飲み会の最中、トイレに行ったアカノちゃんが戻ってきたと思ったらフジモッサンに文句を言った。
「ちょっとー!フジモッサン!教えて下さいよぉー!もう!」
プンプンだ。隣の席のフジモッサンにかみついている。
「なーにがー」
「私、口の横のとこにずっとゴマつけたまま喋ってたじゃないですかー!教えてくれればいいのにー」
「あー。オレ気づいてたんだけどさー。ま、いっかと思って」
「ひどーいいいいい!」
そして二次会で。
同僚の鼻毛が出ていた場合、教えるかどうかでもめた。
そりゃ教えんとー!
「えー!言えませんよー!」
でもさーフジモッサンもフクちゃんも営業なんだからさ、お客さんトコ行って鼻毛出てるのはマズイでしょ?教えてもらった方がいいじゃん。
「イヤ、オレは毎朝気をつけてるから。小指を突っ込んでこうグーッとやって、ですねー、脇から出て来た毛を全部抜くんすよ。すっげー抜きますよ」
なーんか得意気ですケド、鼻の穴広がりそーやねー。
すっげー抜くのか。
っていうか、さっきのアカノちゃんのゴマは教えてあげるべきだったと思うよー。
「そーですよぉ、アレはカワイソウですよー」
オカザキさんも言う。
知ってて教えないってちょっとひどいよね。
「イヤ、最初から気づいてたんスけどね」
じゃあ早く言ってあげればいいのに。女のコなんだからさ〜。
「イヤイヤイヤ、膿みかと思ったんスよ」
膿み!!膿みって!
「よく口のまわりってなんかデキモン出来るじゃないスか。で、膿んでるのかと思って。膿みかゴマかわかんなかったから」
思うか?思うか?口の横になんか小さいのがついてて、フツー『膿みだっ!』って思うか?
膿みかゴマかわからないって……。
そしてさらに。
「卵を12個一気に割っちゃったんですよ」
エ?12個?私も鴨さんもちょっとキョトン…。12個パックなんてあったっけ?
「えっと、10個ですよ、10個」
12個ってなによ。
「ちょっと話大きくしました。いーじゃないスか」
……あーそう。……で?
「そうですよ、10個ゆかに落として割れちゃったんスよ。オレ、それをすくい集めて食いましたよ、一気に10個」
え?割れた卵すくい集めてって?え〜〜〜?そのまま食べたの?
「そのままじゃないっスよ!ザルで漉して、スクランブルエッグで」
ザルで漉して?漉して?
「ハイ、毛とか」
け、毛!
「スクランブルエッグで一気に4個ずつ」
……さっき10個一気にって言ったじゃん。
「イヤ、4個ずつ2回に分けて」
……8個やん。
「2個分くらいはもうぐしゃぐしゃでダメだったんスよ」
なら10個一気にじゃないじゃん!てゆーか分けてる時点で全然一気じゃないし。それに卵、ザルで漉したからってキレイになったわけじゃないよ!
「あーもう!いいじゃないスか!細かいとこばっかし!」
アンタが突っ込まれるよーなことばっかし言うからでしょーが。
洋服の収納は、押し入れにつっぱり棒を使って掛けているらしい。
「そう、つっぱり棒が釘で打ち付けてあるんですよ、それで」
ソレ、つっぱり棒とちがう!突っ張ってへんやん。
「うるさいなあ、バーですよ、バー」
うるさいトカ言うな。
アンタがテキトーなことばっかし言うから、私がこんなに突っ込まないかんのじゃないか。
フジモッサンとの対話はこんな調子でいつも真剣勝負なので、かなり神経を使う。今回はそれプラス空腹で、朝方4時半過ぎまで寝付けなかった。
それをメールでフジモッサンに報告したところ、
「興奮しすぎですね!」
とレスが来た。
なんだ!私がひとりでフンガ!フンガ!してるみたいじゃないか!
誰のせいだよ。

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