私は接客業のハシクレについているというのに、人見知りだ。
人なつっこく話しかけるというのがどうしてもできない。なので妙に馴れ馴れしい人がとっても苦手なのだ。
お客さんの中には、たまに、こっちが引くくらい最初からなつっこい人がいる。
ぶってる人、もそんな人だった。
初めてランチに来た時「どういう風に注文したらいい?」と言った彼女。私服で仕事をする外資系の会社の人、というカンジだった。
メニューを開きつつ説明する私に対し「あ、そーなんだ、わかったわかった」と軽くうなづいた。
そしてめでたく気に入って頂けたようで、その週のうちにまた来てくれたのだ。
あだ名がついたのはその2回目の来店時である。
「こんにちはー。この間のやつ、今日もある?」
こんにちは、はまだいい。でも『この間のやつ』ってなんだ!
なんだ?常連ぶっちゃってさ!
店の人間が言うことじゃないですね、ホントすんません。
でもそう思っちゃったのだ。ホラ馴れ馴れしいの嫌いなんで。
そう、彼女のあだ名は「常連ぶってる人」になったのだ。
彼女はそれから頻繁に来てくれるようになった。
同僚の人たちも連れて来てくれる。
「常連ぶってる」から本当の常連さんになってくれたのだ。
彼女の車を見つけると私と059はこう言うようになった。
「ぶってる人、来たよ」
一体彼女がなにぶってるというのか!ぶってる人ってなに!
がしかし、すでに「ぶってる人」としか呼べない私たち。
多分新入りバイトのバタバタにいたっては、わけもわからないまま「ぶってる人」さん、として彼女のことを認識しているのだろう。
こんなあだ名が定着してしまったのも、ひとえに私の人見知りが原因だ。ぶってる人には本当に申し訳ない気持ちだ。なんとかしたいのだが、どうしたらよいだろう。人見知りぶってるワケじゃないからなあ・・・。

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