The Bourne Ultimatum
2007年/アメリカ (監)ポール・グリーングラス
(演)マット・ディモン ジュリア・スタイルズ デヴィッド・ストラザーン スコット・グレン アルバート・フィニー ジョアン・アレン
☆☆☆☆
2002年の「ボーン・アイデンティティ」、2004年の「ボーン・スプレマシー」に続いてのマット・ディモン主演によるジェイソン・ボーン・シリーズの完結篇。
CIAの極秘プロジェクト「トレッドストーン計画」によって、暗殺のスペシャリストに育てられたジェイソン・ボーン。記憶を失ってしまった彼は、自身の持つ謎と、背後にある真実の探求を続ける。この作品は、その全ての謎が解明するとあって、劇場へと足を運んでまいりました!
このシリーズは、第1級の娯楽映画ですよ、皆様!「ボーン・アイデンティティ」でうならされてから早や5年。この作品で、マット・ディモンは押しも押されぬ人気スターになりましたが、私自身も今のところ彼の代表作だと思います。何しろアクションのこなし方は半端じゃないし、見事なまでにジェイソン・ボーンになりきったその表情も素晴らしいんですよ。
謎を求めて、ボーンは世界各地を転々とするので、話の筋を追うのはちょっと大変かもしれませんが、超人的な彼の戦闘能力は、かなりのカタルシスを呼びます。そして心に抱えた孤独。セリフの少ないこの役を、マットは微妙な表情の変化で表現する。ま、はっきり言って、かなりカッコ良いんです。
監督は「スプレマシー」に続いて再びイギリス人のポール・グリーングラス。「ユナイテッド93」でアカデミー賞にノミネートされた彼は、ジャーナリスト出身で、インディペンデント系でドキュメンタリー・タッチの作品を手がけてきた人。英国諜報機関MI5の内実に触れ物議をかもしたノンフィクション「スパイキャッチャー」(1987年刊行)をピーター・ライトとともに発表。経歴を見ると、かなりの硬派です。きっとだからこそ、彼が監督として、この娯楽超大作の監督に選ばれたのでしょうが、ハリウッドって成功すると見込めば、思い切った人材も活用するな〜と思います。
尚、ベストセラー作家で原作者のロバート・ラドラムは、惜しくも2001年に亡くなってしまいました。このジェイソン・ボーン・シリーズは本来、冷戦時代が背景になっていて、映画版はかなりの変更をされている様ですが・・・。未読なんだけど、読んでみようかな〜・・。スパイ小説って、ちょっと苦手なんですけどね・・。

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