃってるんですよ。あ、見えない。ゴーグルはめなきゃ」
シュノーケルつきのゴーグルをつけ、片手にはりーちゃんの網。
相手は魚ですが…。
がしかし、O橋さんはがんばるのだった。
「O橋さん、真ん中にいる!」「そっち行った!」
「エ〜〜!ど、どこ?」「パパー!がんばれー!」
「O橋さんさ、後ろのポケットに絶対財布入ってるよね」
はるちゃんが言う。ホントだ。絶対入ってるわ。
「でさ、ケータイももしかして入ってたりしてね…」
わははは、入ってそう!で、『あ〜ケータイが〜〜』とか言いそう。
「あはははは」
私とはるちゃんは呑気に見物だ。
そして……。ジャバッ!
「ぅわあああああ!ケータイがぁぁぁ!」
期待を裏切らない男・O橋さん。
網で一匹捕まえ、その後、岩の下にもぐりこんでいた2匹を素手で!なんと素手で捕まえたことを付け加えておきましょう。そしてヤナから上がった時、彼のサンダルの鼻緒が切れていたことも。
「もう〜。これで鼻緒が切れるの2足目ですよ、○クロのサンダルー。すぐ切れるー。また買おう」
また買うんかい……。
画像は、子供の網でニジマスに挑む男と、岩の上で父のため謎の応援ダンスを踊り狂う娘。
