ウチの店では、浄水器とマットを某業者さんからレンタルで入れている。
3週間に一度取り替えに来てくれる。
その担当さんが、最近変わった。もう10年来担当してくれていたカワシェくんが辞めてしまい急な変更だった。
引き継ぎで現れたのは、所長だった。
カフェのオープン前は殺気立っている。
ましてやウチは人手が足りていない。
そこに所長が来た。
「おはようございます!浄水器の交換に参りました〜」
カワシェくんならほんの5分で済んでいた作業が、20分かかっている。
オープンまであと10分しかないという頃になってやっと終わり、私たちもラストスパートに入った。・・・というのに。
「いや〜カワシェは本当にマジメな男でして、なんといっても仕事が丁寧。私もですね〜最近はほとんど現場にでることがなくて・・・」
なんで今、世間話なのだ!
仕方なく「所長さんですもんね・・」と代表者である姉があいづちをうった。それが彼のトーク心に火をつけたらしい。
「いやいや、そういうことではなくですね、というのはですね・・」
バタバタしている私たちの横でとうとうと話し続ける所長。
「ハッハッハ!」
腹から出ている笑い声が、カンにさわる。
空気読めよ、所長!
限界になった私が「こっちたのんでいい?」と姉に声をかけたのをきっかけにやっと話が終わった。
「では、何かありましたらお電話下さい。それこそ5分で参ります。ハッハッハ!」
うちとそこの事務所は、歩いても5分じゃー!ボケー!
ついこの間、店が終わったあと近所を散歩していた。
その時、小型車がすごい勢いで近づいて来た。
「こんな住宅街の裏道、バカじゃねーの」
角でよけていた私たちの目の前を、その小型車はブレーキもかけずドリフトきかせて走り去って行った。
「・・・所長・・」
確かに所長だった。
もしかしてストレスたまってるんじゃないですか?
無理に世間話するからでは、ないでしょーか?
も少し空気読めば、ラクになると思うのですが・・・。
もうすぐまた交換の日だ。

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