「鋼鉄都市」 The Caves Of Steel (1953年)
ハヤカワ文庫 ISBN 4-15-010336-4 ¥714(税込)
☆☆☆☆
巨大鋼鉄都市ニューヨーク・シティ警察の刑事ベイリーは、ある日警視総監に呼び出され、宇宙人が惨殺されるという前代未聞の事件の担当にされた。指定されたパートナーは、オーロラ人(=宇宙に殖民した地球人)所有のロボット、R.ダニール。オーロラではほぼ人間と見分けのつかないロボットが作られていたのだ。ベイリーとR・ダニールは早速、真相究明のための捜査に乗り出す。そして明らかになる、予想だにしなかった犯人とは・・!
先日の記事でもご紹介しましたが、アシモフのロボット短編集にすっかり夢中になってしまった私は、警官ベイリーとロボットのR・ダニールの活躍する一連の長編物をごっそり買い込んで来たのですが、あっという間に読了。とにかく面白いです!SF小説と、犯罪ミステリーの見事な融合。すぐに熱くなるハードボイルド系刑事ベイリーのかたわらで、常に沈着冷静なダニール。彼自身は人間が及びもつかないパワーを持っているが、その行動はロボット三原則に厳しく規制されており、限界がある。
これほどの作品が映画化されないのは、ひとえにアクションシーンがないからだと思う。アクションシーンなんて必要ないよ。登場人物の会話と、シチュエーションだけでこれだけの娯楽作品になっているのは、本当に驚きます。もう、超お勧め!ここで気に入ったら以下の続巻も是非読んでみて下さいね。
「はだかの太陽」 The Naked Sun (1957年)
ハヤカワ文庫 ISBN 4-15-010558-8 ¥714(税込)
☆☆☆★★★
すべてがロボットによって管理される惑星ソラリアで、有史以来初めての殺人事件が起きる。ロボットしかいない密室での殺人事件。ソラリアの要請でベイリー刑事とロボットのダニールは再びコンビを組んで真相解明に乗り出す。ちょっと「スター・トッレク」のエピソードっぽい感じもあるが、傑作です。
「夜明けのロボット」 The Robots Of Dawn (1983年)ハヤカワ文庫
上巻 ISBN 4-15-011063-8 ¥777(税込) 下巻 ISBN 4-15-011064-6 ¥777(税込)☆☆☆★★★
惑星オーロラにてR.ダニールと同機種のヒューマンフォーム・ロボット、R・ジャンダーの陽電子頭脳が機能停止に陥るという事件が起きる。それが可能な人間はただ一人、開発者のファルストフ博士のみ。彼は自身の容疑を晴らすために、ベイリー刑事に捜査を依頼する。ダニール、ジャンダーの両ヒューマンフォーム・ロボットは非常に容姿端麗につくられており、ジャンダーは持ち主の女性のセックスの相手をさせられていたりする。(壊れたのはそのせいではないです。)人間の業が描かれている様で、ちょっと気分が落ち込みます。旧式ロボットだが、非常に洞察力のあるR・ジスカルドも登場!
「ロボットと帝国」 Robots And Empire (1985年) ハヤカワ文庫
上巻 ISBN 4-15-011254-1 ¥777(税込) 下巻 ISBN 4-15-011255-X ¥777(税込)☆☆☆★★★
前作より200年後。ベイリーは100年以上前に寿命を終えたが、ロボット達と400年近い寿命を持つ宇宙人達は健在だ。前作でベイリーから屈辱を受けたオーロラ人のアマディロは、その恨みを晴らすべく地球滅亡の陰謀をめぐらしていた。「はだかの太陽」でベイリーに救われたソラリアの女性グレディアとダニール、ジスカルドの3人はそれを阻止すべく行動を起こす。この話は、その後の「銀河帝国興亡史」シリーズにつながっていく様です。壮大なのよね〜。
とにかくSFが嫌いでなければ読んで損なしの傑作集です。あ〜、しかしR・ダニールってどんなルックスなのかしら〜?気になるな〜。人間の業ね。(笑)

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