恵比寿から山手線に乗った。
そんなに長いこと乗るわけじゃないので、ドアの脇に立とうと思い、体の向きを変える途中で動けなくなった。
連結のところにいた彼と目があったからだ。
カモーン!
と言われているかのようだった。
乗客が隣の車両に流出するのを防ぐかのように、右手を伸ばしているのだが、問題は左手。
なぜかこっちへ向けてひろげている。
これじゃーどう見ても「カモーン」じゃないか。
カモーンって言われてもな。
イヤ言ってないんだけど。
首からケータイぶらさげて、脚なんかも組んじゃったりなんかして。
連結に立ってるというのに、なんでこんなにリラックスしたポーズがとれるのか。
おまけにあくまで左手は「カモーン」だ。
イヤ、言ってませんけどね。
品川で降りるまで何回か彼を盗み見したのだが、そのたびに目が合った。
なんであのポーズで堂々と車内の方を向いていれるのか。
左手が上を向いているから「カモーン」であって、あれが下向きになってたらそんなコトもないのかと思いきや、下向きじゃあ昔のジュリーみたいだよな。
降りる直前にもう一度ばっちり見た。
やっぱり「カモーン!」と左手が言っていた。
画像は、渾身のデッサン。


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