定休日には店の備品を買いに行く。
例えば紙袋とかラッピングペーパーとか、ストローとか・・そういったモノだ。
ウチはもうずっとSという問屋さんに買いに行っている。
安くて種類が多くて、物販用も飲食用もなんでもあるのだ。
不景気であちこちのこういう問屋さんが閉店している中、Sはいつも活気に満ちあふれている。
その活気の半分以上は、会長&社長の親子パワーによる。
「アーハイハイこちらのお客さんレジお願いしますレジお願いします、アーなんとかさんからの電話受けたの誰ですか誰ですか、アーハイハイレジこちらでお願いします、アー○○さん!レジお願いしますよレジお願いしますよ」
「あー○○さんこちらのお客様のお荷物駐車場までお願いします、こちらの女性のお客様です、あー紙袋10号の在庫倉庫にあったと思うんであー○○くん!倉庫!あ!こちらのお客様レジお願いしますよ、こちらの女性の方です」
最初が会長、次が社長。
この二人が同時にレジまわりにいて、同時に上のようなコトを怒鳴っているのだ。まさにマシンガン。
近くで聞いていてあせらない人がいるであろうか?
本当にせかせかせかせかしているのだ。親子してムダにせかせか。
あせる。
私たちが商売を始めてすぐは、まだ会長が社長だった。
そのうち若旦那が社長になった。
二人とも小粒でぴりりとした親子だ。
今日は閉店間際に駆け込んだのでかなり急いで買い物をしていた私たちなのだが、残念ながらレジの近くに社長がいた。
「お客さんお車は?」「駐車場で・・」「○○くん!台車持って来て!」
残念ながら台車が出払っていた。
「僕、こっち持って行きますんで、残りお願いできますか?」
別に私たちだけでも運べるのだが、社長はもう荷物を抱え5歩くらい歩きだしている。あわててあとを追う。
あのコースターかわいいかも。なんか使えないかな?
途中通った棚の奥に昭和の香りがする紙製コースターがあった。
少し立ち止まってしまった。
「お客さーん!いいですかっ!」
わわわ、社長が両手に持った荷物を高々と上げて仁王立ちになっている。
「スイマセン」
せかせかガニマタで先を歩く社長。
なんでそんなに急いでいるのか、もしかして閉店時間過ぎてたのか?
「何時まででしたっけ?」
「5時半ですっ」
まだ15分もあるじゃないか!なんでそんなにあせってるんだ!
会長も社長も何かに追い立てられているかのように早足だ。早口で早足だから半分くらいは何を言っているのかわからない、が、はやる気持ちは伝わってくる。
お客が商品を見てようが、はやる心には勝てないらしい。
でもお客まで巻き込むのはどうだろう?
仕方ないから、車に荷物を置いてから、コースターを買いに戻りました。

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