おばあちゃん(推定75歳)はいつも杖をついているが、腰は曲がっていない。
キレイで上品なおばあちゃんだ。
ランチを食べに来てくれるのだが、お惣菜を3つ選んでもらうのが
いつも一仕事なのだ。
「なんでもええわ、あんたの好きなのにしてくれれば」
とおばあちゃんは言う。
ホントになんでもいいのか、と思い、
「じゃあハンバーグと・・」と選んでみると
「ハンバーグはいかんわ」
おばあちゃん、さんまは?
「魚はいかんわ〜」
なんでもええんじゃなかったんかい!と思うが、
おばあちゃんなので、ぐっと我慢する。
だって結局、3つとも自分で選ぶのだ。
おばあちゃん、飲み物は何がいい?
「・・・・」知らん顔で行ってしまう。
おばあちゃん!!飲み物は?!
「・・・」
おばあちゃーん!!
「・・なに?」
飲み物、飲み物。何がいい?
「はぁ?なんでもええわ(笑)あんたの好きなので」
じゃあホットコーヒー?
「コーヒーは好きじゃないんだわ」
絶対なんでもよくないのだ。
聞くたびに声がヒートアップするので、店内の視線も釘付けだ。
今日は新しいパターンでせめられた。
比較的スムーズに3つのうち2つは決まったのだが、残る一つ。
「これでいいわ」
おばあちゃん、コレ、カボチャのプリンなんだけど。
「ええわ、デザートでも。ひとつくらい」
いやいやいや、そーいうわけにはいかんのよ。
「え〜いいわー、そんな気使ってくれんでも」
イヤイヤ・・気使うとかそーゆうことではなくてですね・・。
「あら、コレなに?」
おばあちゃん、それは栗です。モンブランのために剥いてるのよ。
「売らんの?ムキグリ。おいしいがね〜」
いや・・・モンブランが・・。
そして食後。
「あらこのムキグリ。売らんの?おいしいのに」
・・・。
そして外のテラスの鉢植えを見て、059におすすめしていた。
「コレ、ゆがいておひたしみたいにするとおいしいよ〜」
確かに野菜が生えているのだが。
「お醤油じゃしょっぱいからね、・・タレつけて」
タレの方がしょっぱくないっすか?
ホントはおばあちゃんはなんでもわかっているのだ。
わかってて、私と059を試している、ような気がする。
実は3つなんて一瞬で決まっていて、私たちがそれをあてられるかどーか試しているのだ。
手間がかかるけど、実はおばあちゃんが来るとなんでかウレシイ私たちなのだ。

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